名称 MIRS2201開発完了報告書
番号 MIRS2201-REPT-0006
現在時刻



版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2023.2.09 石井虹太朗 第1版
A02 2023.2.09 石井虹太朗 青木先生 第2版



-目次-


1. はじめに

本ドキュメントはmirs2201の開発完了報告書である。以下に完成した機体を示す。


図1 としょかえる外観

2. 機体評価

としょかえるの機体評価を表1に示す。
表1 機体評価
機能 概要 評価
本の仕分け 蛇腹構造の側面にLEDを付ける。読み取った本を挿入する順番を表示することができる機能。 本をバーコードで読み取った順番と反対の順番で蛇腹に入れるようにLEDを表示させる機能をつけることができた。プログラムでは7冊以上になっても対応できるようになっている。
本の搭載 蛇腹機構を設置し司書が返却された本を表示される順番に挿入する。 本を7冊まで搭載可能になった。従来の計画では、アクリル板を仕切りとして使用する予定だったが、アクリル板の重量とキャスターの摩擦により、押出ができなかったため紙で作成した蛇腹機構になった。
本の運搬 モータを2つ使用し、ライントレース走行をする機能。 ライントレースは機能を実現することができた。しかし、バッテリーの残量や床の材質によって動作が影響されることがあるので、改善点は多々ある。
衝突防止 前方に超音波センサを取り付ける。前方に図書館利用者を検知したら停止し、衝突を避ける機能。 超音波センサが正常に動作し、物体を射程圏内に認識すると停止する機能を実装できた。
緊急停止ボタン 緊急時に動作を停止させるためのボタンを取り付ける。 模型用バッテリーの接続を断つことで動作を停止させる回路を実装した。

3. 発表会・展示会の振り返り

発表会の結果

発表会の最優秀賞の結果を表2に、技術評価の結果を表3に示す。
表2 最優秀賞結果
班名 プロジェクト名 得票数 得票率 順位
MIRS2201 としょかえる 9 5.3% 5位
MIRS2202 なすびproject 92 54.8% 1位
MIRS2203 RAPTAプロジェクト 30 17.9% 2位
MIRS2204 KOZUTSUMI 21 12.5% 3位
MIRS2205 てんこっこ 16 9.5% 4位
表3 技術賞結果
班名 コンセプト 機能 ユーザ ニーズ 完成度プレゼン 全平均点 順位
MIRS2201 3.4 3.6 4.0 3.4 3.8 3.63 3位
MIRS2202 4.0 4.1 3.9 3.9 4.5 4.08 1位
MIRS2203 3.9 4.3 3.9 3.5 3.6 3.83 2位
MIRS2204 3.5 3.8 3.5 3.4 3.6 3.55 5位
MIRS2205 3.6 3.8 3.5 3.6 3.6 3.63 3位

発表会・展示会の振り返り

発表会、展示会を通して、観衆にどれだけ魅力を魅せることが出来るかが重要だと実感した。当日にOSが破損したため、デモはほとんど出来なかったが、プレゼンテーションやポスターを通してとしょかえるの魅力を伝えることが出来たと思う。


4. 開発スケジュール

予定していた開発スケジュールを図2に、実際の開発スケジュールを図3に示す。
図2 予定していたスケジュール
図3 実際のスケジュール

5. 作業時間分析

班員、及び各パートの作業時間の割合を以下に示す。

図4 作業時間割合(渡部 214時間)


図5 作業時間割合(中村 204時間)


図6 作業時間割合(杉浦 173.5時間)


図7 作業時間割合(小柳津 162.5時間)


図8 作業時間割合(石井 152.5時間)


図9 作業時間割合(勝間田 190時間)


図10 作業時間割合(鈴木 216.5時間)


図11 作業時間割合(加藤 163時間)


図12 作業時間割合(全体 1476時間)


図13 作業時間割合(メカ 547.5時間)


図14 作業時間割合(エレキ 493.5時間)


図15 作業時間割合(ソフト 501時間)



以下に、各パート毎の分析を示す。

メカ

メカは詳細設計に約25%、製造、試験で約20%を占めていた。要因として、詳細設計では小柳津がSolidWorksに慣れていなかった為、時間がかかってしまった。他にも、中村の手腕の負傷によりPC操作に時間がかかってしまったことも要因に挙げられる。製造、試験では、蛇腹機構の不具合や材料の加工の失敗などが挙げられる。
 

エレキ

エレキは担当者が4人と多かったため、ほかパートの手伝いや発表会準備などエレキ以外でも時間を使っている。詳細設計が通らないと作業が進まないため、詳細設計の時間は短く、製造に時間をかけた部分は良かったと思う。システム統合中に断線や配線変更なども多く起きたことも製造の割合が高いひとつの要因である。また、エレキにDMがいたこと、エレキ担当自身で多くのドキュメントを書いていたことの2点から、ドキュメント整理の割合が高かったと考えられる。

ソフト

ソフトの分析としては、ソフトの実装・試験の割合とエレキ、メカの製造・試験の割合がほとんど同じくらいになっている。 ソフトのプログラムは11月の段階で一連の動作を完成させていたので、空いた時間にエレキ、メカの補助をしていたことが要因となっていると考えられる。 ソフトの仕事の重さは当初の予定ではそれほど大きくなかったので、この割合になったのは妥当だと思う。

