沼津高専 電子制御工学科
MIRS98メカニクス詳細設計書
作成規定
MIRS98SF-CURR-0010
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 1999.4.10 長澤 長澤 初版

本ドキュメントについて

本ドキュメントは、MIRS98メカニクス詳細設計書の作成方法について規定するものである。詳細設計とは、以下に述べる作業を言い、詳細設計書に文書化することである。

「 基本設計仕様書をもとにエレクトロニクス、メカニクス、ソフトウェアごとに作成する。各部の中をさらにブロック分割し、各ブロックが独立に製造仕様書が作成できるように仕様を規定する。メカニクス詳細設計は、以下の作業を行う。
  1. 基本設計書で要求する駆動系の性能から駆動方法、重量やモータの能力を決定する。
  2. 外形、センサや駆動系部品の取り付け位置を決定する。
  3. 製造のしやすさ保守のしやすさなどの観点からシステムをユニットに分割する。
  4. システム全体で作成すべき製造仕様書の構成と内容を決定する。


この文書は次の設計(製造仕様書の作成)の際に要求される事項が記される。したがって、この文書には、分割された各ユニットが、各々独立して設計作業を進めるために必要なすべての事項が記されていなければならない。

以下例に沿って説明する。なお、この文書においては、”作成例”を標準字体で、その”解説”をイタリック字体で記している。

目次

  1. はじめに
  2. 概要
  3. 外観
  4. 構成
    1. シャーシフレーム
    2. VMEラックフレーム
    3. VMEラック
    4. 電源ユニット
  5. 主用寸法
    1. 各フレーム
    2. センサ配置
    3. 駆動系配置
    4. 制御回路および電源の配置
  6. 重量・重心
  7. ケーブル
  8. 製造ツリー
  9. 参考資料

1.はじめに

本ドキュメントは、MIRS98のシステム製造仕様書の作成に必要な事項を述べる。

2.概要

MIRS98XXは標準MIRSとほぼ同型をなす。システムは車輪ユニット、XXユニット、XXユニットから構成され・・・・
ここには、上記に加えて外形、センサ系、駆動系の特徴を記す。また、ユニットの概略説明を記す。

3.外観

図1に外観を示す。
図1.MIRS98XX外観図 (ポストスクリプト 頭脳WinCAD
駆動系、センサ系、電源および制御回路の配置がわかるような図を示す。俯瞰図が望ましい。また、分割ユニットの名称、外形寸法が記されていなければならない(ただし、センサ位置、車輪位置など後の項で詳述するものは細かく記す必要はない。スイッチや表示類は操作性をよく考慮して配置すること。また、図は変更を考慮してオリジナルのファイル形式のものを添付すること。

4.構成

MIRS98XXはシャーシフレーム、VMEラックフレーム、VMEラックおよび電源ユニットの4つのユニットから構成される。各ユニットの構成要素を以下に述べる。
  1. シャーシフレーム
    シャーシフレームは最下部に位置し、塩ビ版のフレームにモータ、ボールキャスタ、バンパ、Motor Power回路基板、マイクロスイッチ(タッチセンサ)が取り付けられている。モータは減速ギヤとロータリエンコーダが一体になったMAXONXXXX(参照)を使用する。前面、左右のバンパが壁やポストに接触するとマイクロスイッチが押され接触を検知する。
  2. VMEラックフレーム VMEラックフレームはシャーシフレームの上に位置し、塩ビ板のフレームに下記に示すVMEラックと超音波センサ基板、赤外線センサ基板が取り付けられている。
  3. VMEラック VMEラックフレームの上に搭載され、エレクトロニクス基板が各スロットに挿入される。基板のスロットへの搭載順はMIRS98XXエレクトロニクス詳細設計書(MIRS98XX-YYYY-ZZZZ)による。ラックの天板部に下記の電源ユニットを取り付ける。また、バックプレーンの端子を保護するカバーを設ける。
  4. 電源ユニット VMEラックフの上に搭載される。Power distributor基板と電池ホルダを連結しラックに取り付ける機構を有する。
システムを製造順や保守性を考慮していくつかのユニットに分割し、それぞれのユニットの構成要素を記載する。

5.主用寸法

ここには、各ユニット毎にフレームの外形、スイッチ、表示部、モータ、センサの配置図を記載する。必ず寸法と精度が記載されていなければならない。

  1. 各フレーム
  2. センサ配置
  3. 駆動系配置
  4. 制御回路および電源の配置

6.重量・重心

ここには、システムの重量・重心を計算し、表にまとめる。

7.ケーブル

ここには、すべてのケーブルを洗い出し、コネクタ形状、接続先、貼り付けラベルを等を表にまとめる。また、ケーブルを引き回すルートを決定する。その際にフレーム等に穴あけが必要なら穴あけ位置を明示する。

