自律知能ロボット用制御システムの開発
(その5 ロータリエンコーダ・ボード)
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1995年 3月
指導教官 長澤正氏
川上誠
澤洋一郎
報告者 海野智之
V94−SPEC−028
沼津工業高等専門学校電子制御工学科
卒業研究報告書
1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.V−projectの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2.1 V−projectMIRSの主な仕様 ・・・・・・・・・・・2
2.2 MPUボード、基本I/Oボードの機能 ・・・・・・・・・・・2
2.2.1 VSBC−1の機能・・・・・・・・・・・・・・・2
2.2.2 VIPC310の機能・・・・・・・・・・・・・・3
2.2.3 IP−digital48の機能・・・・・・・・・4
2.3 システム構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.4 作業担当 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
3.ロータリエンコーダボードの設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
3.1 ロータリエンコーダボードの機能 ・・・・・・・・・・・・・・7
3.2 回路設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
3.2.1 ロータリエンコーダ信号処理回路・・・・・・・・・7
3.2.2 タッチセンサ信号処理回路・・・・・・・・・・・・8
3.2.3 インタフェース仕様と制御回路・・・・・・・・・・8
3.2.4 コネクタピンアサイン・・・・・・・・・・・・・11
3.3 ソフトウェアビジビリティ ・・・・・・・・・・・・・・・・13
3.3.1 ソフトウェアからの見え方・・・・・・・・・・・13
3.3.2 制御フロー例・・・・・・・・・・・・・・・・・14
3.4 タイミングチャート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
3.5 センサ接続ケーブルの設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・16
4.試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
4.1 評価項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
4.2 試験方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
4.3 試験結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
5.ドキュメント管理方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
6.おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
7.謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
8.参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
9.付録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
時計機能(RTC) :DP8573を搭載 12/24時間時計、曜日カウンタ、アラーム、タイマ割り込み 割り込み : 7つのレベルの割り込みが可能(信号IRQ1〜IRQ7を利用) 割り込みマスクレジスタの設定が可能 ハードウェア監視機能 : MAX691による。400ms(変更可)ごとに合図がないと、 異常が起きたとみなして、システムをリセットする。 タイムアウト機能 : 異常が発生して、データ転送が7μs停止した場合、信号を発生する。 ボード上のコネクタ: 50ピンSCSIコネクタ 40ピンPI/Tコネクタ シリアルI/O 2つのポートが使用可能 (68562DUSCCが提供) オプション: それぞれのシリアルポートに1つずつ必要 RS−232C 50〜 76800ボー RS−422 50〜307200ボー RS−485 50〜500000ボー 20mA C ループ 50〜9600ボー 光ファイバによる接続は最長1キロメートル(光ファイバコネクタを含む) パラレルI/O MC68230PI/T 8ビット × 2ポート ハンドシェークピン ×4 ハードウェア割り込み、タイマ割り込みが可能 光セントロニクスアダプタが使用可能 VMEbus 関係 インターフェイス: A24 D16/8,MASTER コネクタ : DIN41612 C 型 、96ピン、P1コネクタ
