[目次]

1.概要
 1.1 このマニュアルに書いてあること------------------------1
 1.2 MIRS障害データベース(MFDB)とは--------------1

2.使い方
 2.1 起動と終了--------------------------------------------2
 2.2 ボード/回路の選択------------------------------------2
 2.3 故障箇所の選択----------------------------------------2
 2.4 症状の選択 と 説明の表示------------------------------3
  2.4.1  症状を選んで説明を表示する--------------------3
  2.4.2  すべての症状について説明を表示----------------3

3.MFDBの拡張
 3.1 表示項目と説明の追加/変更----------------------------4
 3.2 機能の拡張--------------------------------------------5
  3.2.1  それぞれのファイルファイルについて------------5
  3.2.2  シンボル、グローバル変数の定義----------------6
  3.2.3  クラス宣言------------------------------------7
  3.2.4  関数の定義------------------------------------7
  3.2.5  コンパイル------------------------------------8

参考文献--------------------------------------------------------8

MIRS障害データベースのソースリストは、
 NCT−電子制御−9404−1−62) に掲載されている。


1.概要

 

1.1 このマニュアルに書いてあること

  1. 概要は、このマニュアルの内容と、MIRS障害データベース1)(略称MFDB)の説明を記述しています。

  2. 使い方は、MFDBの使い方を、実際の操作の流れにしたがって説明しています。

  3. MFDBの拡張は、表示される説明データの変更の方法、および、MFDBの機能を拡張する場合の手続きについて解説しています。

 

1.2 MIRS障害データベース(MFDB)とは1)

 MFDBは、MIRSに異常が起きた時に、その原因を調べるためのデータベースです。
MS−Windows(バージョン3.0以上)で動作するウィンドウアプリケーションで、マウスで操作します。
 データファイルに収められている症状と対処の方法を、項目の選択を繰り返すことで、すばやく参照することができます。

 発生した異常が、準備されている項目の中にないときは、データファイルを追加してください。そうすると、表示される説明を増やすことができます。これを繰り返していくと、MFDBは段々強力なデータベースになっていきます。

MFDBには、4種類のウィンドウがあります。それぞれの名前と役割は次のとおりです。

メインウィンドウ‥‥ 回路・ボードの名前が入ったボタンのあるウィンドウ回路・ボードを選択すると、選択ウィンドウ1がでてきます。

選択ウィンドウ1‥‥ ボードの中の部分の名前が入ったウィンドウ部分の名前を選択すると、選択ウィンドウ2がでてきます。

選択ウィンドウ2‥‥ 症状の名前が入ったウィンドウ選択ウィンドウ1で選んだ箇所について登録されている症状の名前が表示されます。症状の名前を選択すると、説明ウィンドウがでてきます。

説明ウィンドウ ‥‥ 説明が表示されるウィンドウここに、異常に対する対処の方法が表示されます。



2.使い方

 

2.1 起動と終了

MFDBを実行するには、以下のファイルが必要です。
mfdb .exe   MFDBの実行形式
failures.txt   MFDBのデータファイル(症状と対処について書かれている)

mfdb.exe は、パスの通ったディレクトリか、カレントディレクトリに置いてください。 failures.txt は、mfdb.exe と同じディレクトリか、カレントディレクトリに置いてください。

起動の方法は、

  1. ファイルマネージャか、プログラムマネージャのメニューで、ファイル→名前を指定して実行 を選んで、テキストボックスに mfdb と書いて、Enter キーを押す。
  2. アイコンを登録し、アイコンをダブルクリックして実行する。
があります。詳しくは、MS−Windowsのオンラインヘルプを参照してください。

起動すると、基本的な事柄についての注意が書かれたウィンドウが表示されます。
メッセージボックスの OKボタン をクリックすると、メインウィンドウが表示されます。

(注)メモリ節約のため、同時にMFDBを2つ以上起動することはできません。


 

2.2 ボード・回路の選択

メインウィンドウの中で、目的の回路・ボードの名前が入った枠をクリックしてください。
選択ウィンドウ1が表示されます。

すでに選択ウィンドウ1が表示されている時は、回路・ボードを選択することはできません。


 

2.3 故障箇所の選択

選択ウィンドウ1の中で、故障箇所の名前が入った枠をクリックしてください。
選択ウィンドウ2が表示されます。

すでに選択ウィンドウ2が表示されている時は、故障箇所を選択することはできません。


 

2.4 症状の選択 と 説明の表示

説明の表示のしかたは、2通りあります。
すでに説明ウィンドウが表示されている時は、症状を選択することはできません。

  

2.4.1  症状を選んで説明を表示する


選択ウィンドウ2の中で、症状の名前が入った枠をクリックしてください。
説明ウィンドウが表示されます。

  

2.4.2  すべての症状について説明を表示


また、選択ウィンドウ1で選んだ箇所の症状すべてを表示することもできます。
選択ウィンドウ2の中で、全部ボタン を押します。

すでに説明ウィンドウが表示されている時は、症状を選択することはできません。



3.MFDBの拡張

 

3.1 表示項目と説明の追加/変更

 MFDBに登録されていない異常が発生したら、その症状と、その後とった対処の方法を追加してください。先に症状だけを登録し、後から対処を登録することもできます(その場合、選択ウィンドウ2でその症状を選んでも、説明ウィンドウには何も表示されません)。
 説明の表示を変更・追加するには、症状の記述されたデータファイル(failures.txt)を変更します。