  1. ケーブル一覧
    FromTo備考
    ケーブル名コネクタ形状接続先ラベルコネクタ形状接続先ラベル
    超音波センサケーブル16PinHeaderIOsub-CN?SSS Cable
    VME-Slot3
    IOsub-CN?
    Molex54??-XX超音波右SSS-L
    Molex54??-XX超音波前SSS-F
    Molex54??-XX超音波左SSS-L
    Molex54??-XX未使用SSS-NU








  2. ケーブルルート図
    図X.ケーブルルート図 (ポストスクリプト 頭脳winCAD

7.製造ツリー

基本設計書に示した概略ツリーをさらに詳細にする。製造単位、製造順、保守交換単位を考慮して、作成すべき製造仕様書の階層構造と内容を明確にする。基本的には製造仕様書の作成はツリーの上位から行い、実際の製造はツリーの下位から行うことを考慮すること。既設計の部品についてはその部品の製造仕様書を示せばよくそれ以下を記す必要はない。製造の段階ごとに試験が必要な場合は、試験仕様書を忘れずに作成する。回路基板については、エレクトロニクス詳細設計書に記載されているので基板の製造仕様書のトップを記載すれば良い。
作成すべきドキュメントはすべて網羅すること。したがって、ツリーの末端は、既設計部品か購入品になるはずである。そうなっていない場合はツリーに不備があることを意味している。
ドキュメント番号を取得して記載しておくのが望ましい。

下記の例ではバンパ機構部のみを詳細設計書のツリーの例として示している。その他は基本設計書のままなので、その他もこれと同様に詳細に展開すること。

MIRSXXXX製造仕様書数量
|-MIRSXXXX組立図1
||-シャーシフレーム組立図1
|||-シャーシフレーム1
|||-モーター2
|||-モーター取付金具2
|||-可逆モータパワー変換ボード1
|||-タッチセンサ・ロータリエンコーダケーブル1
||||- マイクロスイッチ2
||||- 50pinピンヘッダコネクタ(メス)1
||||- MAXONモータ用ロータリエンコーダコネクタ2
||||- 50芯フラットケーブル300mm
|||L ケーブル検査仕様書1
|||-側面タッチセンサ左機構部1
|||-側面タッチセンサ右機構部1
|||-バンパ機構部1
||||フロント板1
||||L塩ビ板(20X250X2)mm 1
|||Lバンパ板取り付けアーム2
||||-アームハウジング1
||||-アルミパイプ(内径5φ,肉厚1mm)25mm
||||Lアルミチャンネル
(側10,底20,肉厚1) [mm]
30mm
||||-アーム1
||||Lアルミ丸棒5φ60mm
||||-セットカラー内径5φ2
|||Lコイルバネ(XXXXXX)1
|||-フォトインタラプタ回路基板1
|||-取り付けネジ類1
||Lシャーシフレーム試験仕様書1
||-VMEラックフレーム組立図1
|||-フレーム1
|||-VMEラック1
||||-VMEラック1
||||-CPUボード(VSBC1)1
||||-IOボードアセンブリ1
|||||-IOボード(VIPC310)1
|||||-IPDigital48ボード1
|||||-ロータリエンコーダボード1
||||Lジャンパ設定仕様書1
||||-IOSubボード1
||||-MMIボード1
||||-バックプレーン保護カバー1
||||-L塩ビ板(100x100x2)mm1
||||-電源ユニット取付金具右1
||||-Lアルミ等辺Lアングル(10,肉厚1)mm200mm
||||-電源ユニット取付金具左1
||||-Lアルミ等辺Lアングル(10,肉厚1)mm200mm
||||-ネジ類1
|||LVMEラックジャンパ設定仕様書1
|||-電源ユニット1
|||-超音波センサ1
|||-赤外線センサ1
|||-ケーブル接続図1
||||-XXケーブル1
||||-YYケーブル1
||||-1
|||-取付金具1
||Lネジ類1
||-ケーブル接続図1
||-電池ホルダ1
||-取付金具1
|Lネジ類1
|-電池2
|-ソフトウェアインストール手順書1
|LMIRSXXXX.X(プログラムファイル)1
|-MIRSXXXX試験仕様書1
LMIRSXXXX取扱説明書 1

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