インプット/アウトプット、メモリー、割り込みの働きを持つ。
ボード上でのバッテリーによるバックアップが可能である。
VIPC310は、3U(シングルハイト)の要素によってVMEbus Speci fication C.1(IEEEにより、P1014/D1.2または、IEC 821 busとしても知られている。)と結合する。
IPキャリアは、DMAボードや、68020処理装置を乗せると(6U(ダブルハイト)でも可)様々な機能を利用できる。
IPキャリアは、他の標準的なIndustry busでの利用もできる。VIPC 310は、IP Logicの接合方法に従う。
IPは互いに、VIPC310の前面を通って50ピンのフラットケーブルによって接 合される。
二つのIPは、”A”及び”B”と名付けられている。
インターフェースの接合は、基準寸法で、ケーブルでつながれたシステムであれば、I Pキャリア上にディレクトリを添え付けられる。
接合ケーブルは、VMEのシャーシから、VIPC310を動かさずに、差し込み、引 き抜きができる。
IPは、I/Oからの信号に依らずに、オン/オフができる。
どんなときでも、IPは、グリーンフロントパネルの指示器が点灯していれば、VME busから、アクセスされる。
二つの表示器があり、一つづつ、相互のIPに用いられる。
どのアクセスに対しても、活動の指示を明確にする為に、一つ又は複数の関係のあるL EDを点灯させる(約三分の一秒間)
ボード上のリチウムバッテリーは、こういった機能を利用するIPの為のバックアップ用として用いられる。
尚、バッテリーは、VMEbus+5 又は、STDBYラインかを選択して使用でき る。
通常、バッテリーの補佐作用は、スタティックRAMと、日時計に使用される。
IPのI/Oは、VMEbusA16/D16空間中に位置する。
使用者と、管理者のアクセスは共に、読み取り、修正、書き込み(テスト/セット)の作業を受ける。
相互のIP上にあるI/O空間は、IPの詳細書によって、16ビットのワードが64 個と決められている。
相互のIPが、64語を占有するPROMの搭載ができる。
こうして、二つのIPのA及びBは、Short I/O空間のVMEbusシステム の64キロバイト中、512バイトを占有する。
割り込みは、全面的に、指示を受ける。
相互のIPは、二つに分割された割り込み要求により、動作を行う。
VIPC310は、VMEbus の、IRQ1、3、4、5の支援をする。
割込み要求を受けた相互のIPは、自身に8ビットのvectorを供給しなければな らない。
このvectorは、VMEbusに受け取りを知らせるサイクルで、割込みバス間に 供給される。
VIPC310は、VMEbus BERRの操作を受けない。
ソフトウェア上の、意味の無いアクセスは、動作していないCPUボード上の停止回路バスによって、停止される。
VIPC310は、5、12、−12(v)の電源をLC piフィルターを通して、 相互のIPに供給する。
これは、精密なデジタル作用とともに、アナログIPの使用を可能にしている。
IP−Digital48には、MC68230PARALLEL INTERFACE/TIMER(PI/T)が2個搭載されている。
MC68230には、入出力ポートA,B,Cがあり、A,Bは単方向または双方向の8bitまたは16bitの入出力として使用できる。このポートはダブルバッファ内蔵である。
ポートCは、DMA,タイマおよび割り込みの制御としても使用される。
PI/Tは、その内部にTIMERを持っているが、このTIMERは24bitのダウンカウンタを含んでいる。このタイマの基本的な使い方として、
ロータリエンコーダ: OME−200−2 R1:220Ω R2:6.2kΩ R3:6.2kΩ この時、a,b相の出力波形の振幅は0.3〜4.3Vである。 |
カウンタ回路はロータリエンコーダの信号をカウントし、2相の信号の位相差から回転方向を判断する。これまでは、フリップフロップを使ってカウンタと方向判別回路を設計してきたが、本研究ではマウス制御用カウンタIC(μPD4701A)を利用した。μPD4701Aを利用することのメリットを、次に挙げる。
1つめに、μPD4701Aがカウンタと方向判別回路の両方の回路を兼ね備えているということ。これにより、カウンタ、方向判別回路の信頼性は高上する。
2つめに、2相式のロータリエンコーダを2つまで取付可能であるということ。μPD4701Aを利用すればIC1チップで2つのロータリエンコーダの信号処理が行え、回路の小型化が容易にできる。回路の小型化については、ボードをIndustryPackの形態にするためにも重要になる。
