熱型
エネルギー吸収による温度変化を利用するもの。素子としては、熱電対サーミスタ・ボロメータ、焦電型素子などがある。特に焦電型素子は比較的感度が高く、構造が簡単なのでよく用いられる。
量子型
フォトンを吸収しキャリアを励起することによって直接赤外線を検出するセンサである。MIRSでは赤外線は熱を発しなくて、赤外線の光のみの信号伝達なので、量子型である。
◎赤外線センサの利点は、主に”赤外線は可視光線に比べて空気中の透過率が高い”ということ。(しかし、波長によっては透過率が低い赤外線もある
赤外線送信機の指向特性について
理論値による指向特性
(標準値、Ta=25℃において)
|
赤外線受信機の指向特性について
性能
赤外線受信機は、受信した光の強度を測定できないため、送信機と受信機の間の距離を知ることは出来ない、つまり、得られる情報は少ないのである。
図1に示す送信機を用いて、図2の光学系においてリモコンセンサの出力信号が下記の各項目を満足すること。
直線受信距離特性
図2において、L=0.2〜5m、Ee<10lx(※3)、φ=0°のとき、出力信号が3-5 電気的特性を満足すること。(この範囲のときこの電気的特性を満足することが条件であり、この範囲でしか受信できないわけではない点に注意)
指向角受信距離特性
図2において、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ≦30°、Y方向θ=0°のとき3-5 電気的特性を満足すること。
又、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ=0°、Y方向θ≦15°のとき3-5 電気的特性を満足すること。
※3) 受光面照度を示す。
|
図1 送信機 |
|
図2 光学系 |
理論値による赤外線受信機の指向特性
1−6 指向角特性
|
X方向特性 |
|
Y方向特性 |
- 使用素子
・<発光側>赤外線LED TLN105B
◎特徴
放射強度が大きい。
指向特性が広い。
光出力の直線性が良く、パルス動作、高周波による変調が可能。
・<受光側> SHARP IS1U60
- 発光側の定格及び特性
- 外観
fig4 発光側LED外観図 |
- 最大定格
最大定格(Ta=25)
項 目 | 記号 | 定格 | 単位 |
直流順電流 | IF | 100 | mA |
直流順電流低減率(Ta>25℃) | ΔIF/℃ | -1.33 | mA/℃ |
パルス順電流 | IFP(注) | 1 | A |
直流逆電圧 | VR | 5 | V |
許容損失 | PD | 150 | mW |
動作温度 | Topr | -20〜75 | ℃ |
保存温度 | Tstg | -30〜100 | ℃ |
(注)パルス幅≦100μs、繰り返し周波数=100Hz
- 電気的特性
電気的特性(Ta=25℃)
項目 | 記号 | 測定条件 | 最小 | 標準 | 最大 | 単位 |
順電圧 | VF | IF=100mA | --- | 1.35 | 1.5 | V |
逆電圧 | IR | VR=5V | --- | --- | 10 | μA |
放射強度 | IE | IF=50mA | 12 | 20 | --- | mW/sr |
光出力 | PO | IF=50mA | --- | 11 | --- | mW |
端子間容量 | CT | VR=0,f=1MHz | --- | 20 | --- | pF |
ピーク発光波長 | λP | IF=50mA | --- | 950 | --- | nm |
スペクトル半値幅 | Δλ | IF=50mA | --- | 50 | --- | nm |
半値角 | θ1/2 | IF=50mA | --- | ±23.5 | --- | ° |
- 波長特性
(標準値、IF=50mA、Ta=25℃において)
fig5 波長特性グラフ |
- 製作における注意
- リードフォーミングは、リード線のストッパ部より先端部分で、素子に跡が残らないように曲げ、その後に半田付けする。
- 半田付けは、リード線のストッパ部より先端部分で行う。
- 半田付けの温度は、260℃以下。時間は5秒以下とする。
- 受光側の定格及び特性
- 外観
fig6 センサ外観 |
- 構成図
fig7 センサ構成図 |
- 絶対最大定格
項目 | 記号 | 定格値 | 単位 |
電源電圧 | VCC | 0〜6.0 | V |
動作温度 | Topr | ※1 −10〜60 | ℃ |
保存温度 | Tstg | −20〜70 | ℃ |
半田温度 | Tsol | ※2 260 | ℃ |
※1 結露なきこと。 ※2 樹脂端面より下部の位置で5秒間
- 推奨動作条件
項目 | 記号 | 動作条件 | 単位 |
電源電圧 | VCC | 4.7〜5.3 | V |
- 電気的特性
項目 | 記号 | 最小 | 標準 | 最大 | 単位 | 備考 |
消費電流 | ICC | − | 2.8 | 4.5 | mA | 入力光なし、出力端子OPEN |
Hレベル出力電圧 | VOH | ICC−20 | − | − | V | ※3、出力端子OPEN |
Lレベル出力電圧 | VOL | − | 0.45 | 0.6 | V | ※3、プルアップ抵抗2.2kΩ |
Hレベルパルス幅 | T1 | 400 | − | 800 | μs | ※3 |
Lレベルパルス幅 | T2 | 400 | − | 800 | μs | ※3 |
B.P.F中心周波数 | f0 | − | 38 | − | kHz | |
下図に示すバースト波を、送信機にて送信するものとする。
赤外線センサ信号処理回路
・割り込み信号部は、赤外線センサー受光部からの信号に変化が生じたときに割り込み信号を出すと思う。信号自体は、一発パルスではなく他の波形になると思われる。
ここでは、ポストのナンバーを伝送する仕組みについて解説する。
- 伝送命令
ポストが何番かを示す伝送命令は、fig8のように、1ワード12ビットの構成になっている。
- コードビット
コードビットとは、赤外線の信号をいろんな機種で対応できるようにする為のコード。
- 連続・単発信号&コード
伝送命令には、単発信号と連続信号による、信号伝達方法がある。
- 単発信号
単発信号とは、単発信号キーが押された場合。fig9のような単発信号が2サイクル出力されて
終了するような、命令伝達信号。
◎コード(H S1 S2)=0 1 0 or0 0 1
fig9 単発信号 |
- 連続信号
連続信号キーが押されている場合に、fig10のような連続信号が2サイクル出力されて、208a休止し、
また2サイクルされて208a休止を連続的に繰して出力するような命令伝達信号。
◎コード(H S1 S2)=1 0 0
fig10 連続信号 |
MIRS競技会においてはポストから信号が連続して出ていなくてはならないので、連続信号伝達方式を採用している。
- データコード
下位の6ビットの0,1信号を変化させる事によって、ポストから出力される送信波が変化して各ポストにナンバーをつけることができる。
また、MIRSもこの送信波形を頼りに、目的のナンバーのポストを探し出す事ができる。
- 送信波形
送信基本波形(今回は発信周波数が455KHz)は、次のように表される。
fig11 送信基本波形 |
各ビットの時間aは発信周波数fxにより決定されている。
a=(1/fx)×192 [sec]
- ビット0,1の区別
送信基本波形の各、コードの0,1は次のように表されている。
- 赤外線センサ取り付け高さについて
赤外線受信機のy方向指向性特性からわかるように、角度θ=0のときが一番受信距離が長いので、赤外線センサの取り付け高さは、赤外線発光部と同じ高さ(床から6cm)が良い。
ポストから赤外線センサまでの距離をxcmとすると、取り付け可能な高さは、床から6±tan30゜cmとなる。
- ポート数について
使用するポート数は、センサの数+2(割り込み要求信号と許可信号)