沼津高専 電子制御工学科

MIRSMG3D リモートアクセス環境実装手順書

MIRSMG3D-OSIN-0008

改訂記録

版数

作成日

作成者

承認

改訂内容

A01

2009.3.13

吉川

牛丸

初版


 

目次

 

1.はじめに
2.無線LAN環境の実装
3.リモートアクセス環境整備
4.おわりに

 


1.はじめに

本ドキュメントでは、無線LANの実装・設定方法、Windows環境でのリモートアクセス環境整備の手順について記載する。

2.無線LAN環境の実装

1.      ドライバファイルの書き換え

カーネルソースにある、zd1211rwのドライバファイルを書き換える。
zd_usb.c
に、無線LANアダプタのベンダーID(2019)及びプロダクトID(5303)を追加する。
$vi /usr/src/linux/drivers/net/wireless/zd1211rw/zd_usb.c

--- 42
行目 ----
        /* ZD1211B */
        { USB_DEVICE(0x0ace, 0x1215), .driver_info = DEVICE_ZD1211B },
        { USB_DEVICE(0x157e, 0x300d), .driver_info = DEVICE_ZD1211B },
+      { USB_DEVICE(0x2019, 0x5303), .driver_info = DEVICE_ZD1211B },

zd_ieee80211.c
に、国別のエクストラチャンネルを追加する。
$vi /usr/src/linux/drivers/net/wireless/zd1211rw/zd_ieee80211.c

--- 40
行目 ----
        [ZD_REGDOMAIN_JAPAN_ADD] = { 14, 15},
+      [0x49] = { 1, 15},
  };

2.      カーネルをリコンパイルする。

コアカーネルと、カーネルモジュールの両方をリコンパイルする必要がある。
詳しい手順については、カーネル再構築手順書を参照。

3.      firmwareの導入

ファームウェアファイルをダウンロードする。
zd1211-firmware-1.4.tar.bz2

ダウンロードしたファイルを /lib/firmware に移動する。
$sudo mv zd1211-firmware-1.4.tar.bz2 /lib/firmware

解凍する。
$cd /lib/firmware
$sudo tar jxf zd1211-firmware-1.4.tar.bz2
$sudo mv zd1211-firmware zd1211

4.      モジュールの設定の追加

/etc/modprobe.conf
に以下の文を追加する。

alias eth1 zd1211rw

5.      接続設定ファイルの作成

無線LAN接続に必要な設定は、/etc/sysconfig/network-scripts以下のファイルに記述する。
各種アドレスの指定や、暗号キーの記述方法を記載する。

5.1 ifcfg-eth1
の記述

ifcfg-eth1
には、アダプタのMACアドレス、IPアドレスなどを記述する。
サンプルファイル
を参考に、下記の項目を環境に合わせて記述することで接続ができる。

TYPE=Wireless                    無線LANであることを明示
DEVICE=eth1                    
デバイスネーム
HWADDR=00:22:CF:AA:BB:CC        
アダプタのMacアドレスを記述
ONBOOT=yes                      
ブート時にこのインタフェイスを有効にするか指定。通常'yes'
BOOTPROTO=dhcp                      
DHCPによるアドレス取得
ESSID=name                       ESSID
を指定(name部分を変更する)
MODE=Managed                    
通常の接続では、Managed(管理モード)に設定
RATE=Auto                       
接続速度の指定。通常はAuto


5.2
keys-eth1の記述

keys-eth1
には、eth1の接続で使用するWEPキーを記述する。
書式は、サンプルファイルの通りである。

例:WEPキーが文字(angou)の場合
KEY=s:angou

WEP
キーが16進数字(AAAABBBBCCCC)の場合
KEY=AAAABBBBCCCC


6.      デバイスモジュールの入れなおし

アダプタを使用するためには、一度関連するデバイスモジュールを全て取り外し、入れなおす作業が必要である。
手順は以下の通りである。

(アダプタを指した状態で行う)
$sudo /sbin/rmmod zd1211rw
$sudo /sbin/rmmod ieee80211softmac
$sudo /sbin/rmmod ieee80211
$sudo /sbin/rmmod ieee80211_crypt_wep
$sudo /sbin/rmmod ieee80211_crypt

