リゾルバ (resolver) はネットワーキングシステムの一部分で, IP アドレスと
ホスト名との変換をおこないます. これは, IP アドレスとホスト名を
対応させるためのマップを, 二つの場所のうちの一つから探すように設定できます.
一つめは/etc/hosts
(man 5 hosts
) と呼ばれるファイルです.
二つめはインターネットドメインネームサービス (DNS) とよばれる
分散データベースですが, これに関する議論はこのドキュメントの扱える範囲を
越えていますので, これについての説明はおこないません.
このセクションではリゾルバの設定方法について簡単に説明します. 既に DNS を使用しているのであれば, このセクションは飛ばしてもかまいません.
リゾルバは名前のマッピングをおこなうシステムコールの集合体です. ただし
どこからマッピング情報を得るのかは, あなたが指示する必要があります.
これはまず/etc/host.conf
ファイルを編集することでおこないます.
混乱の元ですので, このファイルを/etc/hosts.conf
と
呼んだりしてはいけません (余分な ``s'' がついていますね).
このファイルは以下の 2 行を含んでいるはずです:
hosts
bind
これは, 最初に/etc/hosts
ファイルを調べ,
目指す名前が見つからなければ DNS を引きにいくようリゾルバに指示します.
このファイルはローカルネットワーク上に存在するマシンの IP アドレスと
ホスト名を含んでいるはずです. 最低でも ppp を動作させるマシンのエントリが
含まれている必要があります. そのマシンのホスト名が foo.bar.com で,
IP アドレスが 10.0.0.1 であると仮定すると, /etc/hosts
は
以下の行を含んでいなければいけません:
127.0.0.1 localhost
10.0.0.1 foo.bar.com foo
一つめの行は ``localhost'' を現在のマシンの別名として定義しています. マシン固有の IP アドレスが何であっても, この行の IP アドレスは 常に 127.0.0.1 でなければいけません. 二つめの行はホスト名 ``foo.bar.com'' (と, その省略形 ``foo'') を IP アドレス 10.0.0.1 にマップします.
もしプロバイダから固定の IP アドレスを割り当てられているのであれば, それを 10.0.0.1 のかわりに使ってください.
/etc/resolv.conf
はネームサーバをそのマシンで走らせていない場合に
必要になる特別な情報を含んでいます. これは実際のネームサーバの位置を
リゾルバルーチンに示したり, その他いくつかの情報を指定したりします.
/etc/resolv.conf
には問い合わせが可能なネームサーバを少なくとも
一つ指定しておく必要がありますが, できれば二つ指定するのが望ましいでしょう.
これは (ホスト名ではなく) IP アドレスで書かなければいけません. 例えば:
nameserver 1.2.3.4
nameserver 1.2.3.5
接続するプロバイダの「ネームサーバ」指定をすべて書いてください. このファイルの各エントリの詳細については, resolv.conf のマニュアルページを参照してください.