名称 |
MIRS1002 開発完了報告書 |
番号 |
MIRS1002-DSGN-0005 |
最終更新日:2010.2.28
版数 |
更新日 |
作成 |
承認 |
改訂記事 |
A01 |
2010.2.28 |
小俣 |
斉藤 |
初版 |
- 本ドキュメントについて
本ドキュメントは,MIRS1002の開発経過についてのまとめである.
- 開発スケジュール分析
ハードの完成に予想以上に手間取ってしまった.プログラムは完成後のデバック・改善の時間が少なすぎた.
- 開発工数分析
作業報告をもとに集計したものを以下に示す.
氏名 |
青柳 拓也 |
小俣 克之 |
木ノ内 智貴 |
斉藤 彰 |
鈴木 智大 |
塚本 優 |
原川 義樹 |
馬飼野 裕貴 |
吉田 亮太 |
合計 |
ハード |
153 h |
3 h |
55 h |
8.3 h |
35.5 h |
20.5 h |
96 h |
122 h |
0 h |
493.3 h |
エレキ |
0 h |
56.5 h |
46 h |
3.8 h |
151.5 h |
39 h |
21.5 h |
45 h |
0 h |
363.3 h |
ソフト |
0 h |
116.5 h |
0 h |
156.3 h |
0 h |
147 h |
0 h |
0 h |
0 h |
419.8 h |
その他 |
72 h |
73 h |
116.75 h |
61 h |
29.5 h |
12 h |
24.5 h |
28.5 h |
180.3 h |
597.55 h |
合計 |
225 h |
249 h |
217.75 h |
229.4 h |
216.5 h |
218.5 h |
142 h |
195.5 h |
180.3 h |
1873.95 |
担当の割り振りは割と均等であったように思う.ただ,前半にハードに時間をかけすぎていたと考えられる.
- 競技結果
- 現システムの問題点とその対策
メカニクス
- サスペンション
走行中に起こるエラーはボードの振動によるものだと思われる.サスペンションを有効に使うことで,振動がボードに
伝わらないようにすることが可能だと思う.
- ケーブルの断線
信号線が断線することが多くあった.これはドーターボードとCPUボードを縦に積んだことが原因だと思われる.
他にもケーブルまわりが混雑していて見た目にも良くなかったので,スッキリするようなボードの配置を行うべきだと思う.
エレクトロニクス
- 基盤について
はんだ付けがあまい箇所が多くありショートすることが多くあった.
基盤を作成したら導通チェックを行うことを徹底することで解決できる.
ソフトウェア
- Input/Output Error
走行中に出ることが多々あった.このエラーはモーターボードとの通信エラーであるが,原因は振動であると考えられる.
したがって,ハード的な対策をとれば解決できると思う.
- ジャイロセンサ
角度は精度の高い検出を行いたかったが,完成しなかった.温度ドリフトなどの影響が考えられる.
試験をもっと行いプログラムに補正を入れてやれば精度を上げられると思う.動作の同期を考えてPICによって制御したが,
特に必要ではなかったのでAD変換器を用いても良いと思う.
- プログラム全般について
各要素のプログラムの正確性が不明である.これは事前の試験をあまり多くできなかったことが原因である.
特にモータ制御に関してはトルクの影響など実装しないとわからないことが多いので,試験はできる限り多く行うべきだと思う.
- 総括
青柳 拓也
●よかったところ
・LEDを搭載したことにより,審査員特別賞を獲得できたこと.
・シャーシの小型化,基板の小型化などMIRS1002独自の改良が多数できたこと.
●悪かったところ
・全体的に危機感が足りなかったところ.
・LANケーブルの爪を破壊してしまったところ.
●まとめ
・MIRSを通じて身についたものは根性だと思う.
小俣 克之
一年間,マネージャーとしてチームを牽引し,メンバー全員が深くMIRSに関われるように指揮を執ってきたつもりだ.
結果は決して満足のいくものではなかったかもしれないが,ソフトウェアの開発能力,回路の知識,リーダーの責任,計画の大切さ,
ラストスパートの重要性,… いろいろなことをMIRS開発の過程で学べたと思う.この経験は今後の人生できっと生かされていくだろう.
MIRSというカリキュラム自体まだノビシロを多く残していると思うので,これからさらに盛り上がってくれたらいいなと思う.
木ノ内 智貴
ソフトを作るのは苦手なのでメカと若干エレキを行った.メカでは競技会直前の追い込み作業でのLED製作が苦労した.
LEDにあった抵抗を計算し,LEDをボードに接続できるようにコードを取り付ける作業だった.
LEDの不具合から何度も抵抗を替えることでハンダを付けたり溶かして取り除く作業が続きかなり精神的に堪えた.
LEDの数が100個以上だったので辛かった.また,塩ビ板を加工してサスペンションやキャスターも作った.
アクリル板を熱で曲げる加工はかなりうまくいった.エレキでは,LED制御盤を読み改造する手伝いをした.
また,いろいろな基盤のハンダ付けを行った.そのほか詳細設計書作りも頑張った.
今回のMIRS作りで感じたことは,もっと早くから遅くまで残ってMIRS作りに取り組めばよかったということ.
切羽詰まったあたりから遅くまで作業するようになったので時間が足りなかった.しかし,楽しかったので良かった
.
