目次

1. システム概要
2. 機能・性能
3. システム構成
4. 開発工程表
5. 購入部品一覧

1.システム概要

2.機能・性能

2-1.警備機能

警備機能を実現するために以下の機能を実装する。


• 撮影映像の録画機能
機体に搭載したカメラに映った映像を録画する。
録画で様子や警備状況を確認できるようにし、警備の質を向上させる。


• 画像認識による人認識機能
巡回警備中にカメラに映った人間を認識する。


• カメラの画角調整機能
カメラが向く方向や角度を調整する。
カメラの画角調整によってより広い視界でカメラを活用し、得られる情報を増やすことで警備の質を向上させる。


• ロボットと管理PC間の通信機能
ロボットと管理PC間でWi-Fiによる通信を行い、ロボットから管理PCに
カメラの映像や音声など周囲の状況・様子を伝える。


• 音声の発信機能
管理PCと機体間で通信を行い、機体のスピーカーで人への声掛けを行う。
警備中の警告に加え、案内や広報活動にも活用する。



2-2.巡回・走行機能

巡回・走行機能を実現するために以下の機能を実装する。


• LiDAR、SLAMによる自己位置推定機能
LiDARとSLAMを用いた校内の自律走行を実現する。
校内のマッピングを行い、現在地を把握することでより正確な巡回警備を行う。


• 経路選択機能
ROSによってロボットの巡回経路を選択する。
管理者が指定した場所へ経路選択によってロボットが向かうことで警備の効率化を図るための機能。


• 巡回ルートの切り替え機能
巡回ルートのパターンを複数用意しておき、状況によってルートを変更して巡回をできるようにすることで、警備の対応の幅を広げ、警備の質を向上させる。
具体的には、天候や人の混雑状況を踏まえて建物内のみの巡回ルート、建物外も含んだ巡回ルートを自由選択できる機能。



2-3.目的地案内機能

目的地案内機能を実現するために以下の機能を実装する。


• タブレット操作による目的地案内機能
ロボット本体に取り付けられたタブレットを利用者が操作し、経路選択機能と連携して利用者が求める目的地の指定を可能にすることで目的地への案内を実現する。



2-4.Webアプリを介した機体への遠隔指示機能

Webアプリによる遠隔指示機能を実現するために以下の機能を実装する。


• Webアプリとの連携機能
Webアプリを介して管理PCと機体本体のRaspberry Piと連携を実現し、遠隔で経路選択（目的地設定）や巡回ルートの切り替え、マイク・スピーカーの音量調整、発信音声の設定（威嚇音声や広報活動等）をできるようにすることで警備員の負担を減らしながら警備の質を向上させる。
また、カメラの映像の表示やマップ表示、それに合わせて機体の現在位置の表示を実現することでより効果的な警備を実現する。
この機能で利用する想定のWebアプリは自作したものとする。



以上の機能を踏まえ、機能の動作関係を示す表を以下に示す。

table1.機能動作表

機能間関係	動作概要	①	②	③	④	⑤	⑥	⑦	⑧	⑨	⑩
①撮影映像の録画機能	走行中、常時動作		〇	〇	×	×	×	×	×	×	×
②画像認識による人検知機能	走行中、常時動作	〇		〇	×	×	×	×	×	×	×
③ロボットと管理PC間の通信機能	走行中、常時動作（Wi-Fi接続）	〇	〇		〇	〇	〇	〇	〇	×	〇
④カメラの画角調整機能	走行中、常時動作	×	×	〇		×	×	×	×	×	〇
⑤音声の発信機能	管理PCからユーザが入力した場合動作	×	×	〇	×		×	×	×	×	×
⑥LiDAR,SLAMによる自己位置推定機能	走行中、常時動作	×	×	〇	×	×		〇	〇	〇	〇
⑦経路選択機能	走行中、管理PCからの遠隔指示があった場合動作	×	×	〇	×	〇	〇		×	〇	〇
⑧巡回ルートの切り替え機能	走行中、管理PCからの遠隔指示があった場合動作	×	×	〇	×	×	〇	×		×	〇
⑨タブレット操作による目的地案内機能	ロボットに取り付けられているタブレットに入力があった場合動作	×	×	×	×	×	〇	〇	×		×
⑩Webアプリを介した機体への遠隔指示機能	管理PCからWebアプリを介した入力があった場合動作	×	×	〇	〇	〇	×	〇	〇	×

