沼津高専 電子制御工学科 | ||||||
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改訂記録 | ||||||
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版数 | 作成日 | 作成者 | 承認 | 改訂内容 | ||
A01 | 2002.12.11 | 小野田 | 山田 | 初版 |
(1) | 超音波の性質 | ||
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(2) | 超音波の指向特性と反射特性 | ||
超音波は、トランデューサから一定の広がりを持ってビーム状に発射される。 そのビームの形状を超音波トランデューサの指向性と言う。 市販されている超音波トランデューサの指向性は、それ程鋭くなく、半値角として 20º〜 30º程度の広がりを持つ。 超音波センサの指向性が広いと、センサによって計測された対象物体の形はかなりボケたものになる。 すなわち、超音波センサは、距離方向の分解能はよいが、横方向の分解能はよくない。 この指向性を改善する方法として、トランデューサにホーンアンテナを取り付ける手段がある。 アンテナには一般に指向性を鋭くすると同時に、中心方向のゲインをかせぐという利点がある。 ただし、ホーンアンテナの設計を理論的に行なうことは難しいので、ある程度の試行錯誤によってホーンの形を決める必要がある。 fig2 超音波の広がり ホーンの設計例を示す。 fig3 ホーンの設計例 超音波のような波が対象物に当たった場合、対象物が凹凸のある表面を持っていたとするならば、超音波は散乱しあらゆる方向に反射波が進んでいく。 しかし鏡面を持っていたとすると入射角と反射角の関係から反射波は反射角の方向にしか観測されない。 センサに対して斜めの鏡面は観測されにくいと思われる。超音波にとってどの程度までが散乱面なのかは波長 λ から知ることが出来る。 以下にその関係式を示す。 v = λ f
ここで 20 ºCの空気中の音の伝搬速度を求めると、v = 343.5
超音波の周波数を 40 KHz として波長 λ を求める。λ = v ÷ f = 343.5 ÷ 40K = 8.6 [mm]
以上の結果により、対象物の凹凸が約 8.6 [mm] 以上の場合には散乱面とみなされる。 |
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(3) | 超音波トランデューサ | ||
電気信号を超音波に変えて空気中に発射する超音波スピーカ(送波器)と 空気中を飛んできた超音波を受けてそれを電気信号に変換する超音波マイクロホン(受波器)を 合わせて超音波トランデューサと言う。 音は空気の振動であるから超音波トランデューサは、電気信号を機械的振動に変えたり、その逆の役割も果たす。 これらの電気振動変換素子は原理的には一つの素子が送波器にも受波器にも働くが送波と受波では空気の振動振幅にも大幅に異なり、 しかもインピーダンスを変えたほうが効率がよいので別個のトランデューサを利用するのが普通である。 fig4 超音波トランスデューサー |
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(4) | 回り込み波対策&短距離・長距離検出 | ||
超音波センサは、人間の聴覚器官では聞き取る事のできない、高周波も受信するので、わずかな雑音や振動も感知してしまう。 そこで、この回り込み波対策の例として2つを示す。
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(1) | 超音波センサ回路の原理 | ||
fig9 超音波センサ回路の原理 |
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(2) | 超音波センサ回路構成 | ||
fig10 超音波センサ回路構成 fig10の構成による、各部の波形の例がfig4である。 実際には反射波は物体の形によりエコーして残るが、この回路では反射波の先頭だけを検出して、最も近い所からの反射時間をはかる。 fig10では発振器を使用しているが発振波形でなく一発の高圧パルスで超音波スピーカを駆動することもある。 fig11 超音波波形とタイミング fig12 超音波送波回路例 ハードウェアタイマー 超音波センサでは、1 [μs] を 0.17 [mm] に換算する。 したがって、ソフトウェアタイマの 1 回のループに用する時間を 10 [μs] とすると、CPU はこの間他の処理ができない。 ハードウェアタイマを用いれば、その間も他の処理を行うことができる。 ハードウェアタイマとしては、それぞれの CPU に周辺 LSI として準備されているタイマ用 IC を使うのが簡単である。 クロック発生回路とマイコンから読むことのできるカウンタ回路を構成すればそれで充分である。 |
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(3) | 超音波センサ利用上の注意 | ||
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構造 | 送信・受信専用 (R:受信用 S:送信用) |
品名 | MA40B5R/S |
特徴 | 凡用・広帯域 |
公称周波数 | 40kHz |
感度 | −47dB以上 |
音圧 | 112dB以上 |
指向性(半域全角) | 50º |
静電容量 | 2000pF |
分解能 | 9 |
検知距離 | 0.2〜6.0m |