以下の書式にしたがって、症状ファイルに必要な項目・説明を追加してください。
書式:
カッコはすべて半角文字で入力してください。
すべての行を、左端(前の行の改行直後)から書き始めてください。
 ; で始まる行は コメントになります。

 [] の中には、ボード名または回路名が入ります。
 <> の中には、部分の名前が入ります。
   ボード・回路が部分に分割できない時は、<> を記述する必要はありません。
 () の中には、症状が入ります。
 ? ボード・回路が変わる時には、 ? (半角) を書くこと。
 @ 症状ファイルの終わりには、  @ (半角) を書くこと。

実際の書き方については、次の例と、データファイルを参考にしてください。

例 以下は、症状ファイルの一部です。

;
;[Man-Machine インタフェース・ボード]
[Man-Machine インタフェース・ボード]
<LED>
(LEDが点灯しない)
(7seg−LEDの点灯が異常)
<スイッチ>
(割り込みが何回も入る)
?
;
;


3.2 機能の拡張

この節は、MFDBの機能を拡張するための手順について書かれています。
例えば...
 現在の所MFDBがサポートしているのは文字データのみです。
 表示されるデータに、図形を混ぜたい場合、データファイルの追加だけでは済みません。
 ソースファイルの変更を行い、コンパイルをやり直す必要があります。

そんな場面にぶつかった時、この節を読んでください。また、C++のプログラムの例が見たいのなら、少しは参考になるかもしれません。


  

3.2.1  それぞれのファイルファイルについて

機能を追加・変更するには、ソースファイルの変更を行い、コンパイルをやり直す必要があります。
ソースファイルの変更を行う際は、(*.cpp , *.h)の各ファイルのバックアップをとっておいてください。

MFDBを構築するのに必要なファイルは以下のとおりです。

 mfdb_def.h    シンボル、グローバル変数の定義
 mfdb_cls.h    クラスの宣言
 mfdb .cpp   関数の定義
 mfdb_ft .cpp   拡張のための関数の定義
 mfdb .def   実行形式の構造などの指定
 mfdb .ico   アイコンの絵
 mfdb .rc    リソースファイル(メニューなどについての情報が書かれている)
 mfdb .prj   コンパイルするためのプロジェクトファイル

このうち、機能の拡張にあたって、内容の追加が必要となるファイルは以下のとおりです。

 mfdb_def.h    シンボル、グローバル変数の定義
 mfdb_cls.h    クラスの宣言
 mfdb_ft .cpp   拡張のための関数の定義

それぞれについての変更は、以下の要領で行ってください。


  

3.2.2  シンボル、グローバル変数の定義

mfdb_def.h
....Lenという名前で枠の中の文字数が設定されていますが、足りなくなったら増やしてください。
その他のシンボルについては、ファイル2)の中のコメントを参照してください。


  

3.2.3  クラス宣言

mfdb_cls.h
新しい種類のウィンドウを作りたい時は、TWindow の派生クラスを宣言します。

例
//	派生クラスの宣言

class	MfdbNewWindow : public TWindow
{
		MfdbNewWindow();	// コンストラクタと、
		~MfdbNewWindow();	// デストラクタ
                      :
		virtual void	Paint(HDC,PAINTSTRUCT&);	// 描画関数
                      :
                      :

		// DDVT(関数名 = [index];) を使うと、
		// ボタンが押された時に実行される関数を宣言することができます。
		virtual void	BT3Button(RTMessage Msg) = [ID_FIRST + BT1 ];
		virtual void	BT2Button(RTMessage Msg) = [ID_FIRST + BT2 ];
		virtual void	BT1Button(RTMessage Msg) = [ID_FIRST + BT3 ];
                      :
}


  

3.2.4  関数の定義

mfdb_ft.cpp
mfdb_cls.h で宣言した関数の定義を記述します。

※クラスの宣言、関数の定義など C++ の文法についての詳細は、Turbo C++ for Windows のマニュアル3)〜4)などを参照してください。


  

3.2.5  コンパイル

  ファイルの変更がすみ、セーブしおわったら、MFDBをコンパイルします。
 まず、 3.2.1 で説明したすべてのファイルが同じディレクトリにあることを確認してください。

 コンパイルは、Turbo C++ for Windows を使って行います。以降の説明は、これを読んでいる人が Turbo C++ for Windowsの統合環境を使用していると想定して行います。

メニューで、プロジェクト→プロジェクトのオープンから、mfdb.prj をオープンします。
後は、メニューから実行を選ぶか、キーボードで Ctrl+F9 を押すと、コンパイルが始まります。
変更したプログラムに問題がなければ、MFDBの実行形式である mfdb.exe ができあがります。実行ファイルができるディレクトリは、メニューのオプション→ディレクトリで指定できます。

 Turbo C++ for Windowsの統合環境の操作の詳細と、コンパイルでエラーが出た場合の対処については、Trubo C++ for Windows のマニュアル類と、オンラインヘルプを参照してください。

※ 1995年3月16日(卒論提出日)現在においては、コンパイルで、ERRORとWARNINGは、ともに1つも出ないようになっています。



参考文献
 1) NCT−電子制御−9404-1  自律知能ロボット用制御システムの開発(その1) ,1995
 2) NCT−電子制御−9404-1-6 MIRS障害データベースのソースファイル ,1995
 3) TURBO C++3.0 FOR WINDOWS PROGRAMMER'S GUIDE, BORLAND, 1992
 4) OBJECTWINDOWS FOR C++ USER'S GUIDE,   BORLAND, 1992



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