名称 |
MIRS1004 技術調査002 |
番号 |
MIRS1004-TECH-0002 |
最終更新日:2010.7.11
版数 |
更新日 |
作成 |
承認 |
改訂記事 |
A01 |
2010.7.11 |
細越 寛太 |
細越 寛太 |
初版 |
無限軌道により重くなった分を、シャーシの軽量化により解決することが決まったので、軽量化についての技術調査を行った。
目次
- 概要
- 素材
- 重量
- まとめ
- 参考文献
- 概要
シャーシの軽量化の手段として、
- 肉抜き
- 根本的に素材自体を変える
が挙げられたが、7/9に牛丸先生から送られてきたメールに、
標準機のシャーシは基本的に加工してはいけない。ただし、2,3箇所の
穴あけ等、小さな加工については、許可する場合があるので、申し出ること。
とあったため、肉抜き案は却下され、素材変更案に決定した。
現段階で挙げられている素材は、以下のとおりである。
- 塩化ビニール版(プラ板)
- CFRP版
- アクリル板
- 素材
各素材の説明と、長所・短所を以下に示す。
-
塩化ビニール版
一般的な合成樹脂(プラスチック)のひとつ。汎用性が高く安価であるため、様々な用途に用いられている。
メリット
-
軽量である。
-
耐水性・耐酸性・耐アルカリ性・耐溶剤性が高い。
-
安価である。
デメリット
-
弾性率が低く、変形しやすい。
ただし、ベネズエラでは家にも使われるそうなので、工夫すれば改善できるかもしれない。要調査。
-
CFRP板
繊維強化プラスチックのひとつ。カーボン繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させたもので、アルミニウム合金の後継材料として使用されている。
メリット
-
軽量である。
-
塩化ビニール板と同等以上の耐腐食性を誇る。
-
金属材料よりも強靭に成りうる。
デメリット
-
衝撃に弱い(炭素繊維が樹脂から剥がれてしまう)。
この特性から、加工は難しいのかもしれない。要調査。
-
アクリル板
合成樹脂のひとつで、透明度が非常に高い。有機ガラスとも呼ばれる。
メリット
-
軽量である。
-
加工が容易である。
-
耐衝撃性が高い。
-
耐候性が高い(紫外線や熱、水による影響を受けにくい)。
デメリット
-
表面硬度が低く、傷が付きやすい。
-
高価である。
- 重量
シャーシの軽量化についての調査であるので、各素材の重量を調べた。
-
アルミ板(標準機のシャーシ) … 400mm*400mm*5mm で 2.16kg
-
塩化ビニール板 … 400mm*400mm*5mm で 1.12kg(49%軽量化)
-
CFRP板 … 400mm*400mm*5mm で 1.44kg(43%軽量化)
-
アクリル板 … 400mm*400mm*5mm で 0.95kg(64%軽量化)
アクリル板が挙げられた3つの中では最も軽い素材であることが分かった。
- まとめ
- 塩化ビニール板は安価で軽量であるが、シャーシに利用すると強度に問題が出る可能性がある。
- 最も頑丈な素材はCFRP板であるが、最も重い素材でもある。
- 最も軽い素材はアクリル板であるが、高価である。無限軌道にお金がかかることが予想されるので、高価なものは避けたいところ。
各素材には素材ごとに重大な問題点があり、今回の調査ではそれらの解決策が見つけられなかったので、どの素材でシャーシを作るかはまだ決められない。
- 参考文献
- MIRSMG3D 下段シャーシ製造仕様書
http://www2.denshi.numazu-ct.ac.jp/mirsdoc2/mirsmg3d/mnfc/num0002a/index.html
- ポリ塩化ビニル(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E5%A1%A9%E5%8C%96%E3%83%93%E3%83%8B%E3%83%AB
- 繊維強化プラスチック(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E5%BC%B7%E5%8C%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF
- アクリル樹脂(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%AB%E6%A8%B9%E8%84%82
- アクリル板について教えてください。 透明なガラスと比べて透明なアクリル板のメリ... - Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1342325678
沼津工業高等専門学校 電子制御工学科