沼津高専 電子制御工学科
システム統合試験仕様書
MIRS0202-DSGN-0005
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2003.11.6 山田 岩城 初版
A02 2003.11.11 笹川、山田、若林 岩城 試験方法を明確にし、試験の合格基準を追加した。

1.目的

本ドキュメントは、MIRS0202のシステム統合試験を行う際に必要な事項について述べる。

2.試験器具

  1. MIRS
  2. MIRSサーバ
  3. ディスプレイ
  4. キーボード
  5. メジャー
  6. 赤外線発信器  
  7. ポスト  
  8. 競技場マット

3.試験方法

    1. 実機上でのコンパイル方法

      • MIRSとPCをEtherNetケーブルで学内ネットワークに接続する。また、キーボードとCRTをMIRSに接続する。電源を投入する。
      • PCからMIRSにroot権限でログインする。

          login: root			
          
          Password: *******		
          

      • コンパイル時に用いる大量のヘッダファイルはサイズが大きくフラ ッシュディスク(64MB)にはいりきらない。
        そこで、mirsサーバにある必要なディレクトリをNFSマウント(NFS:ネットワーク ファ イル システム)を行い、その後プログラムをコンパイルする。
      • サーバをNFSマウントする。
          # /usr/bin/usr_mount	牛丸研究室にあるMIRSサーバ上のライブラリをNFSマウントする。
          

      • /home/atlmirs/testprogramにあるCソースをコンパイルする。スクリプトを組み、一つのコマンドでコンパイルできるようにする。
      • ※各センサ試験用のテストプログラムは/home/atlmirs/testprogramにある。

    ※コンパイルしてできた実行ファイルを実行するのだが、ハードウェアに直接アクセスすることはroot権限でないと出来ない。
  1. センサ試験

      各センサの動作確認のために、MIRSにCRTを接続する。
    1. 試験に必要なカーネルモジュールが組み込まれているか確認する。
        # lsmod		組み込まれているカーネルモジュールの確認
        
    2. 赤外線センサ機能試験
      ・テストプログラムを実行する
        赤外線センサテストプログラム(irs_test)
      $cd /home/atlmirs/testprogram	ディレクトリの移動
      
      # ./irs_test			赤外線センサ:テストプログラムを実行
      
      # 1				READモード
      

      ・試験方法

        平らな面にMIRSとその前方にポスト(赤外線発信機)置き、MIRS0202の赤外線受信部に向けて赤外線を発信する。
      ・合格基準
        ポストの赤外線発行装置から左右に45度(合計90度)の範囲で、15センチの距離でパターンを判別が可能かどうか。
        また、ポストの番号の識別がどの位置においても可能であるか。

    3. 超音波センサ機能試験
      ・テストプログラムを実行する
        超音波センサテストプログラム(uss_test)
      $cd /home/atlmirs/testprogram	ディレクトリの移動
      
      # ./uss_test		超音波センサ:テストプログラムを実行
      

      ・試験方法
        MIRSを平らな面におき、センサの前方にアクリル樹脂板を床に垂直に立て、MIRSとの距離を0.2mから1.8mまで0.2m刻みで移動させ、距離を測定する。
      ・合格基準
        それぞれの地点での測定値とMIRS-樹脂板間の距離との誤差が±5cm以内であるかどうか。

    4. タッチセンサ機能試験
      ・テストプログラムを実行する
        タッチセンサテストプログラム(wls_ts_test)
      $cd /home/atlmirs/testprogram	ディレクトリの移動
      
      # ./wls_ts_test		タッチセンサ:テストプログラムを実行
      

      ・試験方法
        MIRSを平らな面におき、バンパーの上から指でセンサを押す。
      ・合格基準
        全てのセンサに関し、押されたことを確認できるか。

    5. 白線センサ機能試験
      ・テストプログラムを実行する
        白線センサテストプログラム(wls_ts_test)
      $cd /home/atlmirs/testprogram	ディレクトリの移動
      
      # ./wls_ts_test		白線センサ:テストプログラムを実行
      

      ・試験方法
        MIRSを平らな面におき、それぞれの白線センサについて、受光部に白い紙をかざす。
      ・合格基準
        全てのセンサについて、白線(白い紙)を感知したことを確認できるか。
  2. 駆動部機能試験

    1. ロータリーエンコーダ試験
      ・テストプログラムを実行する
        ロータリーエンコーダテストプログラム(enc_test)
      $cd /home/atlmirs/testprogram	ディレクトリの移動
      
      # ./enc_test			ロータリエンコーダ:テストプログラムを実行
      

      タイヤを指で回転させ、実際に回転させた量と、CRT上に表示されている量との誤差が、5%以内であること。
    2. 直進試験
        直進試験プログラム(pwm_enc_test)
      50,100,150,200cmの直進試験それぞれに対する実測値との誤差を調べ、それが50cmあたり3cm以内の誤差であるか。

    3. 回転試験
        回転試験プログラム(pwm_rotate)
      タイヤを宙に浮かせた状態で180,360,540,720度の右および左回転をさせ、誤差が180度あたり5度以内であるか。

        $cd /home/atlmirs/pwm_enc	ディレクトリの移動		
        
        
        # ./pwm_enc_test		直進:テストプログラムを実行
        
        
        # ./pwm_rotate		回転:テストプログラムを実行
        

  3. 動作試験

    以下に示す動作が正しく行われることを確認する。
    各テストプログラムは/home/atlmirs/testprogram/にある。

    1. 後進中に、白線を感知したら停止
      ・試験方法
        Mirs0202本機(以下本機で略す)の後方に白線を用意する。
        テストプログラムtest01を実行する。
        本機が後進し、白線センサWLS0,4の両方のセンサの下に白線が来た時、しっかりと停止できるか確認する。
      ・合格基準
        本機のLS0,4の両方のセンサの下に白線が来た時、それを感知し停止すること。

    2. 白線に沿いながら前進する
      ・試験方法
        本機を、白線センサWLS0,1,2が白線を感知できる状態に置く。
        この状態でテストプログラムtest02を実行する。
        本機が白線に沿いながら前進できるかを確認する。
      ・合格基準
        白線に沿って前進できること。白線からそれてしまった時には、白線に復帰できること。

    3. 前進中に超音波センサUSS2が超音波でポストを感知したら停止
      ・試験方法
        本機より前方進行方向に対して右側の位置にポストを置いて、本機を待機させておく。
        テストプログラムtest03を実行する。
        本機が前進し、超音波センサUSS2で右側のポストを感知し停止できるか確認する。
      ・合格基準
        ポストからの距離が1mの位置から、前後に20cmの範囲内で、ポストを感知して停止すること。

    4. ポストにぶつかったら停止
      ・試験方法
        本機の進行方向前方にポストを置く。
        テストプログラムtest04を実行し、本機を前進させる。
        ポストにぶつかったことをタッチセンサが感知し、停止することを確認する。
        ポストにぶつかる角度を変化させ、すべてのタッチセンサについて同様に動作することを確認する。
      ・合格基準
        タッチセンサTS0〜5のどれにぶつかっても停止すること。

    5. 赤外線を感知したら停止
      ・試験方法
        ポストを一つ用意し、赤外線を発信させる。
        テストプログラムtest05を実行し、本機を前進させる。
        ポストの前を本機が横切るとき、赤外線を感知して停止するかを確認する。

      ・合格基準
        ポストの赤外線発信機と本機の受信機との距離が20cm以内の場所で、停止できること。


関連文書
  1. MIRS 環境設定マニュアル
  2. MIRS 総合試験報告書