名称
MIRS1704 開発完了報告書
番号
MIRS1704-REPT-0002
版数
最終更新日
作成
承認
改訂記事
A01
2018.2.23
小川宗徳
牛丸先生
初版
ドキュメント内目次
1.はじめに
2.発表会成績
3.開発工数分析
4.開発スケジュール分析
5.総括
6.感想
1.はじめに
本ドキュメントは、MIRS1704の開発完了報告書である。
2.発表会成績
今回の発表会における成績を示す。
table1 成績
賞
順位
一般投票
3位
特別審査員賞
2位
ブログいいね賞
2位
3.開発工数分析
競技会までの各班員の作業時間を集計したグラフをfig1~9に示す。
Fig.1 工数一覧
Fig.2 作業色分け一覧
競技会までの各班員の作業時間を集計し、3パートごとの集計を示す。
Fig.3 パート別作業時間
Fig.4 パート別円グラフ
メカ・エレキ・ソフトすべての製造・試験の時間ががほぼ均等であることが読み取れる。
4.開発スケジュール分析
システム基本設計
で示した開発スケジュールと実際の開発スケジュールを示す。
MIRS1704 実際の開発スケジュール(Excelファイル)
MIRS1704 予定開発スケジュール(Excelファイル)
5.総括・全体分析
・<走行>
走行という大きなくくりの中、3人という人数で仕事をこなしていくのは少し大変だったが、目標としていた最低限の動作は実現することができた。
しかし、もっと早い段階から何をどのように、いつまでにやるのかという計画を3人で共有しあっていれば、走行の安定化などの、MIRSをより良いものにする部分に時間を割けていたように思える。
・<E.V>
開発時の反省としては、製作物の計画と設計に時間をかけ過ぎた上に、計画の変更によって無駄となってしまったことが、完成までいたれなかった原因だと考えられる。展示では、展示用の模擬エレベータを作っていたことで、来場者には概要は理解してもらえた。計画開始段階での早期の動きだしと、班内での意思の疎通が大切だと感じた。
・<スマホ>
今回、MIRSをスマホから操作できたら便利じゃないか、ということで発案されたスマホ通信機能だが、当初の設計を完全に満たすものを開発することは出来なかった。全体的に機能自体は単純なものだが、それを開発するための知識がまったく無く、1から勉強することになった為、機能が1つ未実装で終わってしまった。もし、来年度のMIRSでスマホを使おうと思った班があるのなら、少しは参考になると思う。
・<全体>
上記に示したデータから開発の総括を記す。本班はコンセプトであった「学内にて「POINT TO POINT」の走行を行い目的地まで荷物の運搬を行うことで人の役に立つ」を満たすMIRS「運ぱんマン」の設計・開発に取り組んできた。
9人で合計1695時間の作業時間を要した。各自の作業割合は上のfig.1~9を参照のこと。また本班は開発を4パートに分割して作業してきたが、開発中に人員を変更したため、メカ、エレキ、ソフト分野における作業時間の分析を行う。fig10,11から25%~38%の間で作業が行われ手いることがわかる。どの分野も満遍なく作業されているといえる。
また、開発日程としては時間が足りなくなった。初期段階での見通しの甘さや、コンセプトなどと決定に遅れが出たことが原因だと考えられる。前倒しでの作業、事前のプランニングが重要だ。コミュニケーションを活発化して問題解決に取り組むことも、作業時間の迅速化につながる。
当日の結果について、多くの課題のなか取捨選択を行い、最低限の動作は満たすことができた。反響も大きく、多くの貴重な意見をいただいた。今後の糧としていく。
6.感想
・小川(PM・スマホ)
