名称 | MIRS2302 システム提案書 |
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番号 | MIRS2302-DSGN-0001 |
版数 | 最終更新日 | 作成 | 承認 | 改訂記事 |
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A1 | 2023.07.10 | 眞邉 開, 山本 凜久 | 初版 | |
A2 | 2023.07.16 | 眞邉 開, 山本 凜久 | 大沼 | 改訂履歴 |
近年、デリバリーサービスの需要が増加している。ユーザーが商品を購入するにあたって、自ら移動に時間を割きたくないというニーズが大きな要因である。
私達の学校生活でも同じようなニーズが存在しており、これが本プロジェクトの背景である。
高専においては、HR備品の補充・講義資料の配布のために学生が物を運ぶ場面がある。
また、売店がある学校では学生が売店に足を運び、買い物をしたりする。
他にも、施錠されている教室を使用する際には学生が鍵を借りに行き、施錠解錠を行ってから返却することとなっている。
上記のように、日常生活において学生が物を運ぶ場面が多々存在する上、これらのほとんどは休み時間に行われている。
しかし、敷地面積が広い学校では10分間しかない休み時間のほとんどを移動時間が占めてしまうことがある。
たとえば、実際に沼津高専で10分の休み時間中に売店を利用しようとすると、移動時間だけで半分以上の時間が経過してしまい、HRに戻ってからトイレを済ます余裕すらない。
このように、休み時間に売店に行きたくてもなかなか行けないのが現状である。
他にも、週番が講義の資料を担当の先生のもとへ受け取りに行かなければならない場合には、休み時間の一部が自由に使えなくなり、実質的に短縮されてしまうようなものである。
上記のように、移動に時間がかかってしまうことで"やるべきこと"に時間を割かれるだけでなく、"やりたいこと"に時間を割けなくなることが問題だと考えた。
そこで、学内で荷物を運ぶロボットがあればこれらの問題が解決すると考えた。
たとえば、本来学生が運ぶ荷物をロボットが運ぶ間に、講義の準備やトイレを済ましておくことで、休み時間を効率的に過ごすことができる。
これにより、QOsL(Quality Of School Life)が向上するのではないかと考えた。
そこで、私達はTENQプロジェクトを提案する。
このプロジェクトでは作成したロボットを用いることで時間を効率よく使い学校生活の質を高めることを目的としている。そのため、プロジェクトに関わる時間、効率、学校生活というキーワードからプロジェクト名を決定した。
"Time Efficient 'N' Quality of school life"
「ロボットに配達させて自由時間を延ばし、学校生活の品質を向上させる」
ロボットの配達機能を用いて学内での移動時間を減らし、休み時間の有効活用を目指してほしいという意味を込めて、以下のキャッチコピーを定めた。ユーザは休み時間を有効活用することでQOsLを高めることができる。
"私たちの時間をロボットが作る"
上記を実現するためにロボットに搭載する特徴を以下に示す。
ユーザに本製品を気軽に利用してもらうためには、配達の手配が簡単であるべきと考えた。
そこで、直感的かつ簡単な操作で配達を手配できる、親切なwebアプリの開発に注力する。
また、手配に柔軟性を持たせるため、配達時間・場所をユーザーにより指定できるようにする。
多くのユーザに利用してもらうために、複数件同時配達機能を搭載する。
自動で経路を決定し、配達先となるポイントを最短で巡回する。
収納部をそれぞれ独立させ、モジュールとして組み合わせられるようにする。
これにより、所有者が運用するシチュエーションに合わせてモジュールを組み替えることができる。
(本プロジェクトにおいては、学校での運用に適したモジュールを設計・製作する。)
さらに、荷物の種類ごと(例:ペットボトル、資料、鍵...)に特化した専用のモジュールを用意することで、荷物への衝撃を少なくするとともに、保温・保冷が必要な荷物に対応することもできる。
売店を気軽に利用してもらうため、webアプリから売店の商品を注文し、配達できるようにする。
本製品の主機能は「配達」機能である。ロボットが配達を行うにあたり、これに付随する機能を以下に示す。
ユーザはwebアプリを通じて配達を手配できる。このとき、ユーザは 受取/集荷 をする 日時/地点 を指定できる。
ユーザによって手配された配達は、相手となるユーザの承認を得てから実際に行われる。
このとき、相手となるユーザはwebアプリもしくはロボットに搭載されている液晶を用いて操作する。
ユーザが荷物を出し入れする際、ロボットに搭載されている液晶を用いて、どの収納ポケットを使用するか指示する。
ロボットは、集荷/配達 をするために学内を移動する。
このとき、移動の範囲は1階/地上に限定され、雨天時の室外では走行不可とする。
複数ユーザが同時に配達を依頼してもロボットが自動で経路を決定し、各地点を巡回し配達する。
すべての収納部には鍵を搭載し、ロボットが本人確認をするまで荷物を取り出せないようにする。
収納部をこじ開け、ロボット本体の持ち去り・異常な衝撃を検知する。
これらの機能を用いて、ユーザは荷物を 送る/受け取る/注文 することができる。
依頼主が送り元となり、受取人となる人物に荷物を送る。
このとき、依頼主による集荷の手配はwebアプリによって行い、受取人となる人物にはメールで受け取り依頼が届く。
これを承認するとロボットが集荷・配達を行う。
依頼主が受取人となり、送り元となる人物に配達を要請する。
このとき、依頼主による配達の手配はwebアプリによって行い、送り元となる人物の元にロボットが向かう。
送り主が依頼を承認し、荷物が積み込まれるとロボットが配達を行う。
ユーザはwebアプリ上で商品を注文することができる。
このとき、決済はwebアプリ上で完結させる(か、現金をロボットに積み込む)ことができる。
注文を受けたロボットは売店に向かい、注文の内容を表示し商品を積み込むよう促す。
荷物が積み込まれると、ロボットが配達を行う。
全体像と各モジュールについて、外観イメージを示す。
開発項目とその優先度をTable1に示す。
Table1.開発項目
機能 | 開発項目 | 担当 | 優先度 |
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配達の手配 | webアプリ開発 | S | A |
液晶を用いた操作・情報表示 | S | B | |
荷物を出し入れする収納部 | 収納部の設計・製作 | M/E | A |
収納部のモジュール化 | M/E/S | B | |
配達時の移動 | 足回りの強化 | M | A |
位置の取得・移動 | S | A | |
経路の自動決定 | S | A | |
カメラを用いた障害物認識 | S | C | |
エレベータの乗降 | E/S | C | |
セキュリティ | こじ開けの検知 | E/S | B |
機体の持ち去り検知 | E/S | B |
現時点での購入予定の物品と予算をTable2に示す。
物品名 | 型番 | 単価(税込) | 数量 | 価格(税込) | 備考 |
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コンピュータ | NVIDIA Jetson Nano | - | 1 | - | 鄭研究室より借用(連絡済) |
タイヤ | 2 | ||||
キャスタ | 2 | ||||
地磁気+加速度センサーモジュール | MLSM303DLHC | 2,088 | 1 | 2,088 | URL |
合計 | 2,088 |
上記のほかに、
07/12に行われたレビュー(議事録)に基づき、以下を変更した。