名称 | MIRS1701 メカニクス開発報告書 |
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番号 | MIRS1701-REPT-0003 |
版数 | 最終更新日 | 作成 | 承認 | 改訂記事 |
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A2 | 2018.02.27 | 関原 柊 | 青木 悠祐 | 第二版 |
本ドキュメントは、MIRS1701のメカニクス開発報告書である。
完成した機体の概観図をに示す。
そのほかの製作物の写真を以下のリンクのページに示す。
メカニクス製作物報告書
詳細設計から変更した部品などを次に示す。
ここに書いたもの以外の部品は詳細設計の通りのものができた。
機体を運ぶのに不便だったため、に示すような持ち手を追加した。
非常停止スイッチを押したり、ハーネスユニットの負荷があったりすると、上段プレートの変形が無視できないほどになってしまった。 そこでに示すような補強材を追加した。
補強材を追加した結果、見た目が悪くなってしまったのと、材料が余っていたことからに示すように上段ユニットにもカバーを追加した。
組立の時に、段差検知ユニットのコネクタが上段プレートの配線穴に通らないことが発覚した。
そこで、その配線穴をに示すように拡張した。
ソフトウェアの開発を進めるうえでデバッグ用にパイロットランプが必要になった。
そのために示すように、上段ユニットにパイロットランプ固定用の穴を追加した。
当初コントローラ側の配線はリードインナーの裏側の四角い穴から出す予定だった。
組立をする際、リードインナーの端から出したほうが配線の負担がないことがわかり、変更した。
その様子をに示す。
全て組立てからコントローラを握ってみると、ハーネスの長さにほとんど余裕がなく歩きづらいことが分かった。
そこでリードインナーの長さを300mmから400mmに変更した。
詳細設計のばねの構造では初期状態でばねに負荷がかからず、位置が不安定であった。
そこでに示す部品を追加してばねの荷重を調整することにした。
スライド抵抗がむき出しで危険であったことからカバーを取り付けることにした。
その様子をに示す。
コントローラユニットを組立て、握って確認してみるとコントローラスライダーが横方向の力に弱く曲がりやすいことが分かった。
そのため、補強するためにに示すようなスペーサを追加した。
コントローラの取り外しが多く、その脱着のためには端子を固定したほうが楽だと判断した。 そのために示すような端子固定穴を追加した。
コントローラを組み立てる際、スライド抵抗を固定するのにドライバーが通せないことが発覚した。
そのため、コントローラスライダーにに示すような穴を追加した。
コントローラL,Rを試作し、組み合わせて握ってみたところ太くて持ちづらいことが分かった。
そこで、両側からそれぞれ2mmずつ細くしたものに作り替えた。
コントローラL,Rのサイズが大きく、一品ものでは3Dプリンターで出力できなかった。
解決策として、モデルを前後に分割したものを出力して合体させるという方法をとった。
コントローラを組み立てる際、スライド抵抗を固定するのにドライバーが通せないことが発覚した。
そのため、コントローラスライダーにに示すような穴を追加した。
リードリミッタは当初操縦感を与えるためにあったが、コントローラにばねが組み込まれたため不要となってしまった。
それどころかリードユニットがグラグラしてうまく支えることができなかった。
そのため、リードリミッタをに示すような形状に変更し、リードアウターにボンドで固定した。
リードストッパはオスメスがあり、ねじ機構で組み合わせられる。
3Dプリンターでのパーツだが、そのままでは組み立てられなかった。
そのため、うまくいくまで径を調整しては出力し、うまくはまるところを探った。
壁検知をソフトウェアと組み合わせてテストしてみたところ、円形上の配置では超音波センサの角度特性からうまく測定できないことが発覚した。
そのため、段差検知ユニットをに示すような部品を用いて固定し、壁に垂直になるような配置に変更した。
オーディオアンプ基板を中段プレートのに示すような位置に穴をあけて固定した。
電源基板を下段プレートのに示すような位置に穴をあけて固定した。
タイヤがわずかな段差でスタックしないためにに示すようにばねを挟んで固定した。
ホイールを手作業で作ったため、あまり精度が良くなかった。
その影響として、リベットを打ち込めないところがあったのでに示すように、打ち込むリベットの本数を調整した。
ホイールには全周穴が開いているがもともと右、左の交互で止める予定だった。
壁検知ユニットの配置変更に伴い、超音波センサ用の解放穴を拡張する必要があった。
に示すように拡張した。
メカニクスの最終的な購入物品は詳細設計 6.購入物品の通りである。
念のためここにも再掲しておく。使用先等不要な情報は消してある。
合計金額 ¥7446
メカニクスとしての作業を次のように評価する。
最終的なメカニクスとしての完成度は100%である。基本設計から詳細設計に至るすべての機能を達成するものをつくることができた。
しかし、設計の段階から遅れが生じ、本格的な加工が始まったのは冬休みが明けてからである。
その結果、MIRSのシステムとしての完成度は低くなってしまった。
予定していたよりも大幅に遅れてしまった。
どの作業にどれだけ時間がかかるかという見積もりから、現状どこまで完成しているかの把握とそれをフィードバックする流れのすべてが甘かった。
結局開発が完了したのは発表会の1~2週間前である。
そのあたりのマネジメントはプロジェクト内でルールを設けるなどして改善する必要がある。
また、ドキュメント整備や購入物品のリストの製作(部品の個数のカウント、購入先の検討、材料のサイズ検討など)にかなり時間を使われた。
こうした開発とは直接関係のない作業を効率的に行う方法を考えるべきである。
勘違いしてはいけないのは、開発を優先してほかを手を抜けということではないということだ。
これに関してはMIRSの開発システム自体を変えるのが最善だと思う。
すでに開発が遅れたと述べたが、メカニクスとしては抜かりなく全力で製作を進めてきたつもりである。
しかし、設計は一人が行い、製作も少数であまり考えずに進めてしまった。最初からパートごとに分担して設計し、だれがどれを作ると決めて製作を進めればもっと早く完了することができたかもしれない。
このように分担に関しては改善の余地があったと思われる。
作り上げてきたものを振り返ってみても、全てこのプロジェクトには最低限必要な要素であった。
完成は遅れたものの、機能として作ることが不可能なものはなかったし、仕事の分担等には他にもうまいやり方があった。
やはり開発の進め方がカギで、開発要素の量としては適切であった。