名称 MIRS2302 基本設計書
番号 MIRS2302-DSGN-0003

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2023.10.11 山本 凜久 大沼 先生 (優先度1の購入部品のみ承認済 : 議事録) 初版

目次

  1. システム概要
  2. 機能・性能
  3. システム構成
  4. 開発工程表
  5. 購入部品一覧

1.システム概要

MIRS2302(以下TENQ)は誰もが気軽に利用できる配達ロボットである。荷物をロボットに配達させることで自由時間を増やし、QOsL(Quality Of school Life)の向上を目指す。

2.機能・性能

3.システム構成

3-1.メカニクス

セキュリティ機能、モジュール管理機能、走行機能を実現するために、以下の機構を設計する。


3-1-1.セキュリティ

積み込まれている物品の盗難対策として、扉のロックと開閉検知機能を実装する。
以下に示す2つの機構をすべての取り出し口に設置する。

(i).ロック機構
 各開閉部のロックを実現するため、サーボモータを用いたロック機構を設置する。


fig1.ロック機構


fig2.ロック機構(施錠)


fig3.ロック機構(解錠)


上記の機構により、扉を閉める際に自動で施錠されるが、サーボモータが作動しないと解錠できない扉を実現する。


(ii).開閉検知
 各開閉部の開閉検知を実現するため、マイクロスイッチを設置する。


fig4.開閉検知機構


3-1-2.モジュール管理

モジュールの切り離し・取り付けを容易にするため、下図の機構を設置する。


fig5.モジュール接続機構1


fig6.モジュール接続機構2


モジュール底面に凹凸を施すことで水平方向の固定を実現する。
側面にパッチン錠と呼ばれる固定金具を設置することで、垂直方向の固定を実現する。

3-1-3.走行

凹凸のある地面、多少の段差の乗り越えを実現するために、標準機に対して足回りの改良を施す。下図の機構で直径177mmを本体の側面に取り付け、DCモータの回転を減速して伝達する。

fig7.足回りの強化1


fig8.足回りの強化2


fig9.足回りの強化3


3-1-4.各モジュールの外観図と全体像

上記3-1-1および3-1-2の機構を含んだ、3種類のモジュールを製作する。

(i).食品用モジュール

fig10.食品用モジュール


(ii).資料用モジュール

fig11.資料用モジュール


(iii).小物用モジュール

fig12.小物用モジュール


(iv).全体像

fig13.全体像


3-2.エレクトロニクス

エレクトロニクスのシステム構成について下図に示す。

fig14.システム構成図


3-2-1.セキュリティ

モジュールのセキュリティとして使用するセンサの名称及びその使用用途を以下table1に示す。

table1.モジュールのセキュリティに関する部品の仕様

名称 個数 使用用途 接続方法
マイクロスイッチ 10 モジュールのこじ開けを検知する I/O
サーボモータ 10 モジュールのロック機構に使用する I/O
加速度センサ 1 機体の持ち去りを検知する I2C

マイクロスイッチを使うことにより扉の開閉を検知することができる。サーボモータが動作していない時の開閉を検知することで扉のこじ開け判定を行う。
また、加速度センサを用いて通常の走行では発生しない急加速を読みとり、機体の持ち去りを検知する。
サーボモータはロック機構の開閉に使用し、購入者以外が扉を開けることができないようにする。

3-2-2.モジュール管理

モジュールの管理に使用するセンサ等の名称及びその使用用途を以下table2に示す。

table2.モジュール管理に関する部品の仕様

名称 個数 使用用途 接続方法
ペルチェ素子 1 モジュール内の温度を調節し保冷・保温を実現する I/O
サーミスタ 1 モジュール内の温度を測定し目標値に達しているかを確認する I/O
タブレット 1 TENQの状態、ユーザへの指示を表示する http

