沼津高専 電子制御工学科 | |||||||
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改訂記録 | |||||||
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版数 | 作成日 | <作成者 | 承認 | 改訂内容 | 提出先 | ||
A01 | 2006.3.20 | 長澤 | 長澤 | 初版 | |||
A02 | 2006.3.29 | 長澤 | 長澤 | 作業工程のグラフのサイズ修正 |
年度 | 授業科目名 | 学年 | 学期 | 単位 | 備考 |
98 | 電子機械設計製作I | 4 | 前期 | 2 | |
99 | 電子機械設計製作II | 4 | 後期 | 3 | |
99 | 電子機械設計演習 | 4 | 前期 | 1 | 夏季集中 |
設計・開発の重要な要素のひとつにコスト意識がある。現実に開発費や製品の原価の意識の無い設計はありえない。JABEEの言う「デザイン能力」においてもコスト意識が重要視されている。今年度は、コストを意識させるために、発注部品費に制約を設け、部品の発注時に価格の調査させる等を指示した。また、完了報告書に工数の積算と開発に要した部品費の総計を記載するように指示した。
前者は、高度な回路技術が必要のため実現はかなり難しいと予想された。しかし、NTSC信号の仕様やAD変換技術についての知識を得られることになるので、たとえ実現できなくとも開発を行わせた。2チームがこの方法に取り組んだが、結局、完成させることはできなかった。
後者は、白線検出技術の延長なので比較的容易に実現できる。3チームがこの方法に取り組み、完成度に違いはあったもののポスト番号の認識に成功している。
5斑以外は、概ね成績や意欲の程度が分散する斑員構成となった。5斑は完成度が心配されるメンバー構成となった。予想通り5斑のマシンの完成度は高くは無かったが、パレートの法則とおり約2割の者が意欲的に取り組み、2割の者がお荷物だったようだ。このメンバーが分散したとき、そのチームで活躍できたかどうかを推測するとこの試みは成功だったかもしれないが、あくまで推測なのでここでは結論を出さずにおく。
作業は標準機製作の段階で大幅に遅れてしまった。下図はマイルストーン毎に予定日と実施日をプロットしたものである。
プロット点は順に下記の通りである。
標準機の製作が遅れた原因としては、新モータ制御ボードの不具合に伴い旧版を作り直したこと、および制御パラメータの同定に多くの時間を要したことが挙げらられる。
番号 | 実施項目 | 予定日 | 実施日 |
1 | 授業開始 | 4/12 | 4/12 |
2 | 標準機動作試験 | 5/31 | 7/15 |
3 | システム提案 | 6/21 | 7/22 |
4 | 開発計画策定 | 6/28 | 7/31 |
5 | 基本設計完 | 7/12 | 9/1 |
6 | 詳細設計完 | 9/20 | 10/28 |
6 | プレ競技会 | 12/2 | 12/27 |
6 | 競技会 | 2/3 | 2/3 |
次に全員の作業記録をもとに作業工数の分析を行った。作業記録の精度については以前から問題になっているが、以下に示すような正確に記録されていたとは思えない記録が多々見られた。
作業記録の問題点。
総授業時間 | 総時間外作業時間 | 総作業時間 | 総作業時間/総授業時間 |
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3267 | 5790 | 9057 | 2.77 |
表から全作業時間は授業時間の約2.8倍であることがわかる。これは1大学単位の時間配分(30時間の授業に対し15時間の自習)に対し大幅に超過している。MIRS98の報告の1.59倍に対しずいぶん多くなっている。懸案の時間外作業が多いという問題は一時鎮静化したように見得たが、カリキュラムの一年化に伴い、再燃した様に思える。ただし、時間のわりには、マシン尾の完成度が低いことに、その他の問題があることが示唆される。また、個人別に見るとかなりのばらつきがあり特定の学生の頑張りに頼っていることは否めない。今後作業量を平均化するなんらかの工夫が必要と思われる。