3.システム構成

3-1.メカニクス

以下に示す機構を設計する。


fig1.全体図



三段構造で構成されており、下段にボックス、中段にスピーカーやセンサ類（加速度センサや超音波センサ）、上段にタブレット、LiDAR、前後のカメラを設置する。
Webカメラを機体の前後に2台設置することで、カメラを通して警備できる範囲が広がる。
これが質の高い警備の実現に繋がる。




fig2.カメラの画角調整機構



パン・チルト機構を採用することでカメラの画角を変更・調整する。
具体的には１台のカメラに対して２個のサーボモータを使うことで
カメラの画角を上下・左右に変更・調整することが可能となっている。
この機構によってカメラに映る範囲を増やすことができる。
視野角は前後それぞれ300°程度を想定している。
安全対策として、角ばった部分に保護用のキャップなどを付ける。
夜間の視認性を向上するため、マーカーランプ等を用いた電飾を追加する。



3-2.エレクトロニクス

エレクトロニクスのシステム構成について下図に示す。

fig3.システム構成図





table2.電源の仕様

名称	個数	性能	電源供給先
制御用バッテリ	1	5V,25600mAh	Raspberry Pi
走行用バッテリ	1	24V,6Ah	モータドライバ
模型用バッテリ(ニッケル水素)	1	7.2V,4000mAh	サーボモータSG90

table3.センサ・モジュールの仕様

名称	個数	電源供給元	接続方式
LiDAR	1	jetson nano	USB
カメラ	2	Raspberry Pi	USB
タブレット	1	Raspberry Pi	USB
超音波センサ	4	Raspberry Pi	GPIO
加速度センサ	1	Raspberry Pi	I2C
スピーカー	2	Raspberry Pi	イヤホンジャック, USB
ロータリーエンコーダ	2	Arduino Uno	デジタルI/O

table4.駆動系の仕様

名称	個数	電源供給元	接続方式
走行用モータ	2	モータドライバ	ケーブル
サーボモータ	4	Arduino Uno	デジタルI/O（PWM）





3-3.ソフトウェア

ソフトウェアの全体構成について下図に示す。


fig4.ソフトウェア構成図





table5.通信系の仕様

名称	通信先	通信方式
Raspberry Pi	jetson nano, Arduino, 管理PC	ソケット通信, シリアル通信, Wi-Fi
jetson nano	Raspberry Pi	ソケット通信
Arduino	Raspberry Pi	シリアル通信
管理PC	Raspberry Pi	Wi-Fi

table6. ソフトウェア機能概要（機体）

機能	開発項目	詳細
走行	モータ制御	走行制御
	ROS	走行経路を自動選択
	SLAM	機体の自己位置推定
Raspberry Pi通信	Arduino	Raspberry Pi-Arduino 間通信 Jetson nanoのデータからモータ制御
	Jetson nano	Raspberry Pi-Jetson nano間通信 ROS,SLAMによるデータを通信
	PC	Raspberry Pi-PC間通信 Webカメラの映像中継、Webアプリによるデータ通信 Wi-Fi経由による通信
センサ処理	LiDAR	Jetson nanoによる処理
	超音波センサ	Raspberry Piによる処理 LiDARのデータの補完
	加速度センサ	Raspberry Piによる処理
画像処理	人検知	TensorFlowによる物体検出

table7. ソフトウェア機能概要（PC）

実装環境	機能	開発項目	詳細
Webアプリ	走行操作	走行モード選択	Webアプリにより、自動巡回または目的地への移動を選択
		目的地設定	マップ選択または部屋名入力により、目的地を設定
	デバイス操作	マイク・スピーカ	マイク・スピーカのon/off、音量を操作
		発信音声設定	発信する文章の設定 音声宣伝、不審者威嚇など、運用する状況に合わせて変更可能
	通知	Webアプリ	人検知時、Webアプリへ通知
	GUI	映像表示	Webカメラの映像を表示
		map表示	機体の位置をmap上に表示
LINE	通知	公式アカウント	人検知時、PC上のLINEへ通知

4.開発工程表

5.購入部品一覧

改訂履歴

2024-11-01 改訂

09/26に行われたレビュー(議事録)に基づき、以下を変更した。

• 警備機能に機体側からの音声発信機能を追加した
• Webアプリ機能に詳細事項を追加した
• メカニクスにカメラの想定視野角、安全対策を追加した
• ソフトウェアのLINE項目内で誤解を招く表現があったため修正した
• 機能動作表を作成・追加した
• 購入物品の加速度センサの型番を修正した