沼津高専 電子制御工学科
MIRS0101技術調査報告書 超音波センサ
MIRS0101-TECH-0004
改訂記録
版数
作成日
作成者
承認
改訂内容
A01
2001/1/5
田代
勝又
初版
1.目的
MIRSにおける超音波センサを調査することで、超音波センサの役割、仕組みについて理解を深める。
2.超音波センサの機能
図2-1 超音波センサの機能
入力された送信信号を増幅してからスピーカに入力し超音波を送信する。
目標物に撥ね返り戻ってきた超音波をマイクにより受信し電気信号に変換する。
上記の受信信号を増幅する。
受信信号の回り込み成分を除去してから出力する。
3.超音波センサの構成
図3-1 超音波センサの構成
1. 超音波送信回路 : 送信信号を増幅してスピーカ(SPK)に送る。
2. 超音波受信回路 : マイク(MIC)から送られる電気信号を増幅し半波整流を行う。
3. 回り込み除去回路 : 受信タイミング信号(UTIM)を用いて超音波受信回路から送られる信号から回り込み成分を除去する。
4.超音波センサの外形
MIRSで使用する超音波センサの外形を下図に示す.
図4-1 超音波センサの外形
5.超音波センサによる測定
MIRSにおいて、ポストの検知・距離測定と自機座標の確認をするセンサが超音波センサである。MIRSで使用する超音波センサは反射方式(独立型)を使用していて、40kHzの超音波で約20cmから2mまでの距離の測定が可能である。また、精度は±1cm。
次に超音波の指向制と反射特性について説明する。超音波は、トランジューサから一定の広がりを持ってビーム状に発射される。そのビームの形状を超音波トランジューサの指向性と言う。市販されている超音波トランジューサの指向性は、それ程鋭くなく、半値角として 20°〜 30°程度の広がりを持つ。 超音波センサの指向性が広いと、センサによって計測された対象物体の形はかなりボケたものになる。すなわち、超音波センサは、距離方向の分解能はよいが、横方向の分解能はよくない。この指向性を改善する方法として、トランジューサにホーンアンテナを取り付ける手段がある。アンテナには一般に指向性を鋭くすると同時に、中心方向のゲインをかせぐという利点がある。ただし、ホーンアンテナの設計を理論的に行なうことは難しいので、ある程度の試行錯誤によってホーンの形を決める必要がある。
図5-1 紙性ホーンアンテナの例
図5-2 超音波の指向性
6.超音波センサ使用上の注意
壁にたいして斜めに入射した超音波はほとんどもどってこない。
受信機は、大きな増幅率をかせぐアナログ回路であり、回路の雑音に注意しなければならない。
受信機はマイクロホンであるから、外部の音やシステム自体の機械的振動で誤動作する恐れがある。受信機はゴム等を用いて機械的振動が伝わらないように取り付ける。
外部からの音響的な雑音に対しては、距離を 2 回測定して、その値が違っていたら再度センサを働かせるというようなソフトウェアによる対策が有効。
続けて距離を測定する場合は、以前に発射した超音波に対する反射や残響が十分に減衰する時間(数 [ns] )をおいてから、次の超音波を発射する。