沼津高専 電子制御工学科
MIRS9901基本設計書
MIRS9901−基本設計書
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2000.2.2 岩田 佐田 初版
A02 2000.4.25 MIRS9901 佐田 作戦変更による訂正
A03 2000.4.28 MIRS9901 佐田 動作規定の変更
B01 2000.6.21 MIRS9901 佐田 他のドキュメントとの整合
B02 2000.6.26 MIRS9901 外観図の変更
B03 2000.7.4 MIRS9901 菅谷 センサのIO port Address訂正

目次

  1. はじめに
  2. システム概要
  3. 諸元
    1. 外観
    2. 機能性能
  4. システムの動作規定
  5. システム構成ツリー
  6. ハードウェア構成
    1. エレクトロニクス回路構成/機能
    2. エレクトロニクス回路基板外形
    3. 保守交換単位
    4. ソフトウェアビジビリティ
  7. ソフトウェア構成
    1. 動作モード
    2. リアルタイムモニタ
    3. タスク構成/機能
    4. マンマシンインターフェイス
    5. 試験機能
  8. システム試験
    1. システム試験概要
    2. 試験内容

はじめに

本設計書はMIRS99競技規定に基づきMIRS9901チームの作成する自律型小型知能ロボットの基本設計を記述する。また、この設計書は、作成を進めていく段階で、訂正・改良されるものとする。

システム概要

ハードウェア

MIRS9901システムのハードウェアはほぼ標準MIRS(注1)に準ずる構成を用いるが、MIRS9901の作戦に基づきMIRS9901独自の設計をする。以下に、標準MIRSと異なる点を述べる。 (注1)沼津高専電子制御工学科のMIRSカリキュラムにおいて開発された、68000プロセッサにより制御される2輪独立駆動の走行制御系と各種センサを搭載した、小型自律移動ロボットである。詳細はMIRSデータベースの 標準MIRS(現在作成中) に詳しく記載されている

ソフトウェア

ソフトウェアは複数のイベントドリブン型のタスクからなり、割り込みおよびタスクの管理はリアルタイムモニタMIRX68Kを用いて実現する。

システムの動作

MIRS9901システムは、1回目の競技開始後初期ルートを進む.初期ルート進行中は超音波センサによりポストを探索し,発見したら獲得動作に入る.2回目は,一回目のポストの位置情報を元に獲得ルートを作成し,ポストを獲得する。ここで、獲得動作中、死角にあるポストの探索動作を行い全てのポスト獲得を目指す.

諸元

     
  1. 外観
    図1に本システムの外観を示す。

    図1.MIRS9901外観図

     

