沼津高専 電子制御工学科
MIRS9801 エレクトロニクス詳細設計書
MIRS9801-ELEC-0002-A02
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 1999.5.25 島村 田中 初版
A02 1999.6.15 島村 田中 初版で訂正を求められた所を修正

目次

  1. はじめに
  2. 概要
  3. 構成
    1. 概略ブロック図
    2. 電源系統図
  4. 機能性能
    1. 標準MIRS基板
    2. Power Distributor
    3. ロータリーエンコーダボード
    4. マンマシンインターフェースボード
    5. タッチセンサボード
  5. インターフェース
    1. VMEバス
    2. MPUボード−MMIボード
    3. I/Oボード−IPボード
    4. I/Oボード - ロータリーエンコーダボード
    5. I/Oボード−I/OSubボード
    6. I/Oボード−ロータリーエンコーダ
    7. I/Oボード−赤外線センサ周辺回路
    8. 赤外線センサ周辺回路−赤外線センサ
    9. I/OSubボード−超音波センサ送受信回路
    10. I/OSubボード−Power Distributor
    11. I/OSubボード−タッチセンサボード
    12. タッチセンサボード - タッチセンサ
    13. Power Distributor−VMEラック
    14. Power Distributor−7.2Vバッテリ
    15. Power Distributor−Motor
  6. 各部の詳細
    1. 標準MIRS基板
    2. Power Distributor
      1. 外形
      2. 詳細ブロック図
      3. タイミングチャート
      4. 主用部品
      5. 製造仕様書ツリー
    3. ロータリーエンコーダボード
    4. マンマシンインターフェースボード
      1. 外形
      2. 詳細ブロック図
      3. タイミングチャート
      4. 主用部品
      5. 製造仕様書ツリー
    5. タッチセンサボード
      1. 外形
      2. 詳細ブロック図
      3. タイミングチャート
      4. 主用部品
      5. 製造仕様書ツリー
  7. 消費電力
  8. 関連文書

1.はじめに

本ドキュメントは、MIRS9801エレクトロニクス部の各回路基板の製造仕様書の作成に必要な事項を述べる。

2.概要

MIRS9801のエレクトロニクス部は、基本的には標準MIRSの回路基板を用いて構成されるが、競技の変更に伴い下記に示す変更を行う。

3.構成

  1. 概略ブロック図
    図3.1に概略ブロック図を示す。

    図3.1 概略ブロック図 (GIF形式ファイルblock_diagram.gif )

  2. 電源系統図
    図3.2に電源系統図を示す。

    図3.2 電源系統図 (GIF形式ファイルpower_dist.gif )

4.機能性能

  1. 標準MIRS基板
    標準MIRS基板の仕様についてはMIRSデータベース(DBMD)を参照のこと。

    注)CPUはAUTOBOOT用のROMを搭載し、RAMのバッテリーバックアップのジャンパ設定を行うこと。

  2. Power Distributor
    Power Distributorは下記の機能を具備する。

  3. ロータリーエンコーダボード
    ロータリーエンコーダボードの使用についてはMIRS9803 エレクトロニクス詳細設計書(MIRS9803-ELEC-0001)を参照。

  4. マンマシンインターフェースボード
    マンマシンインターフェースボードは下記の機能を具備する。

  5. タッチセンサボード
    タッチセンサボードは下記の機能を具備する。

5.インターフェース

  1. VMEバス
    MPUボード、I/Oボード、MMIボード、I/OSubボードは5スロットのハーフハイトVMEラックに搭載される。ただし、MMIボード、I/OSubボードはVMEバスからは電源の供給をうけるのみである。各ボードは下記の様にVMEラックへ搭載する。
    VMEラック
    スロット番号
    搭載基板
    1
    MPUボード
    2
    MMIボード
    3
    I/Oボード
    4
    I/Osubボード
    5
    空き
    注)割り込みディジーチェーン用ジャンパをスロット2に挿入する。
    VMEバスの仕様は下記書籍を参照のこと。

