名称 MIRS2603 PoC(人の呼び込み)
番号 MIRS2603-DSGN-0005

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2026.07.10 長野 煌 初版


本ドキュメントは、MIRS2603のPoCの「人の呼び込み」についてまとめたものである。

1.検証内容

明電舎の社員食堂において、ロボットによる呼びかけが実際に利用者のレーン移動行動を引き起こせるかを実環境で検証する。
あわせて、呼びかけによって食堂利用者の満足度が損なわれないかを確認する。

2.KPI

満足度を落とさずに人を動かす

3.検証結果

呼びかけが来店者の行動に与える影響について、個別に話しかける方式、不特定多数に向けて話し続ける方式、ロボットによる呼びかけ方式(実機不動のため固定設置)、人間の生声と録音音声の比較の4パターンで検証した。
個人に話しかける方式ではほとんど関心を持たれず、不特定多数に向けた方式に切り替えたところ、わずかながら人の流れに偏りが確認された。ロボットによる呼びかけは実機が動かず固定検証となり、同じ内容の繰り返しと音声内容の課題からほとんど効果が見られなかった。
生声と録音音声の比較では、混雑時にはスピーカーから約10m離れた入口まで声が届かず、半径3m以内でも注目されにくく、宣伝内容が伝わりづらいことが分かった。通行人の大半は呼びかけに反応せず、言葉のみで人の行動を変えることの難しさが確認された。
PoC実施後、来場者115名を対象にアンケートを実施した結果、人間の案内で「変更した」5名(4.3%)・「変更しなかった」40名(34.8%)・「聞いていない」70名(60.9%)、ロボットの案内で「変更した」4名(3.5%)・「変更しなかった」29名(25.2%)・「聞いていない」82名(71.3%)であった。
案内を聞いた人に限定すると、人間の案内での変更率11.1%(45名中5名)に対し、ロボットの案内での変更率は12.1%(33名中4名)とほぼ同水準であり、案内さえ届けば、ロボットの呼びかけも人間による呼びかけと同程度にメニュー変更を促す効果を持つ可能性が示唆された。一方で案内を聞いていない層はいずれも高く、「案内をいかに来場者へ届けるか」が主要な課題であるといえる。
改善案としては、列の演出による社会的証明の活用、応答型の発話方式、視覚的アプローチ(外装デザイン・タブレット表示)の強化などが挙がった。後期はこの「案内が届けば人間と同等の効果を持つ」という良い点を伸ばすことを軸に、到達率の向上に取り組みたい。


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