  2. 機能性能

システム動作規定

図2に本システム動作規定を図で示す。

図2.システム動作規定

  1. MIRS9901は、初期ルートに沿って進んでいく
    ・MIRS9901システムは、競技開始時にまずあらかじめ決められたルート に従い競技場を進む. スタート時に自分の現在位置を確認し、初期ルートのスタート地点まで進む。
  2. ポスト発見は基本的に超音波センサーで行う
    ・MIRS9901は、主として超音波センサーによってポストの発見を行う。超音波センサーを主として使うことによって、ルール変更上のポストの大きさの変化に対応する。
  3. ルート上のポストはタッチセンサーによっても発見をする
    ・またこれと同時にタッチセンサーによってもポストの発見を行うようにしている。
  4. 超音波センサで壁の位置を把握する
    ・その他に、超音波センサによってポストと壁とを区別するようになっている。これは、スタート時に確認したように自身の位置を細かく確認していくことで、逆に壁までの距離が計算できるようになるので、その距離以外から超音波が帰ってきたときにその方向にポストがあると判断できるはずである。更に、ポスト獲得動作中にも発信し、ポスト探索を行う。
  5. タッチセンサで赤外線発信装置の探索、押下と認識
    ・タッチセンサでは、初期ルート進行中のポストの発見、赤外線発信装置を押したことの認識などを行う。
    タッチセンサは前面に2つ、左右それぞれ2つずつ,また,後ろに1つ取り付けられている。本体がバックした時に起こるトラブルを解消するために後ろにタッチセンサーを取り付けるのです。また、前面のセンサーは,左右のセンサにより、ポストの迂回をスムーズに(短い距離を)選択、履行でき、ポスト獲得の時間短縮をする。中心のセンサは、赤外線発信装置を押したと認識し、赤外線センサに赤外線有無の確認を促すものである。初期ルート進行中にできるだけポスト発見をするようにMIRS9901本体には、超音波センサーを8個取り付け、規定ギリギリの30cm とし、タッチセンサも幅いっぱいに取り付ける。
  6. 赤外線センサの配置と役割
    ・赤外線センサは、側面に3つずつ、前面に2つ取り付けられている。側面のセンサは、赤外線を発見するためのものである。前面のセンサは、ポスト獲得動作後に、赤外線発信装置から赤外線が出ているかを確認するためのものである。
  7. ルートへの復帰
    ・発信装置を押した後、初期ルート座標内でポストを回り始めた位置とは違うもう一方の座標までポストを回り続け、初期ルートに戻る。
  8. 2週目以降
    ・初期ルート終了後の2周目は、初期ルート進行中に超音波で、発見したポストを記憶し、その位置までのルートを決め、ポストを獲得する。
    決めたルートの座標を用いてルート復帰を行う。

    システム構成ツリー

    下記にシステムの構成を示す。
    MIRS9901製造仕様書
    |- MIRS9901組立図 |- ソフトウェアインストール手順書
    | |- シャーシフレーム組立図 | |- MIRS9901.X(プログラムファイル)
    | | |- シャーシフレーム | | |- MIRX68KC.C (MIRX68Kソースファイル)
    | | |- モータx2 | | |- MIRX68K.H (MIRX68K用ヘッダーファイル)
    | | |- モータ取付金具x2 | | |- HARD.C (MIRS9901用ハードウエア・ライブラリ関数)
    | | |- 可逆モータパワー変換ボード | | |- HARD.H (MIRS9901用ハードウエア・ライブラリ関数用ヘッダファイル)
    | | |- シャーシフレーム部ケーブル接続図 | | |- IODEF.H (MIRS9901用I/O定義ヘッダファイル)
    | | | |- コネクタ類 | | |- DUSCC.H (RS-232C関数用ヘッダファイル)
    | | | |- ケーブル類 | | |- TABLE.H (タスク登録用ヘッダファイル)
    | | | |- ケーブル検査仕様書 | | |- MONENT.S (Cスタートアップルーチン)
    | | |- 側面バンパ型タッチセンサ(左) | | |- MIRX.CMD (リンカ・コマンドファイル)
    | | | |- タッチセンサ | | |- MAKEFILE (メイクファイル)
    | | | |- バンパ機構 | | |- ユーザ・タスク・ファイル
    | | | |- ネジ類 | | | |- 低レベルタスク
    | | |- 側面バンパ型タッチセンサ(右) | | | | |- TASK00 マンマシンインターフェースタスク
    | | | |- タッチセンサ | | | | |- TASK01 超音波センサタスク
    | | | |- バンパ機構 | | | | |- TASK02 ロータリーエンコーダタスク
    | | | |- ネジ類 | | | | |- TASK03 タッチセンサタスク
    | | |- 前面バンパ型タッチセンサx6 | | | | |- TASK04 PWMモータ駆動タスク
    | | | |- タッチセンサx6 | | | |- 高レベルタスク
    | | | |- バンパ機構 | | | | |- TASK05 距離セットタスク
    | | | |- ネジ類 | | | | |- TASK06 方向修正タスク
    | | |- タイヤx2 | | | | |- TASK07 ポスト獲得タスク
    | | |- ネジ類 | | | | |- TASK08 障害物回避タスク
    | | |- シャーシフレーム試験仕様書 | | | | |- TASK09 センサ試験タスク
    | |- 電子回路フレーム組立図 | | | | |- TASK10 試験走行タスク
    | | |- 電子回路フレーム | | | |- メインタスク
    | | |- ラック | | | | |- TASK11 行動計画タスク
    | | | |- VMEラック | | | |- ユーザ・タスク・ファイル仕様書
    | | | |- CPUボード(VSBC1) | | |- 実行形式ファイル作成マニュアル
    | | | |- IOボードアセンブリ |- MIRS9901試験仕様書
    | | | | |- IOボード(VIPC310) |- MIRS9901取扱説明書
    | | | | |- IPDigital48ボード |- 電池
    | | | | |- ロータリエンコーダボード
    | | | | |- ジャンパ設定仕様書
    | | | |- IOSubボード
    | | | |- マンマシンインターフェースボード
    | | | |- VMEラックジャンパ設定仕様書
    | | |- 電源ボード
    | | |- 左超音波センサ
    | | |- 右超音波センサ
    | | |- 赤外線センサx3
    | | |- 電子回路フレーム部ケーブル接続図
    | | | |- コネクタ類
    | | | |- ケーブル類
    | | | |- ケーブル検査仕様書
    | | |- 取付金具
    | | |- ネジ類
    | |- ケーブル接続図
    | |- 電池ホルダ
    | |- 取付金具
    | |- ネジ類

