名称

MIRS0902 システム基本設計書

番号

MIRS0902-DSGN-0002


版 数 最終更新日 作 成 承 認 改 訂 記 事
A01 2009.10.3 佐藤 初版
A02 2009.10.5 佐藤 第二版 画像追加
A03 2009.10.5 佐藤 第三版 改訂
A04 2009.10.19 佐藤 第四版 改訂


0. 目次

0.目次
1.本ドキュメントについて
2.システム概要
3.システムの詳細
3.1.メカ
3.2.エレキ
3.3.ソフト
4.各要素への対策

1. 本ドキュメントについて

本ドキュメントは,システム提案と独自のシステム要求仕様書を基に ,MIRS0902のシステムを記したものである.

2. システム概要

本(MIRS0902)システムは,MIRS競技会においてMIRS本体(以下,機体とする)をゴールへ迅速に導く為のものである.
概要として,カメラ,複数のセンサーなどを用いて機体をゴールへ導くシステムである.
また,このシステムを構築するにあたり,機体やプログラムにおいて,いくつかの要件を満たす必要があると考えた.
その要件を以下に示す.
MIRS0902 システム要求仕様書(pdf版)

以下に本システムで採用した,新たな機能を記した.
a.意志表示機能
b.移動検知機能
c.自動行動記憶機能
d.障害物検知機能
e.低重心フレーム
これらの詳細については [3.システムの詳細] で記した.
また,自動行動記憶機能においては移動検知システム,走行制御プログラム
統合プログラムを組み合わせて構築するものとする.

3. システムの詳細

まず,このシステム基本設計書は,現時点で確定している仕様について記したものである.
今後,システムを構築していくにあたり,若干の変更が加えられる可能性がある.
[マネージャとして,班員の持つ技術的力量から判断し,仕様を削る可能性もあるということである(その反対もありえる)]
以下に,システムの詳細をハードウェア,ソフトウェアに分けて記すこととした.
なお,本文章では便宜上,ハードウェアを[エレクトロニクス],[メカトロニクス]に分けて記した.(以下[エレキ][メカ])

3.1. メカ

本システムのメカトロニクスの詳細を以下に示す.
本システムでは,主に3つの特徴をメカに持たせることとした.
以下にその3つの特徴を記した.

a. サスペンションの装着
スタビライザー付きのサスペンションを取り付けることにより
安定性の向上及び,段差とシーソーのクリアを図る.
以下にその画像を添付する.
sus_img

b. タッチセンサーの改良
既存のタッチセンサーの数を増やし(1つ->3つ),障害物の方向を大まかに把握できるようにする.
それにより,非常時(はまり現象発生時など)に脱出を容易とする.
また,意図しない方向に進んでしまった場合などにも活用する.
これを,「障害物検知機能」と名付けることとする.
以下にその資料画像を添付する.
touch_img

c. 構造変更
既存のボード配置を変更することとする.
これにより,重心が低くなり,機体の安定性向上が見込まれる.
他にも,ボード上のスペースが広くなったため,他の回路を追加する事が容易となる.
また,超音波センサの精度向上も見込める.
以下にその資料画像を添付する.
board_img

3.2. エレキ

本システムのエレクトロニクス部の詳細を以下に示す.
本システムでは,主に2つの特徴をエレキに持たせることとした.
以下にその2つの特徴を記した.

a. システム状態の視覚化(意志表示システム)
システムの状態を視覚化するために,複数個のLEDを搭載する事とした.
FPGAの出力を使用し,MIRSソフトウェア上からの出力を,LEDに出力する.
これにより,デバッグの容易化,競技中でのシステム状態の把握を可能とする.
これを,MIRSの「意志表示機能」と名付けることとする.
以下に,資料画像を添付する.
led_img

a. 移動検知システムの搭載
競技中,MIRSの状態を把握するにあたって,カメラ,その他センサーのみでは
移動に十分な情報を得られないと判断し,移動検知システムを搭載する事とした.
このシステムは,主にマウスのボールを用いて構成される.
また,時間的余裕があれば,3軸ジャイロセンサを用いる可能性もある.
本システムを搭載する利点としては,以下の2つがある.
@.正確な移動量の計測により,移動誤差を減らす事が可能である
A.モーターの運動量を相対的に計測出来るため,より正確なフィードバック制御が可能である

以下に,本システムの資料画像を添付する.
idou_img

3.3. ソフトウェア

本システムのソフトウェアの詳細を以下に示す.
本ソフトウェアシステムでは,既存の標準ソフトウェアを改造する方法をとりながら
原則として,1から全て打ち直す事とした.
そのような開発をする意味としては,既存ソフトウェアのバグが多い事,
ドキュメントが不足しているために,動作原理がわかりずらく,バグの切り分けがし難い.
その為,自分たちで開発したほうが分かりやすく,早く開発できると判断したためである.
また,デバイスドライバにおいては,原則として既存のものを使用する.

自らソフトウェアを作る上で,開発しなければならないプログラムと詳細を以下に記した.

a. 走行制御プログラム
既存のソフトウェアを参考に,移動検知システムとの同期プログラムの追加し
移動関数の追加,積極的なマルチスレッドプログラムとする.

b. カメラ制御
OpenCVを用いた数字認識に関しては,武が新規開発したプログラムを元に改造を行う.
更なる高速化,検出率の向上などを目指す.

c. センサー値取得
超音波センサの値取得に関しては,値のばらつきを考慮し,平均値を求める関数を追加
さらに,移動検知システムからのデータを検出する関数を追加する.

d. 統合プログラム
統合プログラムにおいては,武が担当する事となっている.
すべてのモジュール(モータ,カメラ,センサー)がある程度動作するようになってから
実装をする予定である.
現時点では完全な構想は練られていないが,移動検知システムとの兼ね合いが重要になると思われる.
また,仮想マップを作成する計画も考えている.

4. 各要素への対策

ここでは,MIRS競技会の各要素へのアプローチの仕方を示す.
基本的には,システム提案書から大きな変更はないが,これが最終版というわけではない.

a. Direction Board
まず,MIRS下部に取り付けられた白線センサを用いて,DirectionBoardまでの距離を計測する.
次に,独自アルゴリズムを用いて,数字を認識する.
b. ロータリー
まず,ロータリーに侵入後,真ん中の棒にタッチするまで直進を行う.
その際,強い衝撃を避けるため,ある程度の距離まで進んだら,低い速度で進ませる
その後,きめられた距離まで後退し,ロータリー内を円を描くように走行する.
出口の探索には,超音波センサを用いて距離を計測し,行う.
c.小部屋
まず,小部屋に侵入した事を,超音波センサにて検出し,壁伝いに進んでいく方法で検出する.
タッチセンサを積極的に用いて壁を判別する.
d.シーソ・ステップ
車輪に取り付けられた,金属球により,車輪のストロークを稼ぎ,クリアを狙う.
e.鍵,DOOR
カメラによって,鍵取得モードに切り替え,赤外線サーチを行いながら鍵を目指す.
その後,扉があくと思われるまでWaitを入れ,反転してドアへ向かう.


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