    VME bus Archtecture Manual Revision C.3 (発行:VME MEMBER,発売:日本メディアプラン株式会社)

  2. MPUボード−MMIボード

  3. I/Oボード−IPボード
    IP Digital48ボードとロータリーエンコーダボードはIP(IndustryPack)と呼ばれるI/Oボードのdaughter board(亀の子基板)である。
    搭載位置AにロータリーエンコーダボードをBにIPDigital48を搭載すること。
    基板間のインターフェースは、MIRSデータベース(DBMD)IndustryPack Logic Interface Specification(現在作成中)を参照のこと。

  4. I/Oボード−ロータリーエンコーダボード
    IP Digital48ボードとロータリーエンコーダボードはIP(IndustryPack)と呼ばれるI/Oボードのdaughter board(亀の子基板)である。
    搭載位置AにロータリーエンコーダボードをBにIPDigital48を搭載すること。
    基板間のインターフェースは、MIRS9803 エレクトロニクス詳細設計書を参照のこと。

  5. I/Oボード−I/OSubボード
    I/Oボード - I/Osubボードのインターフェースは、MIRSデータベース(DBMD)IOSubボード仕様(現在作成中)を参照のこと。

  6. I/Oボード - ロータリーエンコーダ
    I/Oボード - ロータリーエンコーダのインターフェースは、MIRSデータベース(DBMD)I/Oボード(VIPC310)仕様(現在作成中)を参照のこと。

  7. IOボード - 赤外線センサ周辺回路

  8. 赤外線センサ周辺回路−赤外線センサ

  9. I/OSubボード−超音波センサ送受信回路

  10. I/OSubボード−Power Distributor

  11. I/OSubボード−タッチセンサボード

  12. タッチセンサボード - タッチセンサ

  13. Power Distributor−VMEラック

  14. Power Distributor−7.2Vバッテリ

  15. Power Distributor−Motor

6.各部の詳細

  1. 標準MIRS基板
    標準MIRS基板の仕様についてはMIRSデータベース(DBMD)を参照のこと。

  2. Power Distributor
    1. 外形
      図6.2.1 Power Distributor外形図 (頭脳WinCad形式ファイルpd_v.zwd

    2. 詳細ブロック図

      図6.2.2 Power Distributor詳細ブロック図 (GIF形式ファイルpd_b.gif)

      @定電圧電源回路
      この部分は、MIRSのすべての回路に電力を供給するための回路である。電源としては、ラジコン用7.2Vニッカド充電電池を用いる。これはフル充電では8Vほどまであるが、そのうちに電圧は落ちてくる。通常の定電圧レギュレータICを用いると、5Vを発生させるためには7V近く必要となり、これでは電圧が落ちてきたときに安定した電力を供給することができなくなる。そのためこの回路では、定損失のレギュレータ(最低入力電圧6.0V)を用いている。また3Aという大きな電流が必要となり、ここではそれだけの電流を流しだすことができるようにしている。
      ADC−DCコンバータ
      この部分は、RS−232Cを使用するための電源となる。供給する電源は、±12V,100mAである。
      BD/A変換部
      この部分は、I/OsubボードからのPWM信号をモータを駆動させるためのアナログ信号に変える機能を持つ。
      C電圧極性変換部
      この部分は、I/Osubボードからの方向信号に従いモータにかける電圧の極性を変更する機能を持つ。

    3. タイミングチャート
      MIRS9801のPower Distributor内の可逆モータパワー変換機能のタイミングは、標準MIRSのMPCのタイミングと同様のタイミングになる。標準MIRSのMPCのタイミングチャートはMIRSデータベース(DBMD)MPCボード仕様(現在作成中)を参照のこと。
      電源供給部のタイミングチャートは図6.2.3に示す。

      図6.2.3 Power Distributorタイミングチャート図
      (GIF形式ファイルpd_t.gif)

