沼津高専 電子制御工学科
MIRS9803調査報告書
MIRS9803-TECH-0006
改訂記録
版数
作成日
作成者
承認
改訂内容
A01
1998/12/16
佐野
馬場
初版
MPUボード
MPUボード
MPUボードはCPUボードとI/Oボードの2枚で構成されている。CPUボード(名称 VSCー1)にはRS232Cというコネクタを2つ搭載していて、それで外部とのデータをやり取りすることができる。I/Oボード(名称 VIPC310)はロータリーエンコーダボードとIP-Digital48ボードを搭載している。IP-Digital48ボードにはMC68230 PARALLEL INTERFACE/TIMER(PI/T)(50ピンのコネクタ)を搭載していて、それで外部とのデータをやり取りする。
1.CPUボードの機能解説
特徴
モトローラのMPU 68000は、特別な入出力命令を持たず、I/Oをメモリー空間に配置するメモリー・マップト方式を採用している。常に16Mバイトのメモリー空間を一様にアクセスすることができる。68000では、常にCLK入力の10クロック分のE信号を定期的に出力している。通常68000のデータ入出力 は、E信号と関係なく非同期に行われている。68000は16ビットCPUでありながら内部レジスタは、すべて32ビットになっている。 又、レジスタは用途に関してあまり制限の少ない汎用レジスタ方式を採用しているので、 レジ スタ間のデータ転送などの回数を減らすことができる。
1)レジスタ
レジスタは 、アドレスレジスタ、データレジスタ、ステータスレジスタSR、プログラムカウンタPC がある。データレジスタ・アドレスレジス タのうち用途が決まっているのは、スーパバイザ用スタックポインタ(SSP)とユーザ用スタックポインタ(USP)の2本だけで後は、普通のレジスタと して使うことができる。SSP・USP共にA7割り当てられていて、どちらを使うかはSRの内容(Sビット)によって決まる。
アドレスレジスタ(A0〜A7)
A0〜A6までがアドレスレジスタ、A7は裏表に分かれていて、それぞれスーパーバイザ用のスタックポインタ(SSP),ユーザ用のスタックポインタ(USP)として使用される。
データレジスタ(D0〜D7)
データレジスタは、いわゆるアキュムレータとして使うのに便利にできていて、下から8ビット及び16ビットに切っても使える。(下の8ビットにデータをロードした時、上の24ビットは変化しない。)
プログラムカウンタ(PC)
PCは32ビットである。しかし、使用できるのは下位24ビットなので、アドレス空間は16Mバイトである。
ステータスレジスタ(SR)
SRは16ビット長で、上位半分はシステムバイト、下位半分はユーザバイトとなっている。システムバイトはシステムの状態を示し、ユーザステートのときはこ内容を書き換えられない。ユーザバイトはZ80のFレジスタのようなものである。
2)データ型
1ビット(ビットデータ)、4ビット(BCDデータ)、8ビット(バイトデータ)、16ビット(ワードデータ)、32ビット(ロングワードデータ)のデータを取り扱うことができる。データレジスタは、4種類のデータを保持することができるが、アドレスレジスタは、16ビット、32ビットを単位として扱う。
3)例外処理
例外処理VECTORは、CPUが例外処理ルーチンのアドレスを得る為に0〜255番までの256種類が用意され、0番地から3FF番地までの1Kバイにに配置されている。このため必要とする応じた例外処理プログラムの先頭番地をVECTOR TABLEに書き込んでおかなければならない。
4)割り込み入力端子(IPL0バー〜IPL2バー)
68000は優先順位のついた七つの割り込み(レベル1〜レベル7)を使うことができる。優先度はレベル1がもっとも低くレベル7がもっとも高い。またレベル7はNMI(Non Maskable Interrupt)として働く。IPL0バー〜IPL2バーの3本を使って(000)2〜(111)2にコード化した割り込み信号を入力する。(000)2は割り込み要求のない状態である。
5)その他の信号(CLK,Vcc,Vss)
CLK(Clock)はMPUが動作する基本となるクロック状態であり、一定の周期をもっていなければならない。またいかなる場合にも止まってはならない。最高周波数はバージョンにより6.0,8.0,12.5MHzのものがある。いずれのバージョンでも最低周波数は4.0MHzである。Vcc(電源)、Vss(設置)は各2ピンある。これはLSIのチップ内での電位を安定に保つためであり、2ピンとも接続しなければならない。
2、I/Oボードの機能解説
特徴
インプット/アウトプット、メモリ、割り込みの働きを持って、ボード上でのバッテリーによるバックアップが可能である。
VIPC310は、3U(シングルハイト)の要素によってVMEbus SpecificationC.1(IEEEにより、P1014/D1.2または、IEC821busとしても知られている。)と結合する。IPキャリアは、DMAボードや、68020処理装置を乗せると(6U(ダブルハイト)でも可)様々な機能を利用でき、他の標準的なIndustrybusでの利用もでき、VIPC310は、IP Logicの接合方法に従う。IPは互いに、VIPC310の前面を通って50ピンのフラットケーブルによって接合され、二つのIPは、"A"及び"B"と名付けられている。
インタフェースの接合は、基準寸法で、ケーブルでつながれたシステムであれば、IPキャリア上にディレクトリを添え付けられる。接合ケーブルルは、VMEのシャーシから、VIPC310を動かさずに、差し込み、引き抜きができる。
IPは、I/Oからの信号に依らずに、ON/OFFができて、どんなときでも、グリーンフロントパネルの指示器が点灯していれば、VMEbusから、アクセスされる。 二つの表示器があり、一つづつ、相互のIPに用いられて、どのアクセスに対しても、活動の指示を明確にする為に、一つ又は複数の関係のあるLEDを点灯させる(約三分の一秒間)。
ボード上のリチウムバッテリは、こういった機能を利用するIPの為のバックアップ用として用いられ、また、バッテリは、VMEbus+5、又は、STDBYラインかを選択して使用できる。
IPのI/Oは、VMEbusA16/D16空間中に位置する。相互のIP上にあるI/O空間は、IPの詳細書によって、16ビットのワードが64個と決められていて、相互のIPが、64語を占有するPROMの搭載ができる。 こうして、二つのIPのA及びBは、ShortI/O空間のVMEbusシステムの64[KB]中、512バイトを占有する。
割り込みは、全面的に、指示を受ける。相互のIPは、二つに分割された割り込み要求により、動作を行う。 VIPC310は、VMEbusのIRQ1,3,4,6の支援をする。
割込み要求を受けた相互のIPは、自身に8ビットのVECTORを供給しなければならない。このVECTORは、VMEbusに受け取りを知らせる。
サイクルで、割込みバス間に供給される。
VIPC310は、VMEbusBERRの操作を受けない。
ソフトウェア上の、意味の無いアクセスは、動作していないCPUボード上の停止回路バスによって、停止される。
パワーアップ、パワーダウン、バスリセット関数は、全面的にサポートされている。
VIPC310は、5,12,-12[v]の電源をLC piフィルタを通して、相互のIPに供給する。これは、精密なディジタル作用とともに、アナログの使用を可能にしている。