名称 開発完了報告書
番号 MIRS2104-REPT-0010

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A02 2021.3.31 石上航輝,浅野悠也,浦田楓真,尾崎優太,
依田典,平中行成, 平澤匡祐,落合駿
香川先生 第2版

目次



1.本体概形

制作したロボットの概形写真をFig.1に示す。

Fig.1 本体写真

2.機能評価

制作したロボットの機能の概要及びその評価をTab.1に示す。
Tab.1 制作したロボットの機能の概要及びその評価
機能名称 概要 評価
横断機能 腕の先端についている手を握っている間のみ前進する機能。 子供と手をつないで横断を行える程度まで開発を実施することができた。
腕伸縮機能 所定の指示を送ることによって、腕を伸縮する機能。 所定の指示を基に、腕が伸縮される機能を制作することができた。
音声案内機能 ロボット本体から音声を発し、横断者を案内する機能。 スピーカーから録音済みの案内音声を発することができた。一方、音質が悪く、音の調整が難しいなど、改良の余地はあると考えられる。
LINE操作機能 ロボットの基礎的な操作をLINEのボタンを押すことによって行う機能。 LINEで基礎的な操作を行うことができるようになったと考えられる。
一方、LINEで操作するための前提条件が存在してしまっているため、LINEで完結できるように改良の余地が必要である。 また、LINEを使用すると一定のラグが存在してしまっているため、改善が必要である。
緊急停止機能 非常停止ボタンをお押下することによって、ロボットの動作がすべて停止する機能。 即時性を有した非常停止機能を構成することができた。
一方、ロボットの性質上、緊急停止をした際に横断歩道上で呈する場面が想定されることで、その点については改良が必要。

3. 発表会及び展示会

発表会スライドについては、MIRS2104-PRSN-0010に示したものを作成した。
展示ブースにおけるポスターとして、MIRS2104-PRSN-0008~0009を作成した。
発表会における順位は5位、技術賞の順位は5位であった。
Tab.2に各班の得票数と順位を示す。
Tab.3に各班の技術賞の評価項目ごとの得票率と順位を示す。
Tab.2 各班の得票数と順位
プロジェクト 得票数 得票率 順位
MIRS2101 MemoLip 41 25.2 2
MIRS2102 FUTABA 39 23.9 3
MIRS2103 ParCle 42 25.8 1
MIRS2104 CiDer 15 9.2 5
MIRS2105 PhotoKEN 26 16.0 4
Tab.3 技術賞評価項目
A
コンセプト
B
機能
C
ユーザ
D
ニーズ
E
実現度
合計 順位
MIRS
2101
72.5% 92.5% 80.0% 72.5% 90.0% 81.5& 1位
MIRS
2102
87.5% 77.5% 77.5% 80.0% 80.0% 80.5& 2位
MIRS
2103
77.5% 92.5% 70.0% 75.0% 82.5% 79.5& 3位
MIRS
2104
75.0% 67.5% 85.0% 72.5% 77.5% 75.5& 5位
MIRS
2105
80.0% 72.5% 72.5% 72.5% 82.5% 76.0& 4位
発表会展示においては、体験ブースを用意したものの、同時に体験できる人数が少なく、 他班のようなデモンストレーション形式による実施ができなかった点が反省点として挙げられる。
また、ポスターがほとんど来場者に見られていなかった点についても反省が必要であると考えられる。
技術賞の評価に関して、4班はユーザーの項目において高い評価を得ることができた。
これは、ユーザーが明確であり、ユーザーの現場で働く方との意見交換を実施し、 良い評価を得てきていた部分が高く評価されていると考えられる。
発表に関しては、動画及びスライドを上手に活用したプレゼンテーションが実施できていたと考えられる一方、 発表の動きが単調であり、見ている人を飽きさせない工夫が明らかに不足していた。
スライドの最終版の完成が発表会2日前であり、明らかに遅かった点があげられる。
最低でも1週間前に原稿も含めて完成していたうえで、発表の改善が必要であったといえる。