3つめに、μPD4701Aのカウンタのカウント動作の点が挙げられる。これまでは、ロータリエンコーダの2相の信号のうち、片方の相のパルスの立上がりに対してカウンタをアップカウントさせ、方向はカウントとは別に2相の位相差から判別していた。それに対してμPD4701Aのカウンタは、2相のパルスの立上がり、立下がり全てに対してカウンタを動作させる。そのため、ボードの分解能はこれまでの4倍にまで高めることができる。ちなみにカウンタは2の歩数表示で2相の位相差から常に方向を判断し逆転の時にはダウンカウントする。
4つめに、μPD4701Aの持つマウスのボタン入力ピンをタッチセンサに応用できることも挙げられる。
カウンタリセット回路は、カウンタのリセット信号を発生させる回路である。μPD4701Aの2つのカウンタは独立にリセット機能を持つため、回路も2つのカウンタを別々にリセットできるようにした。
割込みVECTOR発生回路は、割込みサイクル時にVIPC310−IP間のデータバス(Internal Data Bus)に8ビットの割込みVECTORを載せる回路である。IPからデータバスには通常μPD4701Aの出力データが載せられる為、バス上にμPD4701Aの出力データと割込みVECTORが同時に載るようなことの無いよう、3ステートのバッファを用いて割込みVECTORの出力を制御する。割込みVECTORの設定は、8ビットディップスイッチによって行う。IPをVIPC310に搭載するとき、両者は互いにボードの部品面を向かい合わせる事になる。IPをVIPC310に搭載したまま割込みVECTORの設定を行えるよう、ディップスイッチは横向きのものを使用した。
i)物理インタフェース
IPの寸法と、コネクタピン番号を図4に示す。50ピンコネクタはAMP社の173279−3である。
ii)ソフトウェアインタフェース
IPが可能なデータ入出力のサイクルには、表1に示した8種類がある。それぞれのサイクルは4つのセレクト信号(IOSel*,MemSel*,IntSel*,IDSel*)とR/W*、DMAck*により決定される。
Cycle Type | R/W* | IOSel* | MemSel* | IntSel* | IDSel* | MDAck* |
Input | H | L | H | H | H | H |
Output | L | L | H | H | H | H |
Memory Read | H | H | L | H | H | H |
Memory Write | L | H | L | H | H | H |
Interrupt Ack | H | H | H | L | H | H |
ID Read | H | H | H | H | L | H |
IO-DMA | H/L | L | H | H | H | L |
Memory-DMA | H/L | H | L | H | H | L |
制御回路は、以上のような仕様を満たすように設計しなければならない。
制御回路では、セレクト信号、アドレス、データなどをデコードしてCPUからの命令を解読し、CLKと同期を取り、ロータリエンコーダ信号処理回路やタッチセンサ信号処理回路に必要な信号を送ったり、命令に応じたデータをCPU側に返したりする。IPの大きさを考慮して、回路をPLDで作製することにした。
No. | 信号名 | 方向 | 内容 | 備考 |
1 | GND | -- | GND | |
2 | CLK | ← | Clock 8MHz | |
3 | BRESET* | ← | CPUؾ¯Ä信号 | |
4 | D00 | ←→ | DATA 20 | |
5 | D01 | ←→ | DATA 21 | |
6 | D02 | ←→ | DATA 22 | |
7 | D03 | ←→ | DATA 23 | |
8 | D04 | ←→ | DATA 24 | |
9 | D05 | ←→ | DATA 25 | |
10 | D06 | ←→ | DATA 26 | |
11 | D07 | ←→ | DATA 27 | |
12 | D08 | ←→ | DATA 28 | 未使用 |
13 | D09 | ←→ | DATA 29 | 未使用 |
14 | D10 | ←→ | DATA 210 | 未使用 |
15 | D11 | ←→ | DATA 211 | 未使用 |
16 | D12 | ←→ | DATA 212 | 未使用 |
17 | D13 | ←→ | DATA 213 | 未使用 |
18 | D14 | ←→ | DATA 214 | 未使用 |
19 | D15 | ←→ | DATA 215 | 未使用 |
20 | BS0* | ← | Byte Select (下位ÊÞ²Ä) | BS0*=0 (active) |