斉藤 彰
MIRS1002では、ソフトで画像処理に特化して作業を行った。
画像処理については、開発当初では何をしてよいかわからず途方に暮れていたが、プログラムを読み進めていくうちに
何となく理解でき、サンプルを見ながらコーディングしていくことで、実用に耐えうるものを作成することができたと感じた。
この経験から、できないと思っていることは実はやったことがないだけで、何とかなるものなんだと思った。
勉強においても「できないからやらない」ではなく、「とりあえずやってみる」ことが重要であるということを思い知らされたような気がする。
また、アルゴリズムを考えているとき、友人と相談すると自分では思いつかなかったような方法が浮かび上がるような感覚があり、
友人との議論の大切さを改めて感じた。
メカ・エレキに関しては、ほぼ触れておらず、当日のモーターまわりの不調に手が出せなかったことはもどかしかった。
ソフトだけにとらわれず、MIRS全体にしっかり触れておけばよかったなあと後で残念に思った。
MIRSの開発を通して得たことは、大人数で協調して作業するときの進め方、各分野の知識などであり、
これからの人生できっと役に立つ内容だと考えられる。
MG3自体は、標準機の安定性とドキュメントの整備が一層望まれると思われる。迷路をクリアできるようなMIRSをぜひ後輩たちには作ってもらいたい。
鈴木 智大
僕は今回のMIRSを行うにあたり,まず自分に何ができるかを考えた.
ソフトについては全く力になれそうにもなく,だからといってメカが得意なわけでもない僕は正直不安の気持ちでいっぱいだった.
とりあえずメカ班になったが,その頃はまだ班員の間でうまく連携がとれずなかなか思うように事が進まなかった.
そんな中,標準機の小型化ついて班で検討することになり,僕は夏休みを使ってどうすれば小型化することができるかを考えた.
その中で小型化案の一つとして標準機の回路の圧縮やケーブルの短縮について考えているうちに僕は工作室にある基板加工機に注目した.
標準機を小型化するにあたり,基板加工機を利用できたらいいなと僕は考えた.しかし,クラスで加工機を扱えるものは限られていた
そこで,僕は加工機の使用方法について勉強することにした.
その後,自分が学んだことを生かし,超音波のボードやジャイロセンサーのボード,各制御ボードなどを作製していった.
正直なところ一つの基盤を作るのに二週間かかったり,何回もしょうもないミスをしたり,ドリルを折ったり,加工機を故障させたりもした.
でも,そのたびに自分で原因をつきとめ,自分に原因があるなら改善を,加工機に原因があれば修理を行った.
そのおかげで,十分に加工機を使えるようになり本番で審査員特別賞を獲得したあの大量のLEDを点灯させるボードを作製することができた.
今考えると加工機に頼りすぎたせいで余計に作業の効率が悪くなったのかもしれないと少し反省しているが,
今までやってきたこと全てが無駄だったわけではないと思っている.
僕たちは本番当日では全く動かないという残念な結果になってしまったが僕たちがMIRSで経験したこと,やってきたことを
後輩たちに引き継ぐことで将来,MG3を攻略することのできるチームが現われてくれることを願う.
塚本 優
2班には様々な問題が発生し、その度に頭を悩ませてきましたが、それが自分の力になったと実感しています。
私はソフトでしたが、ソフトだけでなく、エレキ、メカで発生した問題も一緒に考えることで、
ソフトと連動した対策を導くことができました。
また、ソフトだけでなく他の分野にも知識を広げることができました。
このようなトラブルシューティングは就職してからも必ずあると思います。
mirsは座学では学ぶことができない、実践的な思考力を身につけることができました。
しかし2班は、シーソーでさえクリアできませんでした。
多くの問題が発生し、なかなか解決できず、徐々に時間がなくなり、十分な動作試験を行うことができませんでした。
これは自分たちの力不足であり、将来への危機感を持ちました。
同時に向上心を持つようになりました。
これから社会に出る前にできる限りのことを吸収しなくてはいけないと思いました。
mirsの授業自体はまだ問題点がありそうです。
もっと先生と話し合い、全員が参加出来るような環境を作るべきです。
またスケジュール管理を徹底したほうがいいと思います。
原川 義樹
今回のMIRSは夏休み明け駆動系の形が大体出来上がるところでモチベーションが落ちてしまったことが悔やまれます.
夏休み明けに完成したシャーシが届き,10月末に足回りが大幅完成するまでは順調に進んでいました.
そこで走行試験をして足りないところを修正したいと思った中,ボードの不具合などでできなかったということで
モチベーションが落ちてしまったというのがあります.
ボードの修理を手伝うなど問題解決にもっと積極的になれれば競技会当日までにもっとしっかりとしたMIRSを作り上げられたと思います.
夏休みの集中講義の後から何日もかけて自分の仕事をやったのと同じようにほかのところの仕事もできればというのが今回の反省です.
これから何か作るときにこの反省をしっかり生かせるようにしたいです.
馬飼野 裕貴
1年間のMIRS作成を通して,計画的に作業を進めていくことが大切だと感じた.
前期のMIRSでは,標準機が動かなくてもいつか治るだろうとあまり熱心に取り組んでいなかった.
しかし,後期になってもMIRSは動かず,ハードの改造はシャーシの小型化と足回りの改造のみであった.
エレキに関して言えば,LED作成のみである.自分の班のMIRSは特に基盤や素子での不調が多かったと自分では感じた.
そのおかげで,トラブルシューティングには強くなったと思う.全体を通して,一年間のMIRSの取り組みはとても楽しかった.
このトラブルシューティングの経験を生かして行きたいと思う.
吉田 亮太
沼津工業高等専門学校 電子制御工学科