    ハードウェア構成

    1. エレクトロニクス回路構成/機能

      図3.MIRS9901エレクトロニクス回路ブロック

      各部の機能
      1. MPUボード
        • 名称 :VSBC-1
               Single Board (68HC000) Computer Module for the VMEbus
        • CPU:MC68HC000 クロック:12.5 MHz / 16.7MHz
        • サイズ:100×160(mm)
        • 製造元:PEP Modular Computers このボードには、時計機能(RTC)、VMEバスの管理機能、ハードウェア監視機能、タイムアウト機能 等が備わっている。

      2. 超音波センサ回路
        この回路は指定した超音波センサから超音波を送信させ、受信するまでの時間をカウント値として測定するものである。

        9901班MIRSでは8個の超音波センサを装備する。超音波センサの測定範囲は20cm〜3mで測定誤差は±5cm以内とする。

      3. 赤外線センサ回路
        赤外線センサ回路は赤外線の受光状態を2つの値(反応有り,無し)で得るようになる。この回路は赤外線センサの受光素子から送られてくるH 又は Lの信号を処理し、信号に状態変化が起きたときに割り込み要求信号をCPUに送る機能を有する。最大8個のセンサを用いる事ができ、9901班のMIRSでは8個のセンサを使用する。

      4. タッチセンサ
        マイクロスイッチを使用したバンパ型タッチセンサによってポストor壁との接触を感知し、そのON,OFFをロータリーエンコーダへ知らせる機能を持つ。

      5. ロータリエンコーダ制御部
        タイヤの回転数をパルスにして、回転子の回転数&速度の検出を行う。 仕組みはLEDの光を、スリットで通過、遮断させ、それを受光素子で検出後、信号にする カウンタ回路はカウンタ(7bit)と方向判別(1bit)の両方を兼ね備えている。

      6. PWM回路
        ロータリーエンコーダのデータと与えた速度データを比較し方形波のduty比を0〜50%まで128段階で変化させることで、正確な速度になるようにモータに与えるパルスを調節する機能を持つ

      7. モータ制御部(Moter Power Circuit)
          モータ型番:REO25-055-34EBA200A
          トルク定数:16,30[mNm/A]
          端子間抵抗:1.34[ohm]
          無負荷電流:53.90[mA]
          端子間電圧:7.2[v]
          ギア型番 :GPO26A037-0016b1A00A
          ギア減速比:16.00:1
          ギア効率 :76[%]

        モータはPWM制御部からのパルスによってエネルギーを供給されることにより動作する。このパルス幅を変調することによってモーターへの供給エネルギーを調整し、モータの回転数を調節することが出来る。