21 | BS1* | ← | Byte Select (上位ÊÞ²Ä) | BS1*=1 (negative) |
22 | V- | -- | 電源-12V | 未使用 |
23 | V+ | -- | 電源+12V | 未使用 |
24 | Vcc | -- | 電源+5V | |
25 | GND | -- | GND | |
26 | GND | -- | GND | |
27 | Vcc | -- | 電源+5V | |
28 | PWR* | ← | Read*Write Select | 1=Read,0=Write |
29 | IDA* | ← | ID PROM Select 信号 | |
30 | H1 | ← | high level 入力 | |
31 | MEMSELA* | ← | Memory R*W Cycle 信号 | 未使用 |
32 | H2 | ← | high level 入力 | |
33 | INTSELA* | ← | Interrupt Cycle 信号 | |
34 | H3 | ← | high level 入力 | |
35 | IOSELA* | ← | I/O Cycle 信号 | |
36 | H4 | ← | high level 入力 | |
37 | ADDR1 | ← | Address 21 | |
38 | H5 | ← | high level 入力 | |
39 | ADDR2 | ← | Address 22 | |
40 | H6 | ← | high level 入力 | |
41 | ADDR3 | ← | Address 23 | |
42 | IRQA0* | → | Interrupt 信号 (割込み level=4) | |
43 | ADDR4 | ← | Address 24 | |
44 | IRQA1* | → | Interrupt 信号 (割込み level=5) | 未使用 |
45 | ADDR5 | ← | Address 25 | |
46 | H7 | ← | high level 入力 | |
47 | ADDR6 | ← | Address 26 | |
48 | ACKA* | → | Acknowledge | |
49 | +5PSTBT | -- | VIPC310ボードのÊÞ¯ÃØ°電源 | ÃÞ°À保存用¤未使用 |
50 | GND | -- | GND |
No. | 信号名 | 方向 | 内容 | 備考 |
1 | GND | -- | GND | |
2 | GND | -- | GND | |
3 | GND | -- | GND | |
4 | GND | -- | GND | |
5 | GND | -- | GND | |
6 | GND | -- | GND | |
7 | GND | -- | GND | |
8 | GND | -- | GND | |
9 | GND | -- | GND | |
10 | GND | -- | GND | |
11 | GND | -- | GND | |
12 | GND | -- | GND | |
13 | GND | -- | GND | |
14 | GND | -- | GND | |
15 | GND | -- | GND | |
16 | GND | -- | GND | |
17 | GND | -- | GND | |
18 | GND | -- | GND | |
19 | GND | -- | GND | |
20 | GND | -- | GND | |
21 | GND | -- | GND | |
22 | GND | -- | GND | |
23 | GND | -- | GND | |
24 | GND | -- | GND | |
25 | GND | -- | GND | |
26 | GND | -- | GND | |
27 | RRa | ← | 右ロータリ・エンコーダa相信号 | |
28 | GND | -- | GND | |
29 | Vcc | -- | 電源+5V | |
30 | GND | -- | GND | |
31 | RRb | ← | 右ロータリ・エンコーダb相信号 | |
32 | GND | -- | GND | |
33 | RLa | ← | 左ロータリ・エンコーダa相信号 | |
34 | GND | -- | GND | |
35 | Vcc | -- | 電源+5V | |
36 | GND | -- | GND | |
37 | RLb | ← | 左ロータリ・エンコーダb相信号 | |
38 | GND | -- | GND | |
39 | TRs* | ← | 右À¯Á¾Ý»ON信号 | |
40 | GND | -- | GND | |