発注伝票のフォーマットや発注の流れなど発注に関する体系が整備できず、また購入仕様書の作成も不十分であったので、発注段階でのコスト意識は十分に教育されなかった。完了報告書に、工数分析と部品費の積み上げを記載してもらったが、いずれのチームも積算しただけで分析がなされていない。教員も学生も、競技会の終りが授業の終りと考えてしまいがちで、最後の詰めが甘くなる傾向にあるので、次年度は注意されたい。
費目 | 計 | 備考 |
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部品 | 89,674 | IC、ソケットタイヤ、蝶番、アルミ材など |
工具 | 24,258 | ドライバ、ニッパーなど |
消耗品 | 60,156 | ドリル刃、ボンド、テープ、半田など |
その他 | 6,709 | 賞状、部品送料など |
合計 | 180,797 |
消耗品のなかで大きな割合を占めるのが基板削りだし機のミリングカッターやドリル刃である。やむをえない。
競技会の開催は、実行委員会を組織してその開催に当たった。昨年の反省に基づき、今年度はリーダーシップを取れることを留意して実行委員長を選出した。昨年は、競技会の運営がもたつき、観客がざわつく場面が多かった。本年度は、その点が改善され競技会は、手際よくスムースに運営された。
また、開始前の各チームのプレゼンテーションも非常に良く工夫されていた。惜しむらくは、ポストを獲得できたチームが2チームのみであったことが、非常に残念である。
前期と後期の期末に、ほぼ同じ内容の筆記試験を行った。内容はごく基本的なもので、最低限これだけは知っておいて欲しいというものである。前期の試験は、惨澹たる結果であった。自分たちが使用するCPUを知らない。FPGAを知らない。OSを知らない。センサの原理を知らない。いずれも、自分たちが作ろうとするマシンに必要不可欠な事項である。いかに傍観的な立場で授業に臨んでいるかが伺われる。また、自分の担当を勝手に線引きしていることも推測できる。後期は同じ内容と宣言して試験を行ったので、図に見られるようにほぼ全員がよい点を取っている。身に付いた知識ではなく試験に備えて覚えてものであろうが、それも良しとしよう。
最終評価は提出ドキュメントの内容、各動作試験の成績、競技会成績から決まるチーム点と作業記録、筆記試験、チームに対する貢献度できまる個人点から算出される。下表は配点とチーム点である。
電子機械設計製作I(前期) | ||||||
チーム点 | 個人点 | |||||
項目 | 標準機 動作試験 | システム 提案書 | 基本 設計書 | 作業記録 | 口頭諮問 | 筆記試験 |
配点[%] | 20 | 10 | 20 | 20 | 10 | 20 |
電子機械設計製作I(前期)チーム点 | |||
チーム名 | 標準機 動作試験 | システム 提案書 | 基本 設計書 |
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満点 | 100 | 100 | 100 |
MIRS0501 | 84 | 85 | 85 |
MIRS0502 | 96 | 95 | 95 |
MIRS0503 | 80 | 95 | 90 |
MIRS0504 | 86 | 80 | 90 |
MIRS0505 | 80 | 75 | 85 |
電子機械設計製作II(後期) | ||||||||
チーム点 | 個人点 | |||||||
項目 | 詳細設計 | 統合試験 | 競技会 Presentation | 競技会成績 | 完了報告書 | 作業記録 | 貢献度 | 筆記試験 |
配点[%] | 20 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 20 |
電子機械設計製作II(後期)チーム点 | |||||
チーム名 | 詳細設計書 | 統合試験 | 競技会 Presentation | 競技会 成績 | 完了報告書 |
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満点 | 100 | 100 | 10 | 10 | 100 |
MIRS0501 | 85 | 85 | 8 | 9 | 80 |
MIRS0502 | 90 | 100 | 10 | 10 | 95 |
MIRS0503 | 95 | 80 | 8 | 8 | 90 |
MIRS0504 | 90 | 80 | 8 | 8 | 80 |
MIRS0505 | 80 | 80 | 8 | 7 | 75 |