沼津高専 電子制御工学科
超音波センサの調査報告書
MIRS9901-REPO-0002
改訂記録
版数
作成日
作成者
承認
改訂内容
提出先
A01
2000.1.25
上田
佐田
初版
MIRS9901
1.主旨
本書は、本システム主要構成部品のひとつである超音波センサについて、その基本性能を調査、理解し、 調査の結果から超音波センサのMIRSへの応用を検討する。
2.超音波センサの温度による誤差について
音の速度は次式で与えられる。
v=331.5+0.6k *kは温度
ここでtが10度から20度まで変化したとすると1m進むのにかかる時間は
kが10度 v=337.5 t=2.96ms
kが20度 v=343.5 t=2.91ms
となる。20度の時50usでどのくらい音が進むのかというと17cmである。
以上の事より温度差は余り気にしなくてよいと思う。
3.超音波の指向性について
超音波センサを扱う上で重要である指向性についてここで述べる。
市販されている超音波トランジューサの指向性は、それ程鋭くなく、半値角として
20°〜 30°程度の広がりを持つ。
超音波センサの指向性が広いと、センサによって計測された対象物体の形はかな
りボケたものになる。すなわち、超音波センサは、距離方向の分解能はよいが、横
方向の分解能はよくない。この指向性を改善する方法として、トランジューサにホ
ーンアンテナを取り付ける手段がある。アンテナには一般に指向性を鋭くすると同
時に、中心方向のゲインをかせぐという利点がある。ただし、ホーンアンテナの設
計を理論的に行なうことは難しいので、ある程度の試行錯誤によってホーンの形を
決める必要がある。
4.超音波センサ利用上の注意
1.壁にたいして斜めに入射した超音波はほとんどもどってこない。
3.受信機は、大きな増幅率をかせぐアナログ回路であり、回路の雑音に注意しなければならない。
4.受信機はマイクロホンであるから、外部の音やシステム自体の機械的振動で誤動作する恐れがあるので受信機はゴム等を用いて、機械的振動が伝わらないように取り付ける。
5.外部からの音響的な雑音に対しては、距離を 2 回測定して、その値が違っていたら再度センサを働か
せるというようなソフトウェアによる対策が有効。
6.続けて距離を測定する場合は、以前に発射した超音波に対する反射や残響が十分に減衰する時間
(数 [ns] )をおいてから、次の超音波を発射する。
5.MIRSへの応用
我々のmirsは絶対座標を必要とするので超音波センサの指向性を狭くして座標を確実に知る。超音波センサの指 向性を広くするとセンサによって計測された対象物体の形はかなりボケたものになってしまうのでmirsの正しく知る ことができない。できれば前後左右に取り付けるのが理想だと思われる。