41 | TRr* | ← | 右À¯Á¾Ý»OFF信号 | |
42 | GND | -- | GND | |
43 | TMs* | ← | 中央À¯Á¾Ý»ON信号 | |
44 | GND | -- | GND | |
45 | TMr* | ← | 中央À¯Á¾Ý»OFF信号 | |
46 | GND | -- | GND | |
47 | TLs* | ← | 左À¯Á¾Ý»ON信号 | |
48 | GND | -- | GND | |
49 | TLr* | ← | 左À¯Á¾Ý»OFF信号 | |
50 | GND | -- | GND |
Address A8A7A6A5A4A3A2A1A0 | Read / Write | DATA D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0 | MEMO |
0 x x x x 0 0 0 1 | Read | 2726252423222120 右Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ下位8ËÞ¯Ä | 一定時間毎読む |
0 x x x x 0 0 1 1
| Read | SF L R M 2112102928 右Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ上位4ËÞ¯Ä +½²¯ÁÃÞ°À | SF:½²¯ÁÌ×¸Þ (SF=L+R+M,active high) L:左½²¯Á(active high) R:右½²¯Á(active high) M:中央½²¯Á(active high) 一定時間毎¤½²¯Á割込み時に読む |
0 x x x x 0 1 0 1 | Read | 2726252423222120 左Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ下位8ËÞ¯Ä | 一定時間毎読む |
0 x x x x 0 1 1 1 | Read | SF L R M 2112102928 左Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ上位4ËÞ¯Ä +½²¯ÁÃÞ°À | SF:½²¯ÁÌ×¸Þ (SF=L+R+M,active high) L:左½²¯Á(active high) R:右½²¯Á(active high) M:中央½²¯Á(active high) 一定時間毎¤½²¯Á割込み時に読む |
0 x x x x 1 0 0 1 | Write | (¶³ÝÀؾ¯Ä) x x x x x x 0 1 右Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀؾ¯Ä x x x x x x 1 0 左Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀؾ¯Ä x x x x x x 1 1 左右¶³ÝÀ同時ؾ¯Ä | 右¶³ÝÀ読み込み後に行う
左¶³ÝÀ読み込み後に行う
½À°Ä時に行う |
0 x x x x 1 0 1 1 | Write | (割込みenable) x x x x x x x 0 割込み不可 x x x x x x x 1 割込み許可 |
ؾ¯Ä後に行う |
カウンタリードサイクルでは、カウント値の読み出しとタッチセンサステータスの読み出しを行う。
カウンタリセットサイクルでは、カウンタのリセット信号を発生させカウンタをリセットする。カウンタのリセットは、左右別々にも、同時にも行える。
割込みAckサイクルは、タッチセンサによる割込みが発生した時に行う。割込みVECTORはAckをActiveにしてからCLKの立ち上がり後40ns以内に確定しなければならない(図3 Acknowledge Valid Delay)。しかし、この設計では割込みVECTORが確定するのに最大で42nsかかるので、いつでも確実に動作するという保証はない。しかし、この42nsは、PLDと3ステートのバッファ(74LS244)の2つのICが同時に最大の遅延時間になった場合であり、その様な可能性は低く、さらに、3ステートのバッファの出力遅延時間の標準値は最大の場合よりも10ns短いから、たいていの場合割込みVECTORはCLKの立ち上がり後40ns以内に確定すると考えられる。より確実な方法として、ICをLSシリーズからHCシリーズに変えるという事も挙げられるが、LSシリーズを用いても問題はないと判断した。
バスリセットは、電源投入時に自動的に行われる。リセット信号がActiveな状態は、実際には数百ms続くが図7では省略している。