ペルチェ素子、サーミスタを使用することで保冷・保温モジュールの温度管理を行う。タブレットはモジュールの搭載状況や操作に関する指示を表示する

3-2-3.自律移動・走行

自律移動・走行に使用するセンサ等の名称及びその使用用途を以下table3に示す。

table3.自律移動・走行に関する部品の仕様

名称 個数 使用用途 接続方法
jetson nano 1 LiDAR、カメラ、地磁気+加速度センサから情報を取得する
取得した情報をもとに障害物認識、自己位置推定を行う
raspberry piと情報交換を行う
ソケット通信
LiDAR 1 周囲の情報を取得する I2C
カメラ 1 周囲の情報を取得する USB
地磁気センサ 1 自分の向いている方向を取得する I2C
走行用モータ 2 走行用 ワイヤ
モータードライバ 2 モータを制御する ワイヤ

LiDAR、地磁気センサ、カメラを用いて周囲の認識を行う。 これらはjetson nanoに接続し制御する。これらの機器より取得した周辺の情報をもとに障害物認識や自己位置推定を行う。

3-3.ソフトウェア

ソフトウェアの全体構成について下図に示す。

fig15.ソフトウェア構成図


各マイコンの役割

  1. raspberry pi
  1. arduino
  1. jetson

3-3-1.モジュール管理

モジュールが取り付け・取り外しされると、arduinoでモジュールの識別を行い、raspiにシリアル通信する。raspiで接続中のモジュールを管理し、ロボットの高さの算出を行う。
保温、保冷が必要なモジュールでは、サーミスタをとりつけ、arduinoで制御して温度調節を行う。

fig16.モジュール管理についての動作フロー


3-3-2.Webアプリ

raspiでwebサーバを管理する。配達手配のためのwebアプリを用意する。
手配の際には利用者個人のデバイスを使用する。webアプリが手配情報を受けると、配達(集荷)の相手にメールで通知を行い、配達の可否を入力させる。
手配が成立すると、ロボットが自律的に移動する(後述)。

fig17.Webアプリについての動作フロー


3-3-3.自律移動・走行

iPadからhtml通信でGPS情報を取得し、これをjetsonにソケット通信で送信する。
jetsonはGPSとLiDARの情報をもとに自己位置を推定し、raspiにソケット通信を行う。
raspiは推定された現在位置から目的地までの経路決定し、目的地までの移動方法(直進・回転)を組み立てる。
これをもとにarduinoに走行指示を出すことで移動する。また、自己位置をフィードバックしつつ修正を行う。
また、jetsonはカメラによる障害物認識も行い、前方に障害物を検知した場合は一時停止するよう制御する。

fig18.自律走行・移動についての動作フロー


3-3-4.セキュリティ

モジュールの扉の鍵にはサーボモータを使用し、サーボモータはarduinoで制御する。raspiはarduinoとシリアル通信し、モジュールの鍵の開閉を管理する。
扉にはマイクロスイッチを配置し、raspiで扉の開閉を認識する。こじ開けを検知した場合、機体上部のiPadのwebアプリに通知し、音を鳴らす。

fig19.セキュリティについての動作フロー


4.開発工程表

ガントチャートを以下に示す。

ガントチャートの直リンク(pdf)

5.購入部品一覧

購入を予定している物品を以下に示す。

table4.購入予定物品


物品名 型番 単価(税込) 数量 価格(税込) URL 備考 優先度
プラタイヤ 48614274 1,419 2 2,838 URL 足回りの加工に必要 1
ベアリング 09445222 94 2 188 URL 足回りの加工に必要 1
キャスター 70151847 175 2 350 URL 足回りの加工に必要 1
M8寸切ボルト 37071246 538 1 538 URL 足回りの加工に必要 1
micro SD MBMC64KACO 1,480 1 1,480 URL Jetson nano用 1
PWMサーボ FEETECH-FS90-C2 396 10 3,960 URL ロック機構の制作に必要 2
マイクロスイッチ D2F-FL 141 10 1,410 URL ロック機構の制作に必要 2
パッチン錠 73997088 153 10 1,530 URL モジュールの結合に必要 3
SUSアルミフレーム 未定 - - - - モジュール用 3
板材 未定 - - - - モジュール用 3
ペルチェ素子 未定 - - - - 保冷・保温用 4
ファン 未定 - - - - 保冷・保温用 4
ヒートシンク 未定 - - - - ペルチェ素子用 4
合計 - - - 11,984 - 暫定 -


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