1996.12.XX 菊池篤史 山口容平 作成

超音波センサーの詳細検討


1.カウンタ回路の検討


カウントの手段

 カウントはPCが出力する周期20[ms]でパルス幅4[ms]のパルス信号をトリガとしてカウントを開始する。当然、受信信号が16[ms]以上のものは受信できない。従って、測定は16[ms]で打ち切ることになる。測定を16[ms]で打ち切っても音速は346[m/s]だから、超音波は5.5[m]進み、測定は、帰ってきた反射波であるので5.5/2=2.75[m]まで測定できる。これは競技場内の最大の長さを上回っているので大丈夫である。

 


(2) カウンタの選定
 超音波の波長は8.6[mm]であるから約1[cm]の精度以上での測定は不可能である。また、超音波の速度は34600[cm/s]でるから、1[cm]を進むのに約30[μs]かかる。よって超音波測定は超音波が行って帰ってきたものを検出するものであるので1[cm]の測定をするのにカウンタは1カウント2[cm]であればよい。従って測定パルスは60[μs]の周期にする。また、測定時間は16[ms]で打ち切るので、

     16[ms]/60[μs]=266.6<267[カウント]

 従って267カウント前後のカウンタを必要とすることが分かる。8bitカウンタは256カウントであるのでこれとほぼ同数である。
よって、8bitカウンタを使用することにする。


2.送受信回路の概要

 シーケンサーによるパルスをフォトカプラを通して伝え、その情報(1発パルス)とクロック(40kHz)とを合成して送信部から超音波を発射する。そして、反射して戻ってきた超音波を受信部でキャッチし、コンパレータを通して近距離の不要な反射波(周りこみ反射波)をキャンセルし、超音波反射時間の情報をカウンタへ送る。

 



3.回路図の解説

(1) フォトダイオード

 光エネルギーを電気エネルギーに変換するフォトダイオードは、半導体のPN結合部に光があたると電位差が生じる。光起電力効果を利用した光検出器である。


(2) 振動数の決定


R1=30[kΩ]
R2=100[kΩ]
C=560[pF]
f=1/T
T=1.5*C*R1
値を代入して

f=1/(1.5*560*10−12*30*103)≒39.7×103[Hz]

R1が可変抵抗であるので微調整をして40kHzに合せる。

(3) パルスと振動数波との合成



(4) 信号増幅部


 インバータが2段になっているのは、インバータからはき出される電流は決まっているのでそれを増やすためである。
 つまり1つのインバータから流れ出た電流がiだとしたらMA40A5Sには2iの電流が流れ込む。

(5) イコライザーアンプ


 信号を増幅している。
GAIN : 50dB なので

 50dB = 20logG G ≒ 102.5 = 316.2倍

入力信号が約316倍となって出力される。

(6) 微分回路


 電圧のDC分でカットする。
IN60   −−− ハイパスフィルタ
C=1000pF −−− パスフィルタ

(7) コンパレータ


 アナログ量の信号をディジタル化するための回路でスレッショルドレベルを境にして、それ以上ならHighレベル、以下ならLowレベルに2進化している。
コンパレータには2つの入力ピンがあって+と−、またはREF,INVという記号がついている。+(REF)ピンの電圧が−(INV)の電圧よりも大きければ出力は同極性の方向(Highレベル)に振れ、−ピンの方が+ピンの電圧よりも大きいと出力は逆極性の方向(Lowレベル)に振れる。出力の1部を入力に戻し、ポジティブフィードバックを行っている。39kΩの抵抗によってヒステリシスを作っている。10μFのコンデンサは、リップノイズをバイパスさせ、電流インピーダンスを下げている。

(8)時間パルス






Last Update:

元に戻る