duty比 (%) | カウント値 (/100ms) | Û°Àشݺ°ÀÞの回転数 (rpm) | @ 計算による駆 動輪の回転 (rpm) | A 回転計による駆動輪の回転数 (rpm) | A-@ (rpm) |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
20 | 161 | 120.8 | 67.1 | 67 | -0.1 |
40 | 284 | 213 | 118.3 | 118 | -0.3 |
60 | 337 | 252.8 | 140.4 | 140 | -0.4 |
80 | 364 | 273 | 151.7 | 152 | 0.3 |
100 | 370 | 277.5 | 154.2 | 154 | -0.2 |
タコメータの持つ測定誤差は、1rpmであり、ロータリエンコーダの測定値はタコメータによる測定値と良く一致した。このギヤ比の場合、少なくとも150rpmまでの回転数は測定できた。150rpmとは、駆動輪の直径が約8cmであるからこのギヤ比の場合、MIRSの速度は約62.8cm/sとなる。これだけの速度で安定した測定ができればMIRSへの使用には十分だと判断した。
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改訂記録
項 番 | 版 数 | 年月日 | 作 成 者 | 改 訂 内 容 |
1 | 初 版 | 95,3,8 | 海野 | |
2 | 2 版 | 95,3,8 | 海野 | p4 2版部品表追加 |
3 | ||||
4 | ||||
5 | ||||
6 | ||||
7 |
ロータリエンコーダ・ボードの詳細は、次に挙げる通りである。
図1にカウンタリードサイクルのタイミングチャートを、図2にカウンタリセットサイクルのタイミングチャートを、図3に割込みサイクル(割込みVECTOR読込みサイクル)のタイミングチャートを、図4にバスリセット時のタイミングチャートをそれぞれ示す。なお、CLKは8MHz(T=125ns)である。
※ 実際はバスリセットがアクティブな状態(”L”レベル)は数百ms続く。
初版基板の部品表はV94−CARD−301である。
2版基板の部品表はV94−CARD−302である。
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作成者:海野智之
ROTARYENCODER-TOUCHSENSOR BOARD Revised: January 26, 1995 Revision: 1 Bill Of Materials January 26, 1995 17:21:02 Page 1 Item Quantity Reference Part ___________________________________________________________ 1 5 C1,C2,C3,C4,C5 104 2 1 IC1 UPD4701A 3 1 IC2 74LS279 4 1 IC3 74LS244 5 2 IC4,IC5 GAL16V8 IC4:V94-PART-003(PLDデータファイル) IC5:V94-PART-004(PLDデータファイル) 6 3 JP1,JP2,JP3 PS-10PF-D4T1-PKL1 7 2 J5,J3 173279-3 8 4 R1,R2,R4,R5 6.2KΩ 9 2 R3,R6 220Ω 10 2 R7,R8 R 8LADDER 1KΩ 11 1 S1 A6DR-8100 12 2 ICソケット 20pin 回路図(OrCADファイル):V94−CARD−202 パターン図(パターンCADファイル):V94−CARD−402 作成手順書:V94−SPEC−012 検査仕様書:V94−SPEC−010 取扱い説明書:V94−SPEC−011
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改訂記録
項 番 | 版 数 | 年月日 | 作 成 者 | 改 訂 内 容 |
1 | 初 版 | 95.3.8 | 海野 | |
2 | ||||
3 | ||||
4 | ||||
5 | ||||
6 | ||||
7 |
1.目的
本ドキュメントは,ロータリエンコーダボード第2版(V94−PART−003,V94−PART−004,V94−CARD−*02)の作成法を明確にすることを目的とする。
2.適用範囲
本ドキュメントは,ロータリエンコーダボード第2版(V94−PART−003,V94−PART−004,V94−CARD−*02)に対して適用する。
3.作成方法
以下の手順でロータリエンコーダボードを作成する。
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改訂記録
項 番 | 版 数 | 年月日 | 作 成 者 | 改 訂 内 容 |
1 | 初 版 | 95.3.8 | 海野 | |
2 | ||||