$sudo /sbin/modprobe zd1211rw

7.      ネットワークのスキャン

アクセスポイントの電源が入った状態で、ネットワークのスキャンを行う。

$sudo /sbin/iwlist eth1 scan
eth1     Scan completed :
          Cell 01 - Address: 00:0D:0B:89:86:2A
                    ESSID:"MG3"
                    Protocol:IEEE 802.11bg
                    Mode:Master
                    Channel:3
                    Encryption key:on
                    Bit Rates:1 Mb/s; 2 Mb/s; 5.5 Mb/s; 6 Mb/s; 9 Mb/s
                              11 Mb/s; 12 Mb/s; 18 Mb/s; 24 Mb/s; 36 Mb/s
                              48 Mb/s; 54 Mb/s
                    Quality=100/100  Signal level=70/100
                    Extra: Last beacon: 594ms ago

感知したネットワークが、全て表示される。
スキャンを行うことで、設定ファイルで指定したESSIDのネットワークに接続される。

8.      接続の確認

iwconfigコマンドを使用することで、現在接続されているネットワークについての情報を得ることができる。

$ sudo /sbin/iwconfig
lo        no wireless extensions.

eth0      no wireless extensions.

eth1     802.11g zd1211  ESSID:"MG3"
          Mode:Managed  Frequency:2.422 GHz  Access Point: 00:0D:0B:89:86:2A
          Bit Rate=24 Mb/s
          Encryption key:6D67-3377-6C   Security mode:open
          Link Quality=88/100  Signal level=100/100
          Rx invalid nwid:0  Rx invalid crypt:0  Rx invalid frag:0
          Tx excessive retries:0  Invalid misc:0   Missed beacon:0

sit0      no wireless extensions.

eth1
は、ESSIDMG3”に接続されていることがわかる。
指定したアクセスポイントに接続されていることが確認でき出来ていれば、成功である。

さらに、ifconfig コマンドを使用することで、IPアドレスが取得出来ているかを確認する。

  $ /sbin/ifconfig eth1

なお、6,7の操作をスクリプト化したファイル(wlan.sh)を実行することで、簡単に接続を開始することができる。
なお、有線のLANを接続している場合は、
   sudo /sbin/ifconfig eth0 down
として、有線のLAN (eth0) をソフト的に切って、ping コマンドなどで、接続を確認する。

Linux環境のPCからXアプリケーションの動作を確認するには、
  ssh -X mirs@ホスト名    または  ssh -X mirs@IPアドレス
でログインし、gnome-terminal などの X プリケーションを起動してみて、動作を確認することが出来る。

 

3.Windows のリモートアクセス環境整備

Windows環境のPCにSSHクライアントのPutty及び、XサーバソフトウェアのXmingを使用して、リモートアクセス環境でXウィンドウ機能を利用する手順を記載する。

1.      Xmingのダウンロードとインストール

以下のサイトから、Xmingパッケージをダウンロードする。
http://sourceforge.net/projects/xming

ダウンロードしたファイルを実行し、インストールを行う。
Select Components」では、Full installationを選択する。


その他の設定はデフォルトで問題ない。

2.      Puttyのダウンロードとインストール

以下のサイトから、Puttyの日本語版であるPuttyjpをダウンロードする。
http://hp.vector.co.jp/authors/VA024651/PuTTYkj.html

ダウンロードしたファイルを適当な場所に解凍する。


3.      Xmingの設定

Xming
の設定は、XLaunchというアプリケーションを用いて行う。
デスクトップのアイコンやスタートメニューから、XLaunchを起動する。

Display settings
では、Multiple windowsを選択する。



Session type
は、Start no clientを選択する。



Additional parameters
は、Clipbordにチェックが入っていることを確認。



Save configuration
で、設定ファイルを保存する。
次回Xmingを起動する場合は、その設定ファイルを開くことによって起動できる。



4.      Puttyの設定と実行

2
で解凍されたフォルダの中にある、puttyjpを起動する。
設定画面が開かれる。




設定する項目は、以下の通りである。

○ホスト名(またはIPアドレス);セッション
無線LANアダプタに設定されたIPアドレスを入力する。

○文字コードの設定;ウィンドウ⇒変換
UTF-8/Auto-Detect Japanese
を選択

X11フォワーディングを有効にする;接続⇒SSHX11
チェックを入れる



上記の設定が終わった後、セッション一覧の下の入力部分に任意の名前を入力し、保存をすることで次回から設定を省いて接続することができる。


設定終了後、開くをクリックすると以下のウィンドウが現れる。
ユーザー名、パスワードを入力すれば、ターミナルの機能が全て使用できるようになる。



画像処理のウィンドウを表示させると、以下のようになる。
ウィンドウの表示場所などは、自由に移動することが可能である。

 

 

4.おわりに

Putty及びXmingの更新情報は、以下のサイトを参照すること。

hdk の自作ソフトの紹介              http://hp.vector.co.jp/authors/VA024651/index.html
SourceForge.net                        http://sourceforge.net/projects/xming

 

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