沼津高専 電子制御工学科 | ||||||
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改訂記録 | ||||||
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版数 | 作成日 | 作成者 | 承認 | 改訂内容 | ||
A01 | 2000.2.13 | 村松 洋平 | 川端 直樹 |
初版 | ||
A02 | 2000.2.21 | 村松 洋平 | 長澤 正氏 |
IOCHRDYタイミングの追加・概観図の訂正 |
目次 |
本文書はATLMIRSにおける液晶ディスプレイ制御についてまとめた技術資料である。
ATLMITSでは従来のMIRSで採用されていた7セグメントLEDにかわり液晶ディスプレイ(以下 LCD)を採用する。このLCDでは7セグメントLEDの4桁表示に比べ、英数文字などを16文字×2行で表示できるために、現在と比べ格段にMIRSの状況を把握しやすくなると考えられる。このLCDには文字を表示するための液晶コントローラドライバLSI(HD44780)が内臓されておりこのLSIに信号を送ることで文字の表示が可能となる。
以下にATLMIRSで採用するLCDの概観・仕様を示す。
Table.1 MIRS-ATLM LCD仕様
HD44780の電気的特性を以下に示す。
LCD制御モジュールはFPGAボードのFPGAチップ内に構成される液晶ディスプレイの制御回路である。
LCD制御モジュールでは大きく分けて二つの制御を行う。
@ 動作制御回路
A 入出力制御回路
IOCHRDYとはISAバスのIOが動作処理中に外部からのBUSY信号が入力されるまでの期間、CPUに対してバス制御を待機状態にするのに必要な信号である。しかし、ここではそんなに難しく考える必要はなくISAバスのRead,Writeサイクルの引き伸ばしを行うためのウェイトサイクルの要求信号と考えると良い。
JISコードとはJIS(Japan Industrial Standard)で規格化された情報交換用符号系コードの名称である。
今回開発したLCD制御回路はISAバスとLCDを接続する機能を有している。また、このLCDの動作タイミングは、ISAバスの動作タイミングと比べて遅いためRead,Writeサイクルの引き延ばしを行う必要があり、この回路ではISAバスのIOCHRDY信号を使用してタイミングをあわせている。また、この回路にはLCDの制御の為に2つのI/Oポートアドレスが設けられておりLCDに制御データと表示文字データのRead,Writeを行っている。
概略仕様
品 名
SUNLIKE製液晶モジュール SC1602BS
外形寸法
W 85mm D 12.7mm H 30mm
電 源
5V,0.6mA
コネクタ
14ピンピンヘッダ型コネクタオス(半田付け)
販売元
秋月電子通商
価格
1,300円
内臓LSI
日立ドットマトリクスドライバ44780U
表示桁数
16文字×2行
表示機能
カーソル、文字反転、文字ブリング、表示オン・オフ可
IF
4ビット OR 8ビット
文字
5×7ビット 192種類 キャラジェネ8文字
論理文字位置(1行目)
1〜16文字目
論理文字位置(2行目)
41〜56文字目
絶対最大定格
電源電圧(Vcc−GND)
-0.3〜+7.0(V)
入力電圧
-0.3〜Vcc+0.3(V)
動作温度
-30〜+75(℃)
保存温度
-55〜+125(℃)
LCD SC1602BSはこのLSIにより動作するためライト・リード動作に関しても以下に従う。
項 目
記 号
min
typ
max
単 位
測定条件
LCD動作電圧
VDD・Vo
-
4.8
-
V
Ta=0℃
LCD動作電圧
VDD・Vo
-
4.5
-
V
Ta=25℃
LCD動作電圧
VDD・Vo
-
4.2
-
V
Ta=50℃
供給電圧
VDD・Vss
4.7
5.0
5.3
V
-
入力"High"レベル電圧
VIH1
2.2
-
Vcc
V
-
入力"Low"レベル電圧
VIL1
-0.3
-
0.6
V
-
出力"High"レベル電圧
VOH1
2.4
-
-
V
-IOH=0.205mA
入力"High"レベル電圧
VOL1
-
-
0.4
V
-IOL=1.2mA
項 目
記 号
min
typ
max
単 位
イネーブルサイクル時間
tCYCE
500
-
-
ns
イネーブルパルス幅 "High"レベル
PWEH
230
-
-
ns
イネーブル立上がり、立下り時間
tEf,tEr
-
-
20
ns
セットアップ時間 RS,R/W-E
tAS
40
-
-
ns
アドレスホールド時間
tAH
10
-
-
ns
データセットアップ時間
tDSW
80
-
-
ns
データホールド時間
tH
10
-
-
ns
項 目
記 号
min
typ
max
単 位
イネーブルサイクル時間
tCYCE
500
-
-
ns
イネーブルパルス幅 "High"レベル
PWEH
230
-
-
ns
イネーブル立上がり、立下り時間
tEf,tEr
-
-
20
ns
セットアップ時間 RS,R/W-E
tAS
40
-
-
ns
アドレスホールド時間
tAH
10
-
-
ns
データ遅延時間
tDDR
-
-
160
ns
データホールド時間
tH
5
-
-
ns
このモジュールによりLCD-ISAバス間のデータの入出力を制御する。下の構成図の赤枠で囲った部分がFPGAチップ内に構成される部分である。
モジュールに入力される信号はISAバスからの8ビットのデータ信号、アドレスデコーダからのモジュールセレクト信号である。
基本的にはこの信号で動作するわけだが、前項でも記したとおりLCDを動作するためにはこの信号以外にEnable信号が必要となる。
また、IOCHRDY信号を用いてISAバスとLCDの動作タイミングをあわせている。
この回路ではISAバス−LCD間のデータの入出力の制御を行っている。
LCDでは文字を表示するためにJISコードを用いている。
添付のJISコード表を見ていただければわかると思うがISAバスから送られる8ビットのデータがそのままLCDに表示できるデータとなる。
つまりこの回路は単にISA-LCD間のデータを素通ししているだけである。
下の図の赤で囲った部分がIOCHRDYによりつくられたウェイトサイクルである。
ウェイトサイクルをいれることによって、信号を長さをかえることができるのでデータの転送などのタイミングをあわせるのに用いられる。
JISコードでは、数字、英文字、カタカナ、各種記号、機能文字など256種類が8BitコードとしてJIS X 0201で決められており、ATLMIRSに搭載するLCDではこの規格のコードを用いる。
その他漢字コードもJIS X 0208で制定されている。
下にJIS X 0201のコード表を添付する。
関連文書 |
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