    4. 主用部品
      部品番号部品商品名個数
       両面フェノール基板120*160mm1
      IC1低損失レギュレータSTR90051
      IC2フォトカプラPC847(SHARP)1
      U1DC-DCコンバータSS5-12D100(ASIA)
      or
      ZUW3 0512(COSEL)
      1
      C1セキセラコンデンサ3341
      C2電解コンデンサ4.7μ,25V1
      C3,C4,C5電解コンデンサ10μ,25V3
      R1抵抗390Ω1
      R2抵抗620Ω1
      R3,R4抵抗1KΩ2
      R5,R6抵抗10KΩ2
      R7〜R10抵抗3.9KΩ4
      R11,R12抵抗2.2KΩ2
      R13,R14抵抗39Ω2
      Q1,Q2FET2SK9712
      Q3,Q4トランジスタ2SC18152
      Q5,Q6トランジスタ2SA10152
      SW1(D1),SW2(D2)スイッチUB-15SKP1M(NKK)2
      D3〜D6ダイオード1S2455(100V,2.5A)4
      D7,D8ダイオード10D-12
       スイッチカバーAT-4074C2
       スイッチカバーAT-4075M1
       スイッチカバーAT-4075R1
       レギュレータ用放熱板T220R41-251
       絶縁板 1
      JP1ジャンパー1
      CN1,CN2,CN5,CN62ピンコネクタ53259-02204
      CN34ピンコネクタ53259-04201
      CN45ピンコネクタ5046-05A(MOLEX)1

    5. 製造仕様書ツリー
      • Power Distributor基板製造仕様書
        • Power Distributor基板組み立て図
          • Power Distributor PWD(基板)
            1. 両面銅箔基板(100x140)(購入品)
            2. CAMデータ
          • IC、抵抗などの電子部品
        • Power Distributor基板取扱説明書
          • Power Distributo仕様書
          • Power Distributo基板外形図
        • Power Distributor基板試験仕様書
          • Power Distributor回路図
          • Power Distributor基板パターン図

  3. ロータリーエンコーダボード
    ロータリーエンコーダボードの詳細についてはMIRS9803 エレクトロニクス詳細設計書(MIRS9803-elec-0001)を参照。

  4. マンマシンインターフェースボード
    1. 外形

      図6.3.1a マンマシンインターフェースボード搭載図
      (GIF形式ファイルmmi_va.gif))
      図6.3.1b マンマシンインターフェースボード外形図
      (GIF形式ファイルmmi_vb.gif))

    2. 詳細ブロック図

      図6.3.2 マンマシンインターフェースボード詳細ブロック図
      (GIF形式ファイルmmi1.gif)

      @パルス点灯発生回路
       7Seg.−LEDをパルス点灯させるための回路である。表示に関しては、本来普通に表示を制御するためのポート数は各LEDで4ビット合計16ビット必要である。しかし、ボードの制限もあるので、図1の回路構成にあるようにラッチ機能を持つデコーダを使用し、68230のAポートの8ビットのうち、4ビットをLEDのデータ用、2ビットを桁の選択用とした計6ビットを使用する。
       この方式を用いる事で、7Seg.−LEDの消費電力を押さえることができる。1つあたりの7Seg.−LEDの消費電流は約20mAなので4つすべて点灯すると約0.56Aも流れることになる。そこで4つの位相の異なる方形波により、7Seg.−LEDをパルス点灯させることにより消費電力を約1/4にした。1つの桁が点灯して再び点灯する間隔が短いため、見た目にはすべての桁が点灯しているように見える。

      A桁選択回路
       この回路は、2進2ビットの桁選択信号を7Seg.−LED各桁のデータラッチON/OFF回路へと振り分ける機能を持つ。

      BLED駆動回路
       この回路は、MPUから送られてくるGreen,Red LEDのON/OFF信号を反転させて、それぞれのLEDへ送る機能を持つ。

      C4ビットロータリスイッチ信号処理回路
       この回路は、4ビットロータリスイッチのスイッチングに対応した信号をMPUボードへ送る機能を持つ。

      DデータラッチON/OFF及びデータ処理回路
       データラッチON/OFF回路は、桁選択回路からの桁選択信号とHandshake2からの信号を用いてデータを書き込むデコーダのラッチ機能をOFFし、データが書き込まれた後ラッチ機能をONさせる。
       また、データ処理回路として、BCDコードで入力されたデータを7Seg.−LED用の信号7ビットに変換し、データをラッチする機能を持つ。