6. 総括

全体的に進捗状況に遅れが生じてしまった。 理由としては骨折やコロナ感染によって人員が足りなかったことパートごと進捗をPMが管理しきれていなかったことで適切な人員配置ができなかったことバックアップの取り忘れと言う初歩的ミスなどが挙げられる。また、その遅れで統合試験後の修正や最後の追い込みでとても苦しむことになってしまった。 多くの問題があり最後の最後まで完成するか分からなかったが班員の尽力もあり完成をさせ当日をやり切ることができその点はとても良かったと思う。

7. 班員の感想

mirs2201班員の所感を以下に示す。

渡部冬哉

PMという役職をうまくできなかったと感じる。進捗の管理などをもっと丁寧に行えば早くに完成しもっと完成度を上げられたのではと思う。また、ソフトでもバックアップの取り忘れというミスを犯してしまい反省点だらけの一年だったように感じる。こんな頼りないPMでも信頼して着いてきてくれた班員には感謝してもしきれない。 ここでできた経験を今後の人生に活かしていけたらと思う。

中村優日

今回メカの設計とTLを担当したがどちらも反省点が多かったと感じる。設計の進捗が自分の補習や再試などによって遅れその遅れの影響でTLとしての仕事を十分にこなすことができず、その結果PMの渡部に負担をかけてしまうものとなってしまった。また、設計の進捗が一週間遅れいている状態で利き手を骨折しさらに新型コロナウィルスに感染するという失態を犯してしまった。さらに開発後半では遅れたメカの作業に追われ十分に各パートの連携を取れず時間ロスを生むものとなってしまった。

杉浦いぶき

MIRSを一年間通してやることで学んだことは多くあった。PMの渡部とソフトを担当していたが、最終的にRaspberryPIのプログラムを全て渡部に任してしまい、RaspberryPiのOSが壊れたときに手助けできなかったことが悔しかった。分担の方法に関してもう少し考えることができたと思う。他にも後悔していることがあるが、全て自分の学びとして今後に活かしていきたい。

鈴木早紀

この1年間MIRSをやってきて、チームでひとつのものを作り上げる大変さを実感できた。技術面では専門的な知識や理解力の足りなさ、ほかの面では人に頼み事をするのが苦手だということに苦労した。私は調べたり試したりする時間が人より多くて効率は悪かったかもしれないが、この班の回路を製作し終え、知識や実践的な感覚はきっと身についたので良かったと思う。 エレキでは、高専祭と重なり時間に追い詰められていた時期もあったりとなかなか楽しむことができなかったが、ドキュメント管理でのhtmlやポスター作成はのんびりと学ぶことができおもしろかった。

勝間田早矢

私は、今回のMIRSでエレキを担当した。前半は主にミーティングと発表資料作りに徹した。発表資料はテーマが伝わり易く見やすいものを作ろうと心がけるようにできた。ミーティングでは、自らの考えも発することができスムーズな意見交換ができたと思う。後半はエレキとしての作業が主になり慣れない基盤作成などの作業が続いた。今までエレキ分野の学習機会はあまり多くとっていなかった為、分からないことが多く周りの人達に聞く機会が多かった。しかし今後も役立てるような知識経験が出来たと思う。パンフレット作成では、完成したものをみるとほかの班の方が見やすいと思うような点が多く、改善点はかなり多かったと思う。今後同様な作成機会があれば今回の改善点をふまえていけるようにしたいと思う。総合順位は最下位であったが、班員と協力をしながら目標を成し遂げるという貴重な経験を1年かけて出来たのはとても有意義であったと思う。

石井虹太朗

私はこの一年間のMIRSでエレキを担当した。回路の設計は他の班員に任せてたので、私は回路のはんだ付けや圧着を主に行った。回路のトラブルが発生したときに他の班員と原因を模索するのは苦労した。私はDMとして班のドキュメントを管理する立場であった。htmlはいままで触ったことがなくやっていけるか不安だったが、過去のドキュメントを見たり、調べることで乗り越えてきた。DMになったことで培った技術はこの先も役に立てたいと思う。

加藤諒耶

mirsが始まった当初は自分たちだけで完成させることができるのか不安だったが、完成させしっかり動作させることができてうれしかった。回路設計や基盤制作などでこれまで学んできたことを活かすことができた。エレキ内の仕事の分担やグループ全体で細かな仕様の認識統一など、コミュニケーション不足を感じることがあったため今後のグループワークでは気をつけたいと思った。この経験を糧に今後いろいろなことに取り組んでいきたい。

小柳津拓馬

MIRSという講義を通して様々なことを学んだ。3DCADの設計方法、パワーポイントの上手な作り方、班員とコミュニケーションを取る大切さなどである。特にコミュニケーションの大切さは身に染みて感じた。ソフト、メカ、エレキ間はもちろん、メカ内でも情報の共有が上手くいかないことがあり苦労した。情報共有の不足は進捗の遅延を生み、期限に間に合わなくなる大きな要因であると感じた。しかし、「ものづくり」というものを1から経験できたことはとても貴重な事だと感じる。今回学んだこと将来に活かしていきたい。



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