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名称 ワイヤレス環境でのシステム開発
番号 MIRSMG4D-SYST-0011
版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2019.05.29 牛丸真司 牛丸真司 初版

ワイヤレス環境でのシステム開発

統合試験や発表会などで機体を実際に動作させる試験を行う際は、 ディプレイケーブルやキーボードなどが接続されていると、動作できる範囲が極めて限定的と なるため非常に不便である。 そこで、そのような動作試験を行わせる場合は、MIRSから全てのケーブルをははずしたワイ ヤレス環境で、ネットワーク経由でリモートログインして操作する方が圧倒的に使い勝手 がよい。ここではその方法について説明する。

ワイヤレス環境では、MIRSを MG3-WL-11A の SSID に、ノートパソコンを NCT-WL-ST の SSID の無線 LAN にそれぞれ接続して、ノートPC から MIRS にログインして操作を行います。 (2020年7月から802.11a (5GHz帯)を使用するSSIDに変更になっています)

1. MIRSをワイヤレス環境にするための準備

1.1 モバイルバッテリーと模型用バッテリーの準備

制御系電源の 5V のモバイルバッテリー、駆動系電源の 8.2Vの模型用バッテリーを フル充電(に近い)状態にしておく。

1.2 ネットワークアドレスの確認

Raspberry Pi の端末画面で ifconfig コマンドを実行して、無線LANのネットワークアドレスを確認する。

ifconfig -a

とタイプすると、ネットワークアドレス情報が得られるが、wlan0: のエントリの2行目の inet の次の数字(以下では 172.21.2.233)が、無線LANのアドレスである。

wlan0: flags=4163 mtu 1500
    inet 172.21.2.233 netmask 255.255.0.0 broadcast 172.21.255.255

なお、このアドレスがついていない場合は使用できるアクセスポイントが近くにないか、 該当のSSID(MIRSの場合は MG3-WL-11A)にパスフレーズを登録していないか可能性がある。 MG-WL のパスフレーズが不明の場合はネットワーク管理者か担当教員に確認して下さい。

1.3 Raspberry Pi のリモートアクセスの設定の確認

以下のようにして、Raspberry Pi がリモートアクセスを可能にする。 (インストール時にアクセスできるように設定してあればこの作業は不要ですが、 再度行っても問題ありません。)

sudo raspi-config

とタイプし、以下の画面内の「5 Interfacing Options 」を選択し、

次の画面の P2 SSH と P3 VNC を順に選択して、ともに enable (利用可)にする。

P2 SSH を選択した場合は、 Would y ou like the SSH server to be enabled? の質問に< はい > を選択する。

2. PC 側の準備

  1. ノートPCの準備 PCを設置した室内で動作試験を行うのであれば、そのPCに対するアプリケーションのインストール権限が あればそのPCを利用することも可能だが、 廊下や体育館などに持っていて調整を行うこともあるので、自由に使えるノートPCを用意する。

  2. ノートPCのネットワーク接続 PCからMIRSにリモートログインするためには、そのPC自身がネットワークに接続していなければならない。 校内であればどこからでも NCT-WL-ST の学生用SSIDに接続できるはずなので、このSSIDに接続する。

  3. アプリケーション(クライアントソフト)のインストール SSH および VNC 接続するために次の2種類のアプリケーションをインストールしておく。

3. SSH によるリモートログイン

以下に Tera Term を起動してログインする例を示す。

  1. 次の画面の一番上の ホスト(T)のボックスに、1.3 で確認した Raspberry Pi のIPアドレスを 入力し、OKボタンを押す。

  2. 次の画面のように、ユーザ名をパスワードを聞かれるので、入力する。 ユーザ名は通常は pi であるが、パスフレーズはディフォルトから変更している場合があるので注意する。 (パスフレーズのディフォルトは raspberry )

  3. 次の画面のようにログインして、その端末画面が表示されるので、以降コマンド操作で MIRSを動作させる。なお、piユーザでログインした場合は、ログイン直後のディレクトリは piのホームディレトリになっている。

なお、Ubuntu や CentOS では端末画面から、次のように IP アドレスとユーザ名を指定して SSH ログインすることができる。

ssh pi@172.21.2.233

また、-X オプションを付けて次のようにログインすると、Raspberry Pi 側の Arduino IDE などの GUIアプリを起動することもできる。

4. VNC によるリモート操作

以下に VNC Viewer を起動してログインする方法を示す。
なお、VNCを利用する場合は、ディスプレイを接続しない場合でも HDMIポートに何も接続していないと、画面解像度が640x480となっていまうので、 配布されている HDMI<->VGA変換アダプタを接続しておく(これにより解像度は1024x768となる)。

  1. VNC Viewer を起動し、以下の画面のように File からNew connection を選択する。

  2. VNC Server のボックスに、1.3 で確認した Raspberry Pi のIPアドレスを 入力し、OKボタンを押す。

  3. 次の画面のように、ユーザ名をパスワードを聞かれるので、入力する。 ユーザ名は通常は pi であるが、パスフレーズはディフォルトから変更している場合があるので注意する。 (パスフレーズのディフォルトは raspberry )

  4. ログインすると次の画面のように接続先のRaspberry Pi のログインした状態の画面がそのまま表示され、 Raspberry Pi をローカルに操作するのと全く同じ感覚で、操作を行うことができる。

  5. VNC Viewer は一度アクセスした先の情報を記憶しており、下の図のように前回アクセスした画面状態と IPアドレスがセットで表示されているので、2回目以降はアクセスしたい先の画面のダブルクリックすればよい。