      8. 電源回路部
        電源(7.2V−1700mAのNi-Cd電池)から、エレクトロニクス回路用の5v電源及び駆動用の12v電源を用意し、MIRS制御に必要な全電力を供給する。

      9. MMI(マンマシンインターフェイス)ボード
          MIRS競技や試験において必要な情報の表示と入力を行う。7セグメントLEDx4、赤、緑LED、4ビットロータリーディップスイッチ、押しボタンスイッチを備える。

    2. エレクトロニクス回路基板外形
      1. 下記についてはVMEハーフハイト基板仕様に従う。
        • CPUボード(VSBC1)
        • IOボード(VIPC310)
        • IOSubボード
        • マンマシンインタフェースボード
      2. 下記についてはIOボード(VIPC310)インダストリパック仕様に従う。
        • IPボード(IPDigital48)
        • ロータリエンコーダボード
      3. 下記については標準MIRS基板を使用するのでMIRSデータベースを参照すること。
    3. 保守交換単位
      以下に保守交換単位を示す。
      • モータ
      • タイヤ
      • 可逆モータパワー変換ボード
      • ケーブル・コネクタ
      • 左前面バンパ型タッチセンサ
      • 中央面バンパ型タッチセンサ
      • 右前面バンパ型タッチセンサ
      • CPUボード
      • ロータリーエンコーダボード
      • IOボード
      • I/Osubボード
      • マンマシンインターフェースボード
      • 電源ボード
      • 超音波センサ
      • 赤外線センサ
      • プログラムファイル
      • 電池

    4. ソフトウェアビジビリティ 本システムのソフトウェアビジビリティは標準MIRSソフトウェアビジビリティ(現在作成中)の仕様と同一である。但し、各センサの位置とIOポートアドレスの対応は下表による。bitは最上位bitがD7最下位bitがD0とし、並びはD7D6D5D4D3D2D1の順とする。   
      センサ IO port Address/bit 備考
      超音波センサ
      右上
      FC6151/------00

      左上
      FC6151/------01


      FC6151/------10


      FC6151/------11

      赤外線センサ
      右後
      FC6153/10000000

      右中
      FC6153/01000000

      右前
      FC6153/00100000

      前右
      FC6153/00010000

      前左
      FC6153/00001000

      左前
      FC6153/00000100

      左中
      FC6153/00000010

      左後
      FC6153/00000001

      タッチセンサ
      右後
      FC6003orFC6007/001

      右前
      FC6003orFC6007/010

      前右
      FC6003orFC6007/011

      前左
      FC6003orFC6007/100

      左前
      FC6003orFC6007/101

      左後
      FC6003orFC6007/110


      FC6003orFC6007/111

    ソフトウェア構成

    1. 動作モード


      図5.状態遷移図 GIF形式
        @座標確認後、原点へ移動したらポスト探索モードに移行する。

        Aタッチセンサ、又は超音波センサに反応があったら獲得判断モードに移行する。

        B超音波センサで発見した未獲得のポストであればポスト接近モードに移行する

        Cタッチセンサで発見した未獲得のポストであればポスト獲得モードに移行する。

        Dポストに接近したら、ポスト獲得モードに移行する。

        Eポストを獲得したら、ルート復帰モードに移行する。

        Fルート復帰モード終了後ポスト探索モードに移行する。

        G獲得済みのポストであれば回避モードに移行する。

        H回避モード終了後、ポスト探索モードに移行する。

        I座標確認後、原点へ移動したら獲得ルート決定モードに移行する。

        J獲得ルート決定後、獲得ルート進行モードへ移行する。

        K回避モード終了後、獲得ルート進行モードに移行する。

        Lルート復帰モード終了後、獲得ルート進行モードに移行する。

        

