沼津高専 電子制御工学科 | |||||||
| |||||||
改訂記録 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
版数 | 作成日 | 作成者 | 承認 | 改訂内容 | |||
A01 | 2002.12.16 | 岩崎 | 今村 |
初版 |
システム主要構成部品のひとつである赤外線センサについてその基本性能及び特性を調査、理解し、MIRSにおける利用方法を検討する。
量子型
フォトンを吸収しキャリアを励起することによって直接赤外線を検出するセンサである。このセンサは後に述べる熱型センサより100〜1000倍の検出能力を持つが、動作温度が低いため通常は液体窒素などで冷却の必要があるため、MIRSでの利用は望めない。
熱型
エネルギー吸収による温度変化を利用するもの。素子としては、熱電対サーミスタ・ボロメータ、焦電型素子などがある。特に焦電型素子は比較的感度が高く、構造が簡単なのでよく用いられる。
◎赤外線センサの利点は、主に”赤外線は可視光線に比べて空気中の透過率が高い”ということ。(しかし、波長によっては透過率が低い赤外線もある)
赤外線LED TLN105B
◎特徴 ・放射強度が大きい。
・指向特性が広い。
・光出力の直線性が良く、パルス動作、高周波による変調が可能。
理論値による指向特性
2,赤外線受信機の指向特性について
性能
赤外線受信機は、受信した光の強度を測定できないため、送信機と受信機の間の距離を知ることは出来ない、つまり、得られる情報は少ないのである。 図1に示す送信機を用いて、図2の光学系においてリモコンセンサの出力信号が下記の各項目を満足すること。
直線受信距離特性
図2において、L=0.2〜5m、Ee<10lx(※3)、φ=0°のとき、出力信号が1ー4項の電気的特性を満足すること。
指向角受信距離特性
図2において、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ≦30°、Y方向θ=0°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。
又、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ=0°、Y方向θ≦15°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。
※3) 受光面照度を示す。
図1 送信機 |
図2 光学系 |
理論値による赤外線受信機の指向特性
1−6 指向角特性
X方向特性 |
Y方向特性 |
項 目 | 記号 | 定格 | 単位 |
直流順電流 | IF | 100 | mA |
直流順電流低減率(Ta>25℃) | ΔIF/℃ | -1.33 | mA/℃ |
パルス順電流 | IFP(注) | 1 | A |
直流逆電圧 | VR | 5 | V |
許容損失 | PD | 150 | mW |
動作温度 | Topr | -20〜75 | ℃ |
保存温度 | Tstg | -30〜100 | ℃ |
項目 | 記号 | 測定条件 | 最小 | 標準 | 最大 | 単位 |
順電圧 | VF | IF=100mA | --- | 1.35 | 1.5 | V |
逆電圧 | IR | VR=5V | --- | --- | 10 | μA |
放射強度 | IE | IF=50mA | 12 | 20 | --- | mW/sr |
光出力 | PO | IF=50mA | --- | 11 | --- | mW |
端子間容量 | CT | VR=0,f=1MHz | --- | 20 | --- | pF |
ピーク発光波長 | λP | IF=50mA | --- | 950 | --- | nm |
スペクトル半値幅 | Δλ | IF=50mA | --- | 50 | --- | nm |
半値角 | θ1/2 | IF=50mA | --- | ±23.5 | --- | ° |
波長特性(標準値)(IF=50mA,Ta=25℃) |
|
定格及び特性
構成図 |
項目 | 記号 | 定格値 | 単位 |
電源電圧 | Vcc | 0〜6.0 | V |
動作温度 | Topr | -10〜+60 ※1 | ℃ |
保存温度 | Tstg | -20〜+70 | ℃ |
保存温度 | Tsol | 260 ※2 | ℃ |
項目 | 記号 | 動作条件 | 単位 |
電源電圧 | Vcc | 4.7〜5.3 | V |
項目 | 記号 | MIN | TYP | MAX | 単位 | 備考 |
消費電流 | Icc | --- | 2.8 | 4.5 | mA | 入力光なし、出力端子OPEN |
ハイレベル出力電圧 | VOH | Vcc-0.2 | --- | --- | V | ※2,出力端子OPEN |
ローレベル出力電圧 | VOL | --- | 0.45 | 0.6 | V | ※2,プルアップ抵抗kΩ |
ハイレベルパルス幅 | T1 | 400 | --- | 800 | μS | ※2 |
ローレベルパルス幅 | T2 | 400 | --- | 800 | μS | ※2 |
B.P.F.中心周波数 | f0 | --- | 38 | --- | kHz |
バースト波 |
ノイズ対策(符号化信号の利用)
過去のMIRSでは、外部光(日射、ライト)によるノイズにより赤外線の誤認識する場合があった。符号化信号を利用すれば、そのようなノイズを確実に処理することが可能である。
信号処理の方法
・符号化信号を平滑化するまえの信号をFPGA内のメモリに記憶させて、RT-taskにより定期的にそのデータを取り出し、
規定のパターンと一致してるかを確認する。
・符号化信号を平滑する段階で、信号パターンが規定のコードと一致してるかを
ハードウェア的に認識させ、一致していた場合のも、その後の処理を行うようにさせる。