4. 社会における評価

社会実装主担当 TL 浅野悠也
MIRS2104では、実際の使用場面を想定した上で、裾野市役所及び静岡県交通安全協会の方にロボットを見ていただき、体験をしていただいたうえで、意見交換を実施した。
実際に現場で働いている方との意見交換を実施することができた班は4班だけであり、その点については高く評価できると考えられる。
一方、時期的に交通安全教室において、実際の場面における活用ができなかった点については、より早期に意見交換を実施していれば、実際の場面で実施できた可能性があったため、反省点として挙げられる。

ガントチャート

ガントチャートを示す。

個人毎の工数分析(各個人)

Fig.2からFig.9に各個人の工数分析グラフを示す。

Fig.2 石上工数分析(152.3Hours)

ミーティングに力を入れていたことが読み取れる。 PMとしてパートに所属していないため3つのパートの進捗確認や作業状況の確認などを行った際の作業もミーティングで日報を入力しているためミーティングの割合が多くなっていると考える。 また、基本設計ではアイデア出しや出た意見をまとめて新しくアイデアを考えることを行ったためミーティング以外での考える時間のため多くなくなった。 発表会のシステム開発では発表会で使う資料の作成である、パワーポイントの作成、CMに使う予定であった動画の作成及び作成補助発表会当日の原稿資料作成を行った。 開発にかかわることはあまり多くなくチーム全体がかかわることでの参加が多かったためこのようにミーティングや発表会関係での工数が多くなった。

Fig.3 浅野工数分析(224.2Hours)

工数分析のグラフから、全体の作業時間がバランスよく、1つの作業に集中することなく、作業を行うことができた。 しかし、メカ及びエレキの開発を手伝うことや、状況を把握する時間をとることが多く、TLとしての仕事を全うできていない点については反省が必要である。

Fig.4浦田工数分析(119.7Hours)

主な作業は議事録の記入、各資料の清書、データベースの管理、及び各パートの補佐であった。 直接の機体開発は補佐をする程度に留まったが、これらの作業を担うことで十分に班の力になることができたのではないかと考える。 また、懸念点としては情報共有の難しさも挙げられる。Teamsを用いて班員が作成した資料を受け取り、HTMLで書き上げていたがこの際に口頭やその他媒体での指示もあったため、 チャンネル内に自身が扱いやすい形でステーションとなるものを作るなどの工夫をすればより効率の良い作業ができると感じた。

Fig.5 尾崎工数分析(210.2Hours)

ソフト開発は、相方の浅野とうまく作業分担をできており作業時間が偏ってしまうということがなく良かったと感じた。 これに対し、反省点として私は発表会資料作成で動画編集や展示物作成なども担当しており主にこちらの作業が多くなってしまっていた。 プロジェクトとしても後半であり周囲の状況が見えにくくなっている時だからこそ班員を頼り作業分担を見直すべきだったと感じた。

Fig.6 依田工数分析(156.5Hours)

半分以上の工数時間を設計と製造・製作に費やしており、エレキの作製担当しての仕事は十分に役目を全うすることができたと言える。 半分もの時間である78時間ほどを回路と向き合って製作していたため自身のMIRSに対する理解度が深くなり回路の設計などの力が以前に比べかなりついたと実感している。 しかし、平中と比べ展示物などの文書の製作時間が少なく、展示会当日の貢献が少なかったと考えている。

Fig.7 平中工数分析(161.4Hours)

まず発表会準備とその他が多いことが明らかである。これは展示ブースの構成や、展示物の作成を主に担当していたからだと考えられる。 またパンフレットの作成に加え、MIRS2104特有のコーチジャケットのデザインも担当したため、その他の時間も多くなっている。 また基本設計・詳細設計にかかった時間に対して、製造・試験に費やした時間が少ない点も挙げることが出来る。 これは設計段階では、同じエレキの依田さんと熟考していたものの、製造段階では個人作業が増加し、前述の通りデザイン系の作業を多く担当していたことに起因している。