      状態遷移表    
      移動元/移動先 初期化モード ポスト探索モード 獲得判断モード ポスト接近モード ポスト獲得モード ルート復帰モード 獲得ルート決定モード 獲得ルート進行モード 回避モード
      初期化モード 座標確認後、原点へ移動し、
      ポスト探索モードに移行
      × × × × 全てのポストを通る最短のコー
      スを算出する獲得ルート決定モ
      ードへ移行
      × ×
      ポスト探索モード × タッチセンサ、又は超音波センサ
      に反応があったら獲得判断モー
      ドに移行
      × × × × × ×
      獲得判断モード × × 超音波センサで発見した未獲得
      のポストであればポスト接近モ
      ードに移行する
      タッチセンサで発見した未獲得
      のポストであればポスト獲得モー
      ドに移行する
      × × すでに獲得したポストだったら
      回避モードに移行
      ポスト接近モード × × × ポストにぶつかったらポスト獲
      得モードに移行
      × × × ×
      ポスト獲得モード × × × × ポスト獲得後ルート復帰モードに移行 × × ×
      ルート復帰モード × ルート復帰モード終了後ポス
      ト探索モードに移行
      × × × 獲得ルート決定後、獲得ルート
      進行モードに移行
      ルート復帰モード終了後獲得ルー
      ト進行モードに移行(競技二
      回目に限る)
      ×
      獲得ルート決定モード × × × × × × 獲得ルート決定モード終了後
      獲得モード進行モードに移行
      ×
      獲得ルート進行モード × × タッチセンサ反応があったら、
      獲得判断モードに移行
      × × × × ×
      回避モード 回避モード終了後ポスト探索モードに移行 × × × × × 獲得ルートへ戻ったら
      獲得ルート進行モードに移行
      回避モード終了後獲得ルート
      進行モードに移行(競技二回
      目に限る)

      モードの定義

      1. 初期化モード:競技開始時に超音波を用いてマシンの座標を把握させる。そして初期ルートのスタート地点まで進行させ、その地点を”ポスト探索モード”のスタート点とする。

      2. ポスト探索モード:このモードでは初期ルートを進行しながら左右の超音波センサとタッチセンサでポストを探索する。このとき発見したポストの座標を記憶する。

      3. 獲得判断モード:超音波センサまたはタッチセンサに反応があったときそのポストがすでに獲得したものかを判断する。”ポスト探索モード”で発見し記憶したものと照らし合わせる。

      4. ポスト接近モード:獲得判断モードで未獲得と判断されたポストへ向かうモード。

      5. ポスト獲得モード:発見したポストを獲得するモード。詳細は以下に記す

        1.初期ルート進行中、ポスト探索モードで発見したポストへポスト接近モード で接近し、ポストにぶつかりタッチセンサに反応する。

        2.PWMで決められた分だけ後退する。

        3.決められた方向に一定量回転する。

        4.ポストの周りを多角形に移動し、赤外線センサにより赤外線を検出する(MIRSの外側の超音波で死角のポストを探索する。)

        5.赤外線を検出したら、90度その場回転してポストの方向を向く。(超音波センサ反応の有無を記憶する。)

        6.タッチセンサに反応があるまで前進する。

        7.前面に設置されている赤外線センサで赤外線の反応がなくなっていることを確認する

        8.死角のポストを発見していたらそのポストを上記同様に獲得する。 9.後退してルート復帰モードに移行する。

      6. ルート復帰モード:ポスト獲得後、初期ルート(2回目は獲得ルート)に戻る為のモード。ポスト獲得後、ポストを一周して初期(獲得)ルートに戻る。尚、ルート上にあるポストを獲得した後は回避モードに移行する。

