名称
MIRS1203 開発完了報告書
番号
MIRS1203-RPRT-0008
最終更新日:2013.2.1
版数
最終更新日
作成
承認
改訂記事
A01
2013.2.1
田中優斗
初版
目次
1. はじめに
2. 開発スケジュール分析
3. 開発工数分析
4. 開発環境の整備
5. 総括
6. 感想
1.はじめに
本ドキュメントは、MIRS1203のMIRS開発の分析と総括をまとめたものである。
2.開発スケジュール分析
図1・開発スケジュール予定
図2・開発スケジュール結果
・開発スケジュール分析
パーツの発注が遅れたため、スケジュールに全体的に遅れが生じてしまった。
しかし、早めにシャーシを作り始めたことや、画像処理や仕掛けの攻略プログラムを早急に断念したことにより、遅れを取り戻すことができたと思う。
発注の遅れが、大きく響いたと感じる。
3.開発工数分析
図3・作業時間割合
・工数分析(作業時間割合)
作業時間のを割合から、ソフト開発にもっとも多くの作業時間を要していることがわかる。
これから、ソフト班を3人に、エレキ、メカ班を2人にして正解だったと思う。
また、このグラフからわかる特徴的なこととして、ソフトや、メカ、エレキの開発以外に多くの時間を要していることがわかる。
これには、ミーティング、ドキュメント作成等が含まれる。MIRS開発においてソフトやエレキ、メカ等の開発以外の要素が非常に重要だったように感じる。
図4・月ごとの作業時間
・工数分析(月ごとの作業時間)
月ごとの作業時間をグラフ化すると、体験入学や、高専祭といった行事前に作業時間が多くなっているが、全体として、安定した作業時間を確保できていたと思う。
12月もテストなどがあったにも関わらず、比較的多くの時間を確保しており、割と動き出しは早かったように感じる。
図5・月ごとの作業時間(パート別)
・工数分析(月ごとの項目別作業時間)
このグラフから、高専祭や、競技会などの前に、ソフトウェアの開発に時間をかけていることがわかる。
また、ソフトウェアの開発に時間をかけているときに、エレキやメカといった開発にかける時間が減っている。これは、ソフト開発に多くの人員が割かれてしまったためだと考えられる。
この結果から、ソフト開発に時間をかけていない段階に、メカやエレキといった作業を多く割り振るべきだったと考えられる。
しかし、1月にメカやエレキの作業時間が少ないことから、メカ、エレキが早めに完成したことがわかり、ソフト開発に専念できたといえる。
さらに、グラフより、10月から1月にかけて「その他の作業時間」、が多くなっていることがわかる。これは、ドキュメントレビューのほかにも、ミーティング等の時間を増やしたためだと考えられる。
1月に、「その他の作業時間」、が多くなっている理由は、プレゼン資料作成や、動画作成に時間をかけたためである。
図6・パートごとの作業時間割合
・工数分析(パートごとの作業時間割合)
グラフより、エレキ開発、ソフト開発において、約半分が、ほかの班の手助けを受けているがわかる。
特にエレキ班とソフト班には、担当以外のパートを多く受け持ってもらっていたことがわかり、多くの負担を強いていたと考えられる。
もっと、しっかりと作業を割り振る必要があった
しかしながら、結果として、多人数で「ソフト」、多人数で「エレキ」といった分担になっており、みんなが多くの作業を覚えたおかげで、デバッグは早くなったように感じる。
4.開発環境の整備
PC周辺:
ワイヤレスキーボードの導入により、開発が楽になった。
また、無線LANを用いて、接続することにより、MIRSの状態をケーブルでつなぐことなしに知ることができるようになった。
整理整頓:
作業台を、毎日きれいに片づけることにより、開発効率を上げることができる。
道具などを整理してしまっておくことにより、探す手間を省くことが可能になる。
「1日の最後は片付け」という習慣をつけることにより、始まりと終わりの時間が明確になり、無駄な作業が減る。
5.総括
全体(マネージャ):
今回、私は、ミーティングや上流設計に力を入れてきたつもりです。
最初は、ドキュメントの量に苦労しましたが、それらがMIRSについて理解を深めるため、またチームとしてコンセプトを見失わないために必要だったと考えています。
授業の開始時には必ずミーティングを行うようにし、予定や目標について話したことも、勝つための一翼を担ったと、振り返ってみて感じます。