Fig.8 平澤工数分析(114Hours)

メカ詳細設計の時間が完全に落合に任せっきりになってしまっていた。反対に社会実装から発表会までの作業時間は自分に偏ってしまったため、もっとしっかり話し合って分担する必要があった。

Fig.9 落合工数分析(143Hours)

作業の割合として設計と製造が大半を占めているが設計については作業の分担がうまくできなかったために一人の作業量が増えてしまい、メカ全体の進みが遅れてしまった。製作については詳細設計をもとに作業の分担ができた。 多くの時間を割いたものとしてメカの詳細設計と製造であるが製造において本機に多用した3Dプリント部品のプリントに多くの時間がかかった。 フレームは早い段階で完成したものの単純なプリント時間とフィラメントの誤発注による遅延がありこれがなければもう少し早く完成していた。

パート毎の工数分析(各パート)

Fig.10にパート別工数構成比を示す。

Fig.10 パート別工数構成比

工数分析

メカ

メカの設計と製造を担当した。メカの製造は分担できたものの設計をうまくできなかったために全体としての進みが遅れてしまった。
話し合いの結果決定したコンセプトに基づいて今回の機体を設計したが機能が少ないうえに外装のデザインに注力したので動くハリボテになってしまった。
そのうえ注力した外装にも粗が目立ちイマイチな出来になった。

エレキ

まず他パートが製造・試験におよそ設計の2倍の時間を当てているのに対して、エレキは1倍程度であり製造・試験に費やした時間の割合が小さいことが明らかである。
これはエレキの設計については、メカの設計の変更に合わせることが多く時間がかかったのに対して、製造については大きな変更がなく、依田主導の元で、スムーズに進められたことが理由としてあげられる。
次に社会実装実験については、平中が学内、依田が学外の実装にしかそれぞれ参加していないため、他パートと比べると相対的に時間が少ないことがわかる。
最後に発表会準備とその他に費やした時間が多い点については、平中が広報デザイン系の作業に多く時間をかけたことに加えて、依田も展示物の作成等を積極的に行ったためであると考えられる。エレキの作業以外にも多くのことに挑戦することができ良かったと思う。

ソフト

全体を通して基本設計、詳細設計にかける時間が他パートよりも少なく、実装・試験にかける時間が多かった。これはアジャイル開発のかたちをとっていたことが大きく出ているのではないかと考えられる。
機能としては予定していたものを実装できたため良かったが作業が後半に寄っておりもう少し早くから取り掛かれていれば他の機能も追加実装できたのではないかと感じた。

総括及び感想(各個人)

TL 浅野悠也

MIRS2104班では、子供横断歩道を手をつないで渡るロボットを製作し、開発スケジュールに対して遅延をしたものの、青木先生のお子様や裾野市役所の方との意見交換を実施できる場面までもっていくことができた。
4月に班分けが発表された際に、「ロボット製作」と「社会実装」を2つの大きな班としての目標に設定し、その2つがおおむね満たされた場面まで行けた点については評価できると考えています。
一方、MIRS2104班は、他の班に比べて属人性が著しく高く、1つの仕事を1人でこなすことが多かったといえます。
今回の開発では奇跡的に班員が書けることがなかったものの、COVID-19を背景に、班員が欠けてしまう可能性を考えたリスクマネジメントが必要であった点については反省点として挙げられます。
しかしながら、属人性が高いことは必ずしも批判するべきことではなく、例えば4班は全5班の中で唯一ドキュメントを専属で担当するメンバーを設けることにより、Wordファイルで作成されたドキュメントをHTMLに起こす作業や、
その他のホームページ作成を一任でき、ロボット開発に専念するべきメンバーがロボット開発に専念できた点については、良かった点として挙げられると考えられます。