3 | ||||
4 | ||||
5 | ||||
6 | ||||
7 |
1.目的
本ドキュメントは,ロータリエンコーダボード初版(V94−PART−001,V94−PART−002,V94−CARD−x01)、及び2版(V94−PART−003,V94−PART−004,V94−CARD−x02)の使用の際に用いる接続ケーブルの作成法を明らかにする事を目的とする。
2.適用範囲
本ドキュメントは,ロータリエンコーダボード初版(V94−PART−001,V94−PART−002,V94−CARD−x01)、及び2版(V94−PART−003,V94−PART−004,V94−CARD−x02)に対して適用する。
1.ケーブルの外観
I/Oボード(VIPC310)に取り付ける為の50ピンコネクタに、ケーブルをつなげます。I/Oボードのコネクタが50ピンなので、ケーブルのコネクタも50ピンにする必要がありますが、50ピンのうちの必要な信号は、27番ピンから50番ピンまでの24本なので、ケーブルは50芯である必要はありません。27番ピンよりも若いピン番号の所には、ケーブルをつなぐ必要はありません。もしも27番ピンよりも若いピン番号の所にケーブルをつないだ時には、邪魔になるようならコネクタの根元で切ってしまって問題ありません(図1)。
2.部品表
番号 | 部品名 | 型番 | 数量 | 適用 |
1 | 50ピンコネクタ(雌型) | ÌׯĹ°ÌÞÙ用2列 | 1 | CN1 |
2 | 5ピンコネクタ(雌型) | 5102−05 | 2 | CN2,CN3 |
3 | スイッチ | SS−5GL | 3 | TS1〜TS3 |
4 | ケーブル | (50芯) | 適当な長さ |
3.布線表
番号 | FROM | TO | 信号名 | 内容 |
1 | CN1_27 | CN2_1 | RRa | 右ロータリ・エンコーダa相信号 |
2 | CN1_28 | CN2_2 | GND | GND |
3 | CN1_29 | CN2_3 | Vcc | 電源+5V |
4 | CN1_30 | CN2_4 | GND | GND |
5 | CN1_31 | CN2_5 | RRb | 右ロータリ・エンコーダb相信号 |
6 | CN1_32 | GND | GND ※1 | |
7 | CN1_33 | CN3_1 | RLa | 左ロータリ・エンコーダa相信号 |
8 | CN1_34 | CN3_2 | GND | GND |
9 | CN1_35 | CN3_3 | Vcc | 電源+5V |
10 | CN1_36 | CN3_4 | GND | GND |
11 | CN1_37 | CN3_5 | RLb | 左ロータリ・エンコーダb相信号 |
12 | CN1_38 | GND | GND ※1 | |
13 | CN1_39 | TR1_3 | TRs* | 右À¯Á¾Ý»ON信号 |
14 | CN1_40 | TR1_1 | GND | GND |
15 | CN1_41 | TR1_2 | TRr* | 右À¯Á¾Ý»OFF信号 |
16 | CN1_42 | GND | GND ※1 | |
17 | CN1_43 | TR2_3 | TMs* | 中央À¯Á¾Ý»ON信号 |
18 | CN1_44 | TR2_1 | GND | GND |
19 | CN1_45 | TR2_2 | TMr* | 中央À¯Á¾Ý»OFF信号 |
20 | CN1_46 | GND | GND ※1 | |
21 | CN1_47 | TR3_3 | TLs* | 左À¯Á¾Ý»ON信号 |
22 | CN1_48 | TR3_1 | GND | GND |
23 | CN1_49 | TR3_2 | TLr* | 左À¯Á¾Ý»OFF信号 |
24 | CN1_50 | GND | GND ※1 |
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改訂記録
項 番 | 版 数 | 年月日 | 作 成 者 | 改 訂 内 容 |
1 | 初 版 | 95.3.8 | 海野 | |
2 | 2 版 | 95.3.15 | 海野 | ロータリエンコーダ・ボード外観図追加 |
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1.目的
本ドキュメントは,ロータリエンコーダボード初版(V94−PART−001,V94−PART−002,V94−CARD−x01)、及び2版(V94−PART−003,V94−PART−004,V94−CARD−x02)の使用法を明確にすることを目的とする。
2.適用範囲
本ドキュメントは,ロータリエンコーダボード初版(V94−PART−001,V94−PART−002,V94−CARD−x01)、及び2版(V94−PART−003,V94−PART−004,V94−CARD−x02)に対して適用する。