勝因:
コンセプトを常に意識して、上流設計に生かしたこと
上流設計にかける時間を多くしたこと
コンセプトに応じた、開発の見切り(システムの最適化)を適切に行ったこと
割と早い時期から、エレキ、メカの開発に着手し、ソフトにかける時間を増やしたこと
改善点:
MIRSは1台しかないので、交代制で開発を行ったほうが効率的だった
ソフトのバージョン管理を徹底するべきだった
後輩へアドバイス:
小型化は画像処理が難しくなるなど一長一短あるので、コンセプトをしっかりと意識したうえで行う
エレキとメカの開発は、可能な限り早くする
チームメンバー同士の情報は確実に共有する
チェックは、絶対にバッテリーで行う(可能な限り本番の状況を再現する)
チェックリストの活用
図7・チェックリスト
バックアップは常にとる(不慮の事故への対策)
コンセプトを常に意識し、中断と実行の基準を明確にする
徹夜しない
6.感想
田中優斗:
1年間、マネージャーとして活動をしてきて、うまくできたかどうかは正直言って微妙です。
ほかの班員たちに助けてもらうことも多く、とても自分にとって活動しやすい班だったように感じます。
ここにMIRS以外のことを書いていいのかはわかりませんが、私は、今年MIRSのマネージャー以外にも部活のチームリーダーとして活動をしていました。
部活では、自分が思った通りの成果を上げることができずとても悔しい思いをしました。 それは、自分なりに分析した結果、みんなが持つ最終目標が個々に違っていたこと。見切りが悪かったこと、等が原因だったのではないかと考えています。
MIRSも完全に成功したとはまだまだ言えませんが、部活での失敗を生かすことができたのではないかと感じています。
1年間の開発を通して、私はとても貴重な体験ができました。 MIRS開発を通して、マネジメント力、プレゼンテーション能力を身につけることができたと思います。また、開発する過程で制御工学や、数学におけるマクローリン展開、それ以外にも、特に実験で得た知識を活用することができました。
今まで習った分野の復習になったのとともに、開発の場で活用することができうれしかったです。
まだまだ、競技会もあるので、これからも3班のマネージャーとして頑張っていこうと思います。
清拓磨:
今回、プロジェクトチームでは本番コースの設計と、競技会当日の司会を務めさせていただきました。 前期からプロジェクトチームとして活動し、ホームページや広報活動など思っていた以上にいろんな仕事ができ、いい体験になったと思います。 特に本番コースの設計はプロジェクトチーム全員の考えてきたコースをもとに江上先生の許可がもらえるまで試行錯誤を繰り返しました。 鍵・ゲートの位置や白線の位置、小部屋とロータリーなどの入り方など、コース1つ設計するのにもたくさんのことを考えさせられ、大変でしたがとても面白かったです。 高専祭のプレ競技会と競技会の司会では、多くの人の前でしゃべる機会はなかなかないのでとても緊張しましたが、いい経験になったと思います。 競技会本番では、競技1班目でいきなり3班がゴールしてしまったり、審査員特別賞の発表でミスがあったりと対応に困る出来事がいろいろありましたが、なんとか乗り切れてよかったと思います。 MIRSの開発にほとんど携わることができなかったことは多少心残りではありますが、プロジェクトとして活動できてよかったと思います。
遠藤祐太朗:
MIRS1203では、一年を通してソフト・ドキュメントマネージャーを担当し、中盤以降主に画像処理を任されました。画像処理で用いたOpenCvは実験で一度しか扱ったことがなかったため、ネットや教本を参考にプログラムを理解、改良するよう努めました。しかし、右手法で攻略するというチームの方針により画像処理プログラムは使われることはありませんでした。そのため、後半はメインプログラムの通路走行関数の作成に携わることになりましたが、今までの理解が浅かったため思うようにできずサポートや修正に徹することになり、あまり貢献できませんでした。
チーム全体としてはリーダーの田中優斗の的確な指示やマネジメントにより本番直前に追い込まれることなく計画的に進めることができたと思います。
MG3初の迷路完全攻略ができたことを本当にうれしく思います。
村串憲一郎:
私はMIRS開発において主にソフトウェア開発を担当した。本格的にソフトウェア開発が始まったときは、正直プログラムをまったく理解することができなかった。それでもあきらめないでプログラムを勉強した。初めてMIRSが自分たちの思い通りに動いたときはとても感動した。また、勉強してきた知識を実際に生かすことができて、今までの苦労が報われたような気がした。
開発も後半戦を迎え、私は仕掛け攻略のプログラムを担当するようにMr.TNKに指示された。しかし、私はプログラムを開発することはなく、仕掛けは専用の攻略プログラムではなく通路走行プログラムを改良したもので突破されることとなった。それでも、安定した走行をしてくれた時は本当にうれしかった。本番では唯一の制覇を成し遂げることができて、本当に良かった。
また、私はムービー作成を人生で初めて行った。最初は全くできなかったが、慣れてくるにつれ、だんだん楽しくなってきた。 MIRSは新しいことの連続でした。技術的なことをはじめ、チームワーク、忍耐力、精神力を鍛えることができたと思う。来年のD4にも頑張ってもらいたい。
廣野湧也:
プログラムを担当しました。個人として貢献できた部分として、高専祭の時点でメイン関数、PD制御の部分を除く通路走行関数、直進、回転、バック関数と各仕掛け攻略関数(ロータリーは未完全)の作成をしました。また高専祭後のオリジナルマシン用のプログラムでは、小部屋関数攻略用のプログラムと通路走行のプログラムを組み合わせて改良し、迷路攻略用の根本となるプログラムを作成したり、他の班員の作ったプログラムを問題の内容に改良して組み込んだりしました。また、様々な問題に主にプログラム面からアプローチして問題解決にも努めました。作成前の段階である程度問題を想定し、可能な限り穴がないようにしていたので、単純なプログラムのアルゴリズムのミスというものは少なかったと思います。
最初の夏休みの時点では、様々なボードの不調により他の班と比べてダントツビリのスタートとなってしまいましたが、最終的には連続ゴールを決めて優勝することができたのでよかったです。その原因の一つにメカ班の頑張りがあると思います。メカはシャーシ、タイヤ等ほぼすべてを大幅に改良することになりましたが、早い時期から完成していたこともあり、プログラム開発に多くの時間を充てることができました。
プログラム面では早期に画像認識を諦めるという大胆な決断をしたことが、邪道な方法ながらも優勝に近づいた大きな要素だと思います。しかし、他の班のMIRSには画像認識をフル活用するという全く逆の方法で進んでいくものもあり、自分たちができなかったことが悔しいので、受験後にも自分で学びたいと感じました。
デバックや調整、回路の接触不良など面倒くさくてイライラするものばかりでしたが、なんとか乗り越えることができました。かなりいい経験になったと思います。しかし、もう二度とやりたくないです。一年間お疲れ様でした。
稲鶴和也:
1年間お疲れ様でした。エレキを担当しましていましたが、前半はMCBの修理、後半は超音波ボードの修理を主に行っていました。基板のデバックでは、基板のショート・素子の不良・コネクタの接触不良などが同時にいくつか起こっていることが何度かあり、原因の特定ができず、うまく先に進めないことがありました。故障の原因が一つだと思い込むのは危険だと感じました。
マネージャーの適切な指示のおかげでMIRS1203は、全体の時間を見据えた早い行動ができました。そのため、エレキやハードは冬休みの前までに動く状態にして、ソフトウェアに多くの時間を割いていました。その結果、ソフトウェアのみを行っていた時間も多かったので、自分の分野に関係なく、プログラムについてもっと理解するようにしたかったです。
MIRSの授業は、自分にとって、これまで授業で習ってきたことを初めて実践する機会でした。自分の知っている知識で本当に物を動かすのはとても良い経験でした。また、問題が発生した時の解決能力や、チームとして物事を行っていく方法は、これからも役に立つことだと思います。
荻原淑樹:
今年1年を通し、活動してきたチームプロジェクト_MIRS。 自分がやってきたことは、今思うとただの補佐でしかなかった。 自分たちの中のリーダーという存在は、それほど偉大だった。 自分たちの班が優勝できたのは、ひとえにリーダーである田中優斗の偉業だろう。 彼は、私たちが休んでいる間も淡々と作業をこなし、それでいて班員に的確な指示を飛ばしていた。 休日を返上し、徹夜をものともせずMIRSに打ち込む姿は、MIRSへの愛憎を感じずにはいられなかった。 MIRSはすでに彼の…だったのかもしれない。 競技会で走るMIRSからは、彼の意志と思いがにじみ出ていたように感じた。 彼には感謝してもしきれないだろう。あの感動と、喜びを与えてくれた彼に。 ありがとう。