石上(プロジェクトマネージャー)

今回PMという立場でチームと一緒にMIRSを製作し、設計やシステム提案には力を入れて取り組みました。今回のチームは各パートにそのパートごとに部門に強いマンバーがいて仕事 がすべて順調に運べたと思います。一番初めから目標にしていた社会実装があと一歩のところまで行けてほぼ成功したといってもいい出来だったので、目標に向けて作業が進みしっかりと 社会に送り出せる状態にまで仕上げられたことが良かったと思います。

浅野(チームリーダー,Soft,社会実装主担当)

ソフトウェアの開発を主導しつつ、班全体の開発状況を把握したうえで、必要な開発のマネジメントを行い、社会実装についてはアポ取りから実施計画作成、実施運営に至る業務を担当した。ソフトウェアの開発については、標準プログラムを尊重しつつ、ソフト担当の2名で分担を行い作業を実施した。主に、基幹プログラムを尾崎が、LINE通信プログラムを浅野が担当した。しかし、尾崎と浅野が担当する分野の関連性が高く、開発がお互いの進捗に影響されてしまった点は反省点としてあげられる。社会実装については、外部の人との連絡を行い、意見交換を実施できた点については、高く評価できると思う。一方、小学校において活用することが時間的にできなかった点については反省点としてあげられ、より計画性を持つことが必要であると経験することができた。 MIRS2104が実施していることの中で、他班が実施していないことなどが多くあると考えている。例を挙げると、定期的なWorkRecordの更新状況の共有や、パーカーの作成、デジタルガントチャートの作成があり、こういった部分を積極的にTLとして実施することで、班としての色を出せたと思う。

浦田(ドキュメントマネージャー)

ドキュメントの管理を主とするクラス内でも特別な立ち位置にいたのではないかと思うが、仕事を全うすることができ良い前例になったのではないかと考えている。ドキュメントを書くのみであると下請けで終わってしまう可能性があったのでHPの作成をするなど自身の判断で活動を進めることができたのも良かったと考える。ただし、日付の更新など細かい作業を失念してしまうことがあったので、そのことを忘れずに今後に活かすようにしたい。

尾崎(Soft)

MIRSを通して技術、資料作成など様々な知識を得ることができました。授業でさわるプログラミングとは違い、より機体が大きく複雑な動作を要求されるため考慮することが多く勉強になりました。また発表会資料を作成するにあたり動画編集技術を磨くことができたと思います。どちらも今後生かしていけるよう努力したいと考えています。

依田(Elec)

一年間と長い間、回路設計に関わっていたため自身が苦手としていた回路に関しての知識・技術が向上できたと考えてる。自身の回路に関する知識・技術の向上を目標としてエレキ担当になったので私個人としては大変ためになった授業であった。また、タスク管理や開発手順など技術者になってから必要なスキルが身についたと考えている。

平中(Elec,広報・展示ブース主担当)

新型コロナウィルスの影響で、最初はオンラインでミーティングを開くことも多く、顔を合わせて作業を進められることのありがたみがよく分かった1年間だった。私はエレキを担当しており、設計には積極的に参加したものの、実際の製造の多くは依田さんに頼りきりな部分が多かった。中盤からはパンフレットや展示物、展示ブースの構成などのデザイン系の多くを担当すると共に、スライドの修正を行う機会もあった。またMIRS2104特有のコーチジャケットのデザインを考えたりもした。1年間を通して、コミュニケーションと、適材適所の重要性を改めて実感した。

平澤(Mech)

個人の能力差が物凄く反映される授業だと思った。メカ詳細設計過程では手伝おうにも自身に出来ることが無くてとても辛く感じることがあった。

落合(Mech)

作業の割合として設計と製造が大半を占めているが設計については作業の分担がうまくできなかったために自分の作業量が増えてしまい、メカ全体の進みが遅れてしまった。


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