名称 MIRS1704 エレベーター機能基本設計書
番号 MIRS1704-DSGN-0004

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2017.11.15 松藤由郁 初版

ドキュメント内目次



1.はじめに

本ドキュメントは、エレベーター機能についての基本設計書である。

2.メカ分野

2.1 操作盤設置用子機の概要
学内での運搬装置としてMIRSを運用するにあたり、階をまたいでの運用は必須といえる。
しかし、MIRS単体での階段の上り下りは困難である。そこで、エレベータの使用を検討するに至った。
MIRS本機にエレベータのボタンを押下する機構を搭載することは、今回の計画の予算、他の実装項目との時間制限的に不可能と判断した。
そこで、エレベータの操作盤に直接取り付けるタイプの子機を製作することとした。
また、実物のエレベータを使用することは実質不可能であるため、展示用に模擬エレベータを作成することとした。

2.2 製作する機体の個数と名称
・二階乗場操作盤設置用子機
二階に設置するための子機。乗場操作盤の操作とMIRS本体、カゴ操作盤設置用子機と交信をする。
Fig1    Fig2
Fig1 二階乗場操作盤設置用子機(全体図)                                          Fig2 二階乗場操作盤設置用子機(主要サイズ)


・カゴ操作盤設置用子機
カゴ内に設置するための子機。大きく二つの箱で構成される。開閉ボタンを含めた操作盤の操作とMIRS本体、カゴ操作盤設置用子機と交信をする。

Fig4
Fig3 カゴ操作盤設置用子機(全体図)


Fig5    Fig6
Fig4 カゴ操作盤設置用子機(階指定部)主要サイズ                                  Fig5 カゴ操作盤設置用子機(開閉部)主要サイズ


・模擬エレベータ
カゴ内の操作盤および乗り場表示板、乗り場操作盤を一括制御する。

全体図を以下に示す。
Fig4
Fig6 模擬エレベータ全体図


子機はPICマイコンによって制御する。
ボタン押下はサーボモータを用いる。MOS-FETを併用することで、ボタンの長押しを実現する。
MIRSとの通信は赤外線を使用。MIRS本機から目的階情報を受信、またMIRS本機へ到着信号を発信する。
この信号はMIRSにとっての停止目標にもなっている。
フォトリフレクタを用いエレベータの扉の開閉をカゴの内外から常時監視、相互通信を行うことで、MIRSが扉に挟まれることを防ぐ。

模擬エレベータは、階移動は行わないもののその他の表示板、操作盤の動作を実物に忠実に再現する。
二度押しで階指定が解除される機能も盛り込む。


3.エレキ分野

各仕様について示す。
①電源仕様
単三乾電池を4本直列の6Vにする。電源安定化のため、三端子レギュレータを用い5Vに変換して使用する。(三機とも同一仕様)

②表示部・操作部仕様
子機本体ボタン:子機がエレベータ本体のボタンを覆ってしまう。そこで人間の入力を受け付け、子機で間接的にボタンを押す。

③センサ・I/F仕様
カゴ操作盤設置用子機、一階乗場操作盤設置用子機、二階乗場操作盤設置用子機の各仕様を下に示す。

table1 カゴ操作盤設置用子機
種類 個数 機能 接続親機器
赤外線LED
5 MIRS本機との交信用 PIC
フォトトランジスタ(赤外線)
5 MIRS本機との交信用 PIC
フォトトランジスタ
5 エレベータボタンのランプの点灯の有無によるボタン押下検知 PIC
サーボモータ
5 エレベータ操作盤のボタン押下用 PIC


table2 二階乗場操作盤設置用子機
種類 個数 機能 接続親機器
赤外線LED
5 MIRS本機との交信用 PIC
フォトトランジスタ(赤外線)
5 MIRS本機との交信用 PIC
フォトトランジスタ
2 エレベータボタンのランプの点灯の有無によるボタン押下検知 PIC
サーボモータ
2 エレベータ操作盤のボタン押下用 PIC


table3 模擬エレベータ
種類 個数 機能 接続親機器
昇降矢印LED
2 エレベータの仮想状態の表示 PIC
操作盤ボタン
5 上昇、下降と目的階の入力 PIC
7segLED
1 エレベータの仮想階の表示 PIC
操作ボタンLED
1 ボタンが押下されたことを示す PIC


4.ソフト分野

4.1 二階乗場操作盤設置用子機
Arduinoとの相互通信(赤外線通信)
乗り場操作盤の押しボタンの押下と指定ボタンの押下状況の把握。
カゴ操作盤設置用子機と通信を行い、MIRSがカゴから完全に出るまでドアを開け続ける

システム構成図を以下に示す。

Fig8
Fig7 二階乗場操作盤設置用子機システム構成図


4.2 カゴ操作盤設置用子機
Arduinoとの相互通信(赤外線通信)
カゴ操作盤の各ボタンの押下と指定ボタンの押下状況の把握
各階乗場操作盤設置用子機と通信を行い、MIRSがカゴから完全に出るまでドアを開け続ける
現在のカゴの位置をマイコン内に記録、この値をMIRSに送信する

システム構成図を以下に示す。

Fig9
Fig8 カゴ操作盤設置用子機システム構成図


4.4 模擬エレベーター システム構成図を以下に示す。

Fig11
Fig9 模擬エレベータシステム構成図


4.3 動作

① MIRSが乗場操作盤設置用子機と通信する。MIRSはその場で待機する。
② 乗場操作盤設置用子機がカゴ操作盤設置用子機と通信し、エレベーターの扉を開けた状態にする。
③ 乗場操作盤設置用子機がMIRSと通信して、MIRSにエレベーター内に入るよう命令。
④ MIRSがエレベーター内に入る。
⑤ MIRSがカゴ操作盤設置用子機と通信し、エレベーターを閉める。次にエレベーターが開くまでの間、MIRSとカゴ操作盤設置用子機は通信を続ける。
⑥ エレベーターが動き、目的階に到着する。 ⑦ エレベーターが開き、乗場操作盤設置用子機とカゴ操作盤設置用子機が通信する。
⑧ カゴ操作盤設置用子機がエレベーターの扉を開けた状態にする。
⑨ カゴ操作盤設置用子機がMIRSと通信し、MIRSにエレベーターの外に出るよう命令。
⑩ MIRSがエレベーターから出る。
⑪ MIRSが乗場操作盤設置用子機と通信する。
⑫ 乗場操作盤設置用子機がカゴ操作盤設置用子機と通信し、エレベーターの扉を閉める。

Fig10
Fig10 動作





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