3.取付方法
1)ロータリエンコーダボードをI/Oボード(VIPC310)に載せる
ロータリエンコーダボードは、必ず IndustryPack A 側に取り付けます。
2)センサ類をI/Oボード(VIPC310)に取り付ける
ロータリエンコーダ、タッチセンサのケーブルはRE−I/Oボード接続ケーブル(V94−PART−009)を用います。ケーブルは、I/OボードのコネクタJA(IndustryPack AのI/O用のコネクタ)に、向きを確認して取り付けます。
ただし、もしもタッチセンサの取付個数が3個未満である時には、センサの取付けに加えて次の作業を行ってください。
ロータリ・エンコーダ・ボードに取り付け可能な3つのタッチセンサのうちの、取り付けないタッチセンサに対応するロータリ・エンコーダ・ボード上のジャンパを全てつなぎます。センサとジャンパの対応は、右タッチセンサがジャンパR、中央タッチセンサがジャンパM、左タッチセンサがジャンパLとなっています。図1のロータリエンコーダ・ボードの外観を参考にしてください。
4.使用方法
1)はじめに
ロータリ・エンコーダ・ボードは、CPUリセットの信号で初期化されるように設計されています。初期化の内容は、次のとおりです。
2)ロータリ・エンコーダのカウント値を読む
ロータリエンコーダボードの、ソフトウェアビジビリティは次の表1の通りである。
Address A8A7A6A5A4A3A2A1A0 | Read / Write | DATA D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0 | MEMO |
0 x x x x 0 0 0 0 | Read | 2726252423222120 右Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ下位8ËÞ¯Ä | 一定時間毎読む |
0 x x x x 0 0 1 0
| Read | SF L R M 2112102928 右Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ上位4ËÞ¯Ä +½²¯ÁÃÞ°À | SF:½²¯ÁÌ×¸Þ (SF=L¥R¥M,active low) L:左½²¯Á(active low) R:右½²¯Á(active low) M:中央½²¯Á(active low) 一定時間毎¤½²¯Á割込み時に読む |
0 x x x x 0 1 0 0 | Read | 2726252423222120 左Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ下位8ËÞ¯Ä | 一定時間毎読む |
0 x x x x 0 1 1 0 | Read | SF L R M 2112102928 左Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀ上位4ËÞ¯Ä +½²¯ÁÃÞ°À | SF:½²¯ÁÌ×¸Þ (SF=L¥R¥M,active low) L:左½²¯Á(active low) R:右½²¯Á(active low) M:中央½²¯Á(active low) 一定時間毎¤½²¯Á割込み時に読む |
0 x x x x 1 0 0 0 | Write | (¶³ÝÀؾ¯Ä) x x x x x x 0 1 右Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀؾ¯Ä x x x x x x 1 0 左Û°ÀØ¥´Ýº°ÀÞ¶³ÝÀؾ¯Ä x x x x x x 1 1 左右¶³ÝÀ同時ؾ¯Ä | 右¶³ÝÀ読み込み後に行う
左¶³ÝÀ読み込み後に行う
½À°Ä時に行う |
0 x x x x 1 0 1 0 | Write | (割込みenable) x x x x x x x 0 割込み不可 x x x x x x x 1 割込み許可 |
ؾ¯Ä後に行う |
また、図2に制御フローの例を示す。
初期設定では、左右のカウンタのリセットと必要に応じて割り込み許可を行う。カウンタを読むときには、下位8ビット、上位4ビット、カウンタリセットの3つを連続して処理すること。
ロータリ・エンコーダのカウント値を読む間隔は、特に規定しない。ロータリ・エンコーダのカウント値が2047まで(カウンタは12ビットの2の補数表示であり、最上位ビットは符号ビットとして扱われる)であることと、各自が設計したMIRSの最高速度とギヤ比(駆動輪とロータリ・エンコーダの回転数の比、及び両者の回転方向の関係)とを考慮して設定してもらいたい。
3)タッチセンサを動作させる
タッチセンサを働かせるためには、次のことを行わなければなりません。