<P.S>
私がMIRSで1年間やってきたのは、主に環境整備といったところだろう。その面に関しては貢献していたと自負している。 環境整備とは単に作業場を整えるだけではない。プログラムを動かせるように本体の整備することもまた、整備のひとくくりになるように感じる。 私がした仕事は、エレキ班として、MCBを作ったり、配線を考えたり、端子台に変更したこと。ソフトの手伝いとして、ゲインの調整、不具合の調整をしたこと。全体を通して、机周辺の整理、道具類の管理・整理をしたことだ。 私が最も力を入れていたのは、道具の整理だった。MIRS開発において、道具や材料を探す時間ほど、無駄なものはないと感じていた。道具を整理し管理しておくことで、その時間を短縮し開発をスムースに行えていたと思う。 全体を通して、辛かったが、楽しく開発を行うことができた。自分の持ってきたワイヤレスキーボードとノートPCを使って開発を行い始めたときは、活躍する場所が増え、充実していたと感じる。 班員で協力して開発できたので、とても良い班だったと思う。
私がこの1年間MIRS活動通して得たものは、たくさんあります。まず仲間との仕事分担という意味でのコミュニケーション能力です。なんだかんだ言って実験の時は協調性が少なく個人プレーに走りがちでしたが、今回はみんながそれぞれ分担して各自に与えられてあ仕事をしっかりとこなさなくてはなりませんでした。そんな期限や成果が求められる中でも険悪な空気にはならず楽しく開発できました。ほかには、回路設計の知識です。エレキ班として自分で設計したわけではないのですが、仕様書を読んで内容を理解する力をつけることができました。また、プレゼンテーションを何回もしたことによりプレゼンテーションをする能力が身に付きました。率先して片づけや、準備を行ったり、ミスを減らすためにはどのようにするべきかなども考える考察力もつきました。まとめると、コミュニケーション能力・行動力・技術力が嬢たちしたと思います。これを今後の就職活動に生かしていきたいと考えています。
優勝できてとてもうれしい。ありがとうみんな!ありがとう田中!
室伏一輝:
1年間メカ担当ということで頑張ってきましたが、ほとんどマネージャーの働きと言っていいほど田中さんが働いていた記憶があります。
自分がらみでいうとアクリル板に穴をあけている途中でいきなり割れたことや、グラインダーでやけどしたこと、アルミ板でバンパーを作った時に曲げすぎたことなど、マイナスの思い出ほどよくよみがえってきます。 ほかには、穴の位置以外は超音波センサの固定用金具が案外とうまくいったことが記憶に新しいです。ドキュメントについては、1年のころに学んだはずのhtmlがうやむやになっていて懐かしさを感じました。今は"組み立てられる"組み立て手順書が書けないのがつらいです。
いろいろと書いてきましたが、結果としてシャーシと車輪を自分で設計し、製造してきてさまざまな作業をこなしてきた田中さんはやはりすごいと思います。
この一年間MIRSで得られたものはSolidWorksで簡単なものを作れる程度の知識と少し編集できる程度のhtmlの知識と改めて2年の時に工場で学んだ測定による穴の位置決めなどです。
室伏恵実:
私はメカの担当をしました。卓上ボール盤は今まで、使用したことがなかったけれどこの1年間で使用することが多々ありました。また、SolidWorksを使用しての図面の書き方を学びました。エレキの面ではケーブルや超音波センサを作成しました。去年、MIRS競技会を見学している段階では、わからないことがたくさんありましたが、この1年間で機械や部品などの知識をえることができたと感じています。マネージャーがとても頼もしく、指示をしっかりだしてくれたのでいろいろなことがスムーズに進んだと思います。車輪はマネージャーが工場に行って作ってくれました。私はプログラムが苦手で主なメカの仕事がおわってからは、見ていることがほとんどだったので力になれなかったのが申し訳なかったです。力になれることが少なかったと思いますが、この1年間は良い経験になったと思います。
MIRS1203ドキュメント管理台帳