集団をまとめることはこれまでもあったが、開発のそれは新鮮で多くのことを学べた。この経験は必ず将来の糧になると確信している。今回は失敗ばかりで本当に考えさせられたし、自分自身に頭にくることもあったし、誰かに八つ当たりしていたとも思う。申し訳ない。これらの反省を今後プラスの方向に役立ていけたらと思う。最終的にMIRSが動いた瞬間はとても感動した。合計1695時間の成果だと思う。実際の開発はもっと厳しいのだろうが、こんな濃密な時間を過ごすことはそうはない。プランニング、コミュニケーションなど反省すべき点は成功点よりも多いが、それ以上に完成したことが嬉しい。反省点はしっかり来年のMIRSに生かしてくれると嬉しい。それにしても、本当に前日まで不安だった。動作を満たせるのか、発表はうまくいくのか、結果は満足いくものとなるのか。班員に多くの負担をかけてしまい申し訳ないと背徳感を感じることも少なくなかった。正直、鬱だった。今だから言えるが、普段何もできない僕にとってプレゼンは尋常ならざるプレッシャーだった。汗は止まらないし、手も震える。失敗は勿論、無難だとしても誰も納得しなかっただろう。班員のみんなはとても努力してくれていた。不満があったはずなのに協力してくれたことに本当に感謝している。彼らの支えは本当に大きかった。頼りないPMだったが、彼らの努力を少しでも伝えられていたら嬉しい。1年間お疲れ様、ありがとう。
・三浦凜太朗(TL・メカ)
私はチームリーダー兼メカとしてMIRSに取り組んだ。 メカとしての自分の仕事はしっかり作業できたと思うが、他の班員を手伝いきれなかったり、問題解決にあまり貢献できなかったりとチームリーダーとして良いとはいえないものだった。 今回リーダーとしてのいろいろな能力が足りなかった。たとえば、自分の担当の仕事に必死で各担当の作業状況を把握しきれていなかったり、MIRSに必要な専門知識を知らなかったりした。それがほかの班のチームリーダーとの差だったように思う。今後このような立場につくときは、今回の失敗だと思う経験を活かしたいと思う。 MIRS1704「運ぱんマン」がきちんと形を成し、当初の動作ではないにしろ動くことができたのは、私がチームリーダーとして力不足でも、班員たちが支え合い、協力してくれたおかげだと思う。MIRS1704のみんなにはとても感謝している。 メカとしては初めて3D CADを使用したり、レーザー加工をしたり新しいことばかりで必要以上に時間がかかってしまった。大まかな計画は立てていましたが、より詳細を計画しなければならなかったというのが反省である。 これから「ロボットのある生活」をテーマにMIRSは続いていくと思うので先輩方の反省点や意見など、いろいろなヒントを得てより良いMIRS設計・発表会になることを願っている。
・松藤由郁(走行)
企業におけるモノづくり疑似体験として、企画、設計、製作、テスト、運用を行い、開発の流れを実践的に学ぶことができた。特に製品企画には時間をかけた。班員がそれぞれ企画を考え、プレゼンを行うなど、とても貴重な経験ができたと思う。4班では、開発分担をメカ、エレキ、ソフトではなく、MIRSの各機能で分担した。これにより、ひとつの分野だけでなく、複数の分野の開発をし、経験を得ることができた。さらに、開発分担とは別にドキュメントマネージャーの仕事も行ったことにより、多くのことを学ぶことができたと思う。発表会も概ね成功し、一年間かけて行ってきたMIRS開発も無事完了できて良かった。
・竹内睦人(スマホ)
今まで班を作って何かを作り上げるという授業は何度か受けてきたが、ここまで長期間で、ここまで大規模な物を作ったのは初めてだった。4班は役割分けが少し特殊で、僕はスマートフォンという、ピンポイントな役割を任された。自分が任された仕事は、ある程度、まっとうすることが出来たと思ってるが、他の班員の手伝いを積極的にすることが出来なかった。4班は、当初から意見がぶつかり合ってかなり混沌としていたが、最終的に形にすることが出来たのでとても嬉しかった。 社会に出てからも共同開発はあると思うので、今回学んだことを生かして行きたい。
・石川仁(E.V)