      7. (2回目)獲得ルート決定モード:ポスト探索モードで記憶したポストの座標から最短のルートを選びそれを”獲得ルート”とする。

      8. (2回目)獲得ルート進行モード:獲得ルート決定モードにおいて決定したルートに沿って進む。

      9. 回避モード:”獲得判断モード”において既に獲得したと判断したポストを回避する為のモード。回避後、ポスト探索モードへ移行。回避行動の推移は以下に記す。

        1.タッチセンサが反応

        2.PWMで決められた分だけ後退する。

        3.その場で左(右)90度回転する。

        4.決められた分だけ前進する。

        5.その場で右(左)90度回転する。

        6.決められた分だけ前進する。

        7.その場で右(左)90度回転する。

        8.決められた分だけ前進する。

        9.その場で左(右)90度回転する。

        10.現在の座標を確認後、初期(獲得)ルートに復帰する。

    2. リアルタイムモニタ
      MIRS用に開発されたMIRX68Kを使用する。
        >
      1. 低レベルタスク
        • task00:PWM制御タスク機能;走行制御タスクBBに書き込んであるデューティ比からPWM信号を作成し左右のモータに出力する。
        • task01:自己位置認識(ロータリーエンコーダ)タスク
          機能;一定時間毎に実行され、ロータリーエンコーダの値から自己位置のx、y座標と姿勢角θを検出しBBに書き込む。
        • task02:超音波センサ制御タスク
          機能;一定時間毎に実行され超音波を送信する。また超音波を受信するごとに距離計測データをBBに書き込む。
        • task03:赤外線センサ制御タスク
          機能;一定時間毎に実行し赤外線センサの情報をBBに書き込む。
        • task04:タッチセンサ制御タスク
          機能;タッチセンサが反応する毎に、このタスクを実行してタッチセンサの反応を読み取りBBに書き込む。
        • task05:MMI制御タスク
          機能;主に7seg.LED表示,単色LED点灯の処理を行う。電源投入時またはリセットボタンが押されたとき、一回だけ初期設定し,処理終了後行動計画タスクを起動する。タスクの初期化,ハードウェアの初期設定,掲示板(BB)の初期化を行う。また,DIPスイッチを読み込み,動作モードをBBに書き込む。
      2. 高レベルタスク
        • task06:走行制御タスク
          機能;行動計画タスクから起動される。各モードにしたがって行動する。探索モードではタッチセンサを使用しながらポストを探索し受信データからポストがあると判断さ   れたとき、ポスト獲得モードに移る。ポスト獲得モードではポストの周りを回って   赤外線を探しスイッチを押す。 この時ポストスイッチのX座標、Y座標、角θをB   Bに書き込む。
        • task07:総合試験タスク
          機能;テストモードにしたがって、超音波、赤外線、タッチセンサ、 サーボ、ロータリーエンコーダ、及び走行テストを行う。
      3. メインタスク
        • task08:行動計画タスク
          機能;試験走行か本戦かを判断し、試験走行の時は総合試験タスクを起動する。本戦の時は、BB情報に基づいて走行制御タスクを起動する。1回目にすべてポストを獲得し終わったら2回目の動き(軌跡)を作成する。
      >
    3. マンマシンインターフェース
      マンマシンインタフェースは以下の機能を具備する。
        表示機能
        各センサの状態、自己位置、姿勢角および動作状態の表示。この表示は競技モードにおいても可能とする。またプログラムが正常に動作していることを示すために緑色LEDを表示させる。
        動作モード設定機能
        DIPスイッチによる、センサ試験モード、試験走行モード、本戦モードの各ードの選択および各モードでの動作設定
        スタート機能
        押しボタンスイッチにより動作開始の指示。

      • 試験機能
        下記の試験機能を有する。
        • 各センサの状態を表示する機能。
        • 左右車輪の回転数と回転方向を独立に試験する機能。
        • 一辺1mの正方形をトレースする機能。
        • 半径1mの円をトレースする機能。

      システム試験

      1. システム試験概要
        システム試験はシステムの組立が完了した段階で、基本設計書の内容に適合しているかどうかを試験する。システム試験を実施する際には、各サブシステムで規定されるサブシステム試験に合格していなければならない。 試験は以下の項目について行われる。
        • 外形試験
        • センサ機能試験
        • 規定走行試験
        • 競技プログラム試験
      関連文書