名称
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MIRS1905 メカトロニクス開発完了報告書
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番号
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MIRS1905-MECH-0007
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版数 |
最終更新日 |
作成者 |
承認者 |
改訂記事 |
A01 |
2020/2/10
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赤池寛太 |
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初版 |
1.はじめに
本ドキュメントはMIRS1905のメカニクスにおいての開発完了報告書である。
2.概観図
全体の概観図をfig.1とfig.2に示す。
fig.1 全体概観図前面
fig.2 全体概観図背面
寸法幅405mm、奥行き405mm、高さ720mmである。
総重量は13kg。
下段ユニットの概観図をfig.3、中段ユニットをfig.4、上段ユニットをfig.5、昇降機構をfig.6に示す。
fig.3 下段ユニット概観図
fig.4 中段ユニット概観図
fig.5 上段ユニット概観図
fig.6 昇降機構概観図
3.製作物一覧
メカの製作物をtab.1として以下に示す。
tab.1 製作物一覧
構成部品 |
製作個数(個) |
構想担当者 |
製作担当者 |
下段ユニット |
1 |
安藤、酒井 |
安藤、酒井 |
中段ユニット |
1 |
安藤、酒井 |
安藤、酒井 |
上段ユニット |
1 |
安藤 |
安藤、酒井 |
昇降機構 |
1 |
安藤、酒井 |
安藤、酒井 |
外装 |
1 |
安藤、酒井 |
安藤、酒井 |
詳細設計から追加したものについて以下に示す。
- おもり
誘導板外が自重で落ちなかったため、鋼材と3Dプリンタを用いてfig.7のようなおもりを作成し取り付けた。
- 外装フレーム
メンテナンスドアが内側に開いてしまうのを防ぐためfig.8のようなフレームをアクリル板で作成した。
- 装飾
3Dプリンタを用いてfig.9のような装飾を新たに製作した。
- フォトリフレクトマウント
フォトリフレクタの位置を調整し固定するためfig.10に示すものを新たに製作した。
- 拡張回路ボックス
基盤の追加に伴い、fig.11の青丸で囲った部分に示す回路ボックスを新たに製作した。
fig.7 おもり概観図
fig.8 外装フレーム概観図
fig.9 装飾概観図
fig.10 昇降機構概観図
fig.11 拡張回路ボックス概観図
4.評価
各パーツの評価と工数分析について以下に示す。
- 機体全体
完成したものは13kgと設計時の11.5kgよりも重量が増加した。これはCADソフトの誤差によるものが大きく、それに加えねじや追加部品などのCADに反映されていないものが増えたからだと考えられる。
- 下段ユニット
標準機のシャーシに追加工した分は、ハイトゲージを用いてけがいたため精度よくできた。走行用モータマウントサポートは3Dプリンタで作成した。はめ込む際、内径が設計時より1.2mmほど小さくなりはまらなかったため、1.5mmほど大きくしたデータを用いた作成しなおした。これは3Dプリンタで作成したものは数mm膨張するということを考慮し切れなかったためだと考えられる。
昇降機構との接合の際、ねじ頭が8mmほど飛び出していて駆動用バッテリーが載せられなかったため、中段ユニットに載せた。これは設計の際、組み立て時のねじの影響を見逃していたためだと考えられる。
・中段ユニット
配線や使用する基盤の変更の関係により、プラスチックダンボールを用いて拡張したり、穴を開けて設計時と別の場所に基盤を付け直したりした。中央の吹き抜けがよく役に立った。
下段ユニットとの接合の際、ねじ頭が8mmほど飛び出していてアクリル柱と接触していたため、アクリル柱の一部を斜めに7mmほど削った。これは設計の際、組み立て時のねじの影響を見逃していたためだと考えられる。
・上段ユニット
各種フレームについては工場で加工したため精度よく加工できた。緊急停止スイッチマウント、カメラホルダーは3Dプリンタを用いて作成し、ねじが通りにくかったため手加工で穴を拡張した。
- 昇降機構
各種フレームについては工場で加工したためほとんど精度よく加工できた。精度が悪いものは、組み立て時に穴が2mmほどずれてしまうこともあった。
フィラメント節約のためワイヤ巻き取り車1、2をアクリル板で作成した。ワイヤ巻き取り車3については、軸用穴が5.8mmほどではまらなかったので6.5mmまで手加工で拡張した。固定用ねじがM3では滑ってしまったため、ねじきりを3mmで行っていたところを4mmにし、M4ねじを用いたところ滑らなくなった。
ワイヤを巻き取る際にモータのトルク不足が見られたので、ワイヤを巻き取る部分の直径を30mmから19.5mmにした。
滑車2固定マウントは、フィラメント節約のためできる限り小さくして軽量化し、3Dプリンタを用いて作成した。また、ねじが通りにくかったため手加工で穴を拡張した。
- 外装
レーザー加工機を用いて作成したため、精度に問題は見られなかった。設計変更の際穴の消し忘れがあったため、不要な穴がいくつかあいてしまった。
仕様変更などで塗装の色や場所が変わった。ところどころ失敗してしまった。メンテナンス時に割れてしまうこともあったが、疲労や強度計算不足によるものだと考えられる。
防水にする仕様上、防水加工してしまうとメンテナンス性が著しく低下してしまうため発表会直前まで加工できなかった。これは設計時に、組み立て完了後のメンテナンス性の低下について浅慮であったためと考えられる。
- 工数分析
メカニクスの開発におけるメンバーの工数を以下のtab.2に示す。
tab.2 工数分析
名前 |
構想[h] |
CAD作成[h] |
製造・加工[h] |
ドキュメント整備[h] |
合計[h] |
安藤 |
78 |
81 |
63 |
15.5 |
237.5 |
酒井 |
20 |
0 |
63 |
22 |
105 |
作業時間が倍近く違うが、CADでの作り直しや作業効率の悪さにより構想、設計に無駄に時間がかかってしまったうえ、並行で作業を進められるようにできていなかったためだと考えられる。
5.総括
製作は予定通りに終わったものの、組み立てづらさや部品数、ねじの多さにより組み立てに手間取ってしまい、外装もメンテナンス性の低さから取り付けが後手に回ったため予定通りに終えることができなかった。しっかり構想を練ってから設計していなかったため、設計にも製作にも余計な時間がかなりかかってしまった。キャスターを採用してしまったため、走行が不自由になったり、段差に弱くなってしまったりした点が残念だった。メンテナンス性などにもしっかり考慮し、実際に製作、使用する状況を想定し、一通り確認しただけで満足せず、何度も見直すことが重要だとわかった。
完成したものについては、当初の期待通りの動作をしたので満足できるものとなった。不具合も何度も発見されたが、ほとんど解決できたのでよかった。