エレベーターの開発はメカ、エレキ、ソフト、すべての分野の技術と関わる必要があり、予定していた作業が膨大になってしまった。自分自身、作業にあたって、この作業にどのくらいの時間がかかるか想定できなかったのは、開発を遅らせる大きな要因となってしまった。完成にこそ至らなかったが、作業の中で学んだことは多く、特に基盤加工機に触れている時間が誰よりも多かったと思う。このMIRSプロジェクトで学んだ予定通りに実行することやチームでの作業の難しさ、仕事の全体を把握することやプロジェクト完成のためにみんなを引っ張るリーダーの重要さを将来に生かして生きたい。
・大勝友晶(メカ)
今回のMIRS開発で、自分は特に、基本設計の大切さについて痛感することができた。 メカ班では当初、一枚板で荷台部分を作ろうと考えていた。しかし、部品を発注してから、技術的にきついと判断し、構造を再度検討することになってしまった。 製品を製作する前に、技術的にそれが本当に実現可能なのかをできる限り検証するべきだったと思った。 製品の作り直しは、コストや工数の無駄遣いになってしまうため、この経験を通して、これからは見通しをしっかりと立ててから製品を製作していきたいと思った。
・村田航(走行)
7月から今年のMIRSプロジェクトに、コンセプト決めから参加した。知り合いも少ない状態から、参加だったが、自分の意見もしっかり尊重してくれていた班員には、本当に感謝している。プログラムや回路設計に関しての知識が充分に足りておらず、調べて学ぶ手間がかかってしまい、一ヶ所の開発を完了するのにだいぶ時間がかかってしまった。また4班は役割分担が走行、外装、エレベーターで分けていたため、各役割の持つ完成状態のイメージがつきやすく、作業の目処は立てやすかった分、自分はエレキもソフトも触れる必要があり、知識を補う為の時間がより必要になってしまったと思う。結果的に自分にとっては、効率はあまりよくなかったと思うが、よく理解している班員からのアドバイスやチェックをしてもらうことができ、自分自身の技術力の向上につながったと思う。約5ヶ月にかけて開発をしてきたが、完成していなかったり、調整不足で実装してなかったりする点があり、自分の技術力の低さと、生み出すことの難しさやその過程で必要な協力の必要性を強く感じた。理想と現実の差をより埋められるよう、自分の能力を上げて次に生かしていこうと思う。
・加藤智己(E.V)
チームメンバーの間での意思疎通をすることの大切さを痛感した。 また、やらなければならないことを漫然とは分かっているものの、その重要度と必要な時間をあまり正確に認識できなかったことが自分の問題点として残った。タスクの適切な順序を決められず、結果として作業時間のロスや遅延の拡大につながってしまった。 特に、完成した作業が計画変更によってことごとく無意味になったときには絶句した。このような無駄を出さないためにも、仕事にかかる時間を瞬時に見極め仕事の順番を組み立てる能力の必要性を強く感じた。 社会で働く難しさを垣間見たように思った。この悔しさを原動力に、完成しなかった技術を文化祭で実現したいと思う。
・鈴木皓仁(走行)
正直、平和にそれなりにやろうと思っていたMIRSであったが、それでは終わらないということに10月あたりにようやく気づき、やらなければならないのかと落胆したのを覚えている。
プログラミングには多少は自信があったが、設計をしようと試みるとわからないことがたくさんあり、わかる人にお世話になった。C言語のスキルアップにもつながり、よかったと思う。
ロボットにおけるプログラミングはアルゴリズムだけを考えればよいのではなく、ハード的な問題も考えなければいけないということがわかり、とても苦労した。
しかし、マルチスレッドなどの難しそうなことからは時間の関係もあったが逃げていたため、逃げずに身につけていかなければならないと感じた。できることがぜんぜん違ってくるので、もっと知識を蓄えておく必要があると感じた。
班としては、意図せず班を先導して指揮する機会もあったが、マネジメント能力はまだまだであると感じた。チームでの開発には個々はもちろん、そのような力も必要であると痛感した。
ネガティブな感情で始まったMIRSだが、ポジティブな感情で進めていたら結果はもう少し違っていたかと思う。是非、今後に生かして生きたい。