      Eチャタリング除去回路
       この回路は、押しボタンスイッチからの信号のチャタリングを防止し、MPUボードに送る機能を持つ。

    3. タイミングチャート
      MIRS9801のマンマシンインターフェースボードで使用する信号のタイミングは、標準MIRSのタイミングから詳細判定装置信号部分を除いたタイミングと同様のタイミングになる。標準MIRSのマンマシンインターフェースボードのタイミングチャートはMIRSデータベース(DBMD)MMIボード仕様(現在作成中)を参照のこと。

    4. 主用部品
      部品番号部品商品名個数
       両面ガラスエポキシ基板250*204mm1
      IC1IC74LS1611
      IC2IC74LS061
      IC3IC74LS141
      IC4IC74LS001
      IC5IC74LS081
      IC6,IC7IC74LS102
      IC8〜IC11ICMC14513BCP(MOTOROLA)4
      C1〜C11積層セラミック・コンデンサ10411
      R1〜R29,R34,R39〜R43抵抗330Ω35
      R30〜R33抵抗1KΩ4
      R35〜R38抵抗10KΩ4
      D1RED-LEDTLR113(東芝)1
      D2GREEN-LEDTLG113(東芝)1
      7SEG-0〜37SEG-LEDTLR358(東芝)4
      SW1押しボタンスイッチBB-15(NKK)1
      SW24ビット゚ロータリスイッチDR-KR16H(NKK)1
      CN1VMEbusコネクタDIN41612PCN101
      CN240ピンコネクタPS-40BD2-11

    5. 製造仕様書ツリー
      • マンマシンインターフェースボード基板製造仕様書
        • 標準MIRS マンマシンインターフェースボード
        • マンマシンインターフェースボード改造仕様書
        • マンマシンインターフェースボード基盤取扱説明書
          • マンマシンインターフェースボード仕様書
          • マンマシンインターフェースボード基板外形図
        • マンマシンインターフェイスボード基板試験仕様書
          • マンマシンインターフェイスボード回路図
          • マンマシンインターフェイスボード基板パターン図

  5. タッチセンサボード
    1. 外形
      図6.4.1 タッチセンサボード外形図
      (頭脳WinCad形式ファイルtsb_v.zwd

    2. 詳細ブロック図

      図6.4.2 タッチセンサボード詳細ブロック図
      (GIF形式ファイルtsb_b.gif)

      @チャタリング除去回路

       8個のタッチセンサから送られる信号のチャタリングを除去し、8bitの信号としてIOsubボードに出力する。


    3. タイミングチャート

      図6.4.3 タッチセンサボードタイミングチャート図
      (GIF形式ファイルtsb_t.obj)

    4. 主用部品
      部品番号部品商品名個数
       片面ガラスエポキシ基板80x40mm1
      IC1,2IC74LS2792
      R1,2集積抵抗1KΩ2
      CN116ピンコネクタPS−16PE−D4LT1−LP1 1
      CN2〜CN93ピンコネクタ5045−03(MOLEX) 8

    5. 製造仕様書ツリー
      • タッチセンサボード製造仕様書
        • タッチセンサボード基板組み立て図
          • タッチセンサボード PWD(基板)
            1. 片面銅箔基板(40x80)(購入品)
            2. CAMデータ
          • IC、抵抗などの部品
        • タッチセンサボード基板取扱説明書
          • タッチセンサボード仕様書
          • タッチセンサボード基板外形図
        • タッチセンサボード基板試験仕様書
          • タッチセンサボード回路図
          • タッチセンサボード基板パターン図

7.消費電力

回路系平均消費電力:16.5[W]
回路系最大消費電流:4[A]
モーター駆動部分・・・3542[mA](最大連続電流時)、3428[mA](最大出力時)、1076[mA](最大効率時)

関連文書