沼津高専 電子制御工学科
赤外線センサ
MIRS9804-TECH-0003
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容 提出先
A01 1998.12.15 品川 杉本 初版

IR_senser1 目次
主旨
赤外線センサの種類
指向特性
赤外線センサーの調査に用いるサポートソフトウェア
赤外線センサと送信機(詳細)
赤外線センサ信号処理回路

1 赤外線センサの調査・研究


主旨

システム主要構成部品のひとつである赤外線センサについてその基本性能及び特性を調査、理解し、MIRSにおける利用方法を検討する。



赤外線センサの種類

 量子型
フォトンを吸収しキャリアを励起することによって直接赤外線を検出するセンサである。このセンサは後に述べる熱型センサより100〜1000倍の検出能力を持つが、動作温度が低いため通常は液体窒素などで冷却の必要があるため、MIRSでの利用は望めない。


 熱型
エネルギー吸収による温度変化を利用するもの。素子としては、熱電対サーミスタ・ボロメータ、焦電型素子などがある。特に焦電型素子は比較的感度が高く、構造が簡単なのでよく用いられる。



 ◎赤外線センサの利点は、主に”赤外線は可視光線に比べて空気中の透過率が高い”ということ。(しかし、波長によっては透過率が低い赤外線もある



・赤外線LED TLN105B
◎特徴 ・放射強度が大きい。
    ・指向特性が広い。
    ・光出力の直線性が良く、パルス動作、高周波による変調が可能。


指向特性
IR_senser2

赤外線送信機の指向特性について


理論値による指向特性

指向特性 


実験によりとったデータによる指向特性

指向特性 


IR_senser3

赤外線受信機の指向特性について

性能

赤外線受信機は、受信した光の強度を測定できないため、送信機と受信機の間の距離を知ることは出来ない、つまり、得られる情報は少ないのである。 図1に示す送信機を用いて、図2の光学系においてリモコンセンサの出力信号が下記の各項目を満足すること。

直線受信距離特性

図2において、L=0.2〜5m、Ee<10lx(※3)、φ=0°のとき、出力信号が1ー4項の電気的特性を満足すること。


指向角受信距離特性

図2において、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ≦30°、Y方向θ=0°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。
又、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ=0°、Y方向θ≦15°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。


  ※3) 受光面照度を示す。


図1 送信機 
図1 送信機 


図2 光学系 
図2 光学系


理論値による赤外線受信機の指向特性

1−6 指向角特性

X方向特性 
X方向特性


Y方向特性 
Y方向特性


実験によってとったデータによる赤外線受信機の指向特性

(注)実験では赤外線送信機を固定して指向特性を調べたものである。
X方向特性 
X方向特性




赤外線センサーの調査に用いるサポートソフトウェアの
使用方法についてのページ。
Support Software Manual
サポートソフトウェアの使い方


  1. MIRSとPCをRS−232Cケーブルでつなぐ。
  2. フロッピーディスクからブートをかけてサポートソフトウェアを立ち上げる。
  3. 2回(F・10)キーを押してサポートソフトウェアを終了する。
  4. MIRSの回路部の電源(赤いボタン)を入れる。
  5. プロンプトから「vt」と入力して再起動する。
  6. Returnキーを押してMIRSのResetボタン(小さな赤いボタン)を押す。 画面に何も表示されない(PCがMIRSを認識しない)場合は、MIRSの Resetボタンを押すことを繰り返す。
  7. PCがMIRSを認識しているようであれば(Ctrl+C)キーを押して プログラムを中断する。この時「BREAK」と表示され、プロンプトが表示される。 そして次のように入力しする。
    >bf 10000 50000 00
    >.r0 0+r7
    >lo0
  8. (F・3)キーを押し、設定画面に入る。「設定値を呼び出す」にカーソルを 合わせ、(=)キーを押して設定値を呼び出す。終了したら(F・3)キーを 押して設定画面を抜ける。
  9. (F・8)キーを押してMIRSに送信をする。「Input File Name =」と表示 されたら「tmp.x」と入力しReturnキーを押す。終了するとピッという音がなるので Returnキーを押す。
  10. プロンプトが表示されたら次のように入力する。
    >.PC 20008
    >go
  11. プログラムが立ち上がったら赤外線センサーを使うために次の順番で入力する。 (画面に表示されないので注意する)
    「1」→「4」→「y」
    後は、Returnキーを押せばその時の反応状況がわかる。
  12. センサーは図のように割り振られており、
    図 
    反応していれば「ON」と表示される。
  13. 終了するときは「?」と入力して赤外線をセンサーに反応させる。

赤外線センサと送信機(詳細)

   送信機

最大定格(Ta=25)
項   目記号定格単位
直流順電流IF100mA
直流順電流低減率(Ta>25℃)ΔIF/℃-1.33mA/℃
パルス順電流IFP(注)1A
直流逆電圧VR5V
許容損失PD150mW
動作温度Topr-20〜75
保存温度Tstg-30〜100
(注)パルス幅≦100μs,繰り返し周波数=100Hz


外形
図 



電気的特性(Ta=25℃)
項目記号測定条件最小標準最大単位
順電圧VFIF=100mA---1.351.5V
逆電圧IRVR=5V------10μA
放射強度IEIF=50mA1220---mW/sr
光出力POIF=50mA---11---mW
端子間容量CTVR=0,f=1MHz---20---pF
ピーク発光波長λPIF=50mA---950---nm
スペクトル半値幅ΔλIF=50mA---50---nm
半値角θ1/2IF=50mA---±23.5---°



波長特性(標準値)(IF=50mA,Ta=25℃)
波長特性 



・センサ

定格及び特性
構成図
構成図 


1−2 絶対最大定格
項目記号定格値単位
電源電圧Vcc0〜6.0V
動作温度Topr-10〜+60 ※1
保存温度Tstg-20〜+70
保存温度Tsol260 ※2
※1 )結露なきこと。  ※2 )樹脂端面より下部の位置で5秒間



1−3 推奨動作条件
項目記号動作条件単位
電源電圧Vcc4.7〜5.3V



1−4 電気的特性 (特に指定の無い限りTa=25℃,Vcc=5V)
項目記号MINTYPMAX単位備考
消費電流Icc---2.84.5mA入力光なし、出力端子OPEN
ハイレベル出力電圧VOHVcc-0.2------V※2,出力端子OPEN
ローレベル出力電圧VOL---0.450.6V※2,プルアップ抵抗kΩ
ハイレベルパルス幅T1400---800μS※2
ローレベルパルス幅T2400---800μS※2
B.P.F.中心周波数f0---38---kHz
※2) 下図に示すバースト波を、図1に示す送信機にて送信するものとする。



バースト波
バースト波 



赤外線センサ外形図1
赤外線センサ外形図1 
赤外線センサ外形図2
赤外線センサ外形図2 



赤外線センサ信号処理回路

回路構成
赤外線センサ信号処理回路 


・割り込み信号部は、赤外線センサー受光部からの信号に変化が生じたときに割り込み信号を出すと思う。信号自体は、一発パルスではなく他の波形になると思われる。