名称 | MIRS2302 基本設計書 |
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番号 | MIRS2302-DSGN-0003 |
版数 | 最終更新日 | 作成 | 承認 | 改訂記事 |
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B01 | 2023.10.16 | 山本 凜久 | 初版 | |
B02 | 2023.10.20 | 眞辺 | 大沼 | 議事録 |
B03 | 2023.11.05 | 山本 | 大沼 |
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B04 | 2023.12.21 | 和田 | 大沼 |
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MIRS2302(以下TENQ)は誰もが気軽に利用できる配達ロボットである。荷物をロボットに配達させることで自由時間を増やし、QOsL(Quality Of school Life)の向上を目指す。
セキュリティ機能、モジュール管理機能、走行機能を実現するために、以下の機構を設計する。
積み込まれている物品の盗難対策として、扉のロックと開閉検知機能を実装する。
以下に示す2つの機構をすべての取り出し口に設置する。
(i).ロック機構
各開閉部のロックを実現するため、サーボモータを用いたロック機構を設置する。
fig1.ロック機構
fig2.ロック機構(施錠)
fig3.ロック機構(解錠)
上記の機構により、扉を閉める際に自動で施錠されるが、サーボモータが作動しないと解錠できない扉を実現する。
(ii).開閉検知
各開閉部の開閉検知を実現するため、マイクロスイッチを設置する。
fig4.開閉検知機構
モジュールの切り離し・取り付けを容易にするため、下図の機構を設置する。
fig5.モジュール接続機構
モジュール底面に凹凸を施すことで水平方向の固定を実現する。
側面にパッチン錠と呼ばれる固定金具を設置することで、垂直方向の固定を実現する。
凹凸のある地面、多少の段差の乗り越えを実現するために、標準機に対して足回りの改良を施す。下図の機構で直径177mmを本体の側面に取り付け、DCモータの回転を減速して伝達する。
fig6.足回りの強化1
fig7.足回りの強化2
fig8.足回りの強化3
上記3-1-1および3-1-2の機構を含んだ、3種類のモジュールを製作する。
(i).食品用モジュール
fig9.食品用モジュール
(ii).資料用モジュール
fig10.資料用モジュール
(iii).小物用モジュール
fig11.小物用モジュール
(iv).全体像
fig12.全体像
エレクトロニクスのシステム構成について下図に示す。
fig13.システム構成図
モジュールのセキュリティとして使用するセンサの名称及びその使用用途を以下table1に示す。
table1.モジュールのセキュリティに関する部品の仕様
名称 | 個数 | 使用用途 | 接続方法 |
---|---|---|---|
マイクロスイッチ | 6 | モジュールのこじ開けを検知する | I/O |
サーボモータ | 6 | モジュールのロック機構に使用する | I/O(電源はモバイルバッテリより供給) |
フォトリフレクタ | 1 | 機体の持ち去りを検知する | I/O |
マイクロスイッチを使うことにより扉の開閉を検知することができる。サーボモータが動作していない時の開閉を検知することで扉のこじ開け判定を行う。
また、フォトリフレクタを用いて、機体の持ち去りを検知する。
サーボモータはロック機構の開閉に使用し、購入者以外が扉を開けることができないようにする。
モジュールの管理に使用するセンサ等の名称及びその使用用途を以下table2に示す。
table2.モジュール管理に関する部品の仕様
名称 | 個数 | 使用用途 | 接続方法 |
---|---|---|---|
ペルチェ素子 | 1 | モジュール内の温度を調節し保冷・保温を実現する | I/O |
ペルチェ素子用ファン | 2 | ペルチェ素子による熱交換を効率化する | |
模型用バッテリー | 1 | サーミスタ用別電源 | |
サーミスタ | 2 | モジュール内の温度を測定し目標値に達しているかを確認する | I/O |
タブレット | 1 | TENQの状態、ユーザへの指示を表示する | http |
ペルチェ素子、サーミスタを使用することで保冷・保温モジュールの温度管理を行う。タブレットはモジュールの搭載状況や操作に関する指示を表示する。
各モジュールは下図に示す配線で本体に接続する。
また、配線はバス配線ではなくスター配線で接続する。
各モジュールおよび本体基盤に4ピンと7ピンのメスコネクタを配置し、4ピンと7ピンのオス-オスケーブルでこれらを接続する。
fig14.モジュール内配線図
自律移動・走行に使用するセンサ等の名称及びその使用用途を以下table3に示す。
table3.自律移動・走行に関する部品の仕様
名称 | 個数 | 使用用途 | 接続方法 |
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jetson nano | 1 | LiDAR、カメラ、地磁気センサから情報を取得する 取得した情報をもとに障害物認識、自己位置推定を行う raspberry piと情報交換を行う |
ソケット通信 |
LiDAR | 1 | 周囲の情報を取得する | USB |
カメラ | 1 | 周囲の情報を取得する | USB |
地磁気センサ | 1 | 自分の向いている方向を取得する | I2C |
走行用モータ | 2 | 走行用 | ワイヤ |
モータードライバ | 2 | モータを制御する | ワイヤ |
LiDAR、地磁気センサ、カメラを用いて周囲の状況を認識する。
これらはJETSON NANOに接続され、LiDAR・地磁気センサで自己位置推定を行う。
また、走行中にカメラの画像を認識して障害物検知を行う。
ソフトウェアの全体構成について下図に示す。
fig15.ソフトウェア構成図
各マイコンの役割
モジュールが取り付け・取り外しされると、arduinoでモジュールの識別を行い、raspiにシリアル通信する。raspiで接続中のモジュールを管理し、ロボットの高さの算出を行う。
保温、保冷が必要なモジュールでは、サーミスタをとりつけ、arduinoで制御して温度調節を行う。
fig16.モジュール管理についての動作フロー
raspiでwebサーバを管理する。配達手配のためのwebアプリを用意する。
手配の際には利用者個人のデバイスを使用する。webアプリが手配情報を受けると、配達(集荷)の相手にメールで通知を行い、配達の可否を入力させる。
手配が成立すると、ロボットが自律的に移動する(後述)。
このとき、集荷および受取をする地点は選択式とし、以下の地点に自律的に移動する。
(屋外での自己位置推定が必要な地点) |
fig17.Webアプリについての動作フロー
iPadからhtml通信でGPS情報を取得し、これをjetsonにソケット通信で送信する。
jetsonはGPSとLiDARの情報をもとに自己位置を推定し、raspiにソケット通信を行う。
raspiは推定された現在位置から目的地までの経路決定し、目的地までの移動方法(直進・回転)を組み立てる。
これをもとにarduinoに走行指示を出すことで移動する。また、自己位置をフィードバックしつつ修正を行う。
また、jetsonはカメラによる障害物認識も行い、前方に障害物を検知した場合は一時停止するよう制御する。
fig18.自律走行・移動についての動作フロー
モジュールの扉の鍵にはサーボモータを使用し、サーボモータはarduinoで制御する。raspiはarduinoとシリアル通信し、モジュールの鍵の開閉を管理する。
扉にはマイクロスイッチを配置し、raspiで扉の開閉を認識する。こじ開けを検知した場合、機体上部のiPadのwebアプリに通知し、音を鳴らす。また、管理者のメールに通知する。
fig19.セキュリティについての動作フロー
ガントチャートを以下に示す。
ガントチャートの直リンク(pdf)