1 赤外センサの調査・研究


主旨

本書は、本システム主要構成部品のひとつである赤外線センサについてその基本性能を調査、理解し、後のシステム動作方式、統括制御方式の研究に役立てるためのものである。


赤外線センサの種類

 量子型
フォトンを吸収しキャリアを励起することによって直接赤外線を検出するセンサである。このセンサは後に述べる熱型センサより100〜1000倍の検出能力を持つが、動作温度が低いため通常は液体窒素などで冷却の必要があるため、MIRSでの利用は望めない。


 熱型
エネルギー吸収による温度変化を利用するもの。素子としては、熱電対サーミスタ・ボロメータ、焦電型素子などがある。特に焦電型素子は比較的感度が高く、構造が簡単なのでよく用いられる。


 ◎赤外線センサの利点は、主に”赤外線は可視光線に比べて空気中の透過率が高 い”ということ。(しかし、波長によっては透過率が低い赤外線もある

バースト波 


・赤外線LED TLN105B
  ◎特徴 ・放射強度が大きい。
      ・指向特性が広い。
      ・光出力の直線性が良く、パルス動作、高周波による変調が可能。


赤外線センサと送信機(詳細)

   送信機

最大定格(Ta=25)
項   目記号定格単位
直流順電流IF100mA
直流順電流低減率(Ta>25℃)ΔIF/℃-1.33mA/℃
パルス順電流IFP(注)1A
直流逆電圧VR5V
許容損失PD150mW
動作温度Topr-20〜75
保存温度Tstg-30〜100
(注)パルス幅≦100μs,繰り返し周波数=100Hz


外形 
外形


電気的特性(Ta=25℃)
項目記号測定条件最小標準最大単位
順電圧VFIF=100mA---1.351.5V
逆電圧IRVR=5V------10μA
放射強度IEIF=50mA1220---mW/sr
光出力POIF=50mA---11---mW
端子間容量CTVR=0,f=1MHz---20---pF
ピーク発光波長λPIF=50mA---950---nm
スペクトル半値幅ΔλIF=50mA---50---nm
半値角θ1/2IF=50mA---±23.5---°


波長特性(標準値)   (IF=50mA,Ta=25℃) 
波長特性(標準値)   (IF=50mA,Ta=25℃)


指向特性 


・センサ

定格及び特性
構成図 
1−1 構成図


1−2 絶対最大定格
項目記号定格値単位
電源電圧Vcc0〜6.0V
動作温度Topr-10〜+60 ※1
保存温度Tstg-20〜+70
保存温度Tsol260 ※2
※1 )結露なきこと。  ※2 )樹脂端面より下部の位置で5秒間


1−3 推奨動作条件
項目記号動作条件単位
電源電圧Vcc4.7〜5.3V


1−4 電気的特性 (特に指定の無い限りTa=25℃,Vcc=5V)
項目記号MINTYPMAX単位備考
消費電流Icc---2.84.5mA入力光なし、出力端子OPEN
ハイレベル出力電圧VOHVcc-0.2------V※2,出力端子OPEN
ローレベル出力電圧VOL---0.450.6V※2,プルアップ抵抗kΩ
ハイレベルパルス幅T1400---800μS※2
ローレベルパルス幅T2400---800μS※2
B.P.F.中心周波数f0---38---kHz
※2) 下図に示すバースト波を、図1に示す送信機にて送信するものとする。


バースト波 


1−5 性能
図1に示す送信機を用いて、図2の光学系においてリモコンセンサの出力信号が下記の各項目を満足すること。

 1ー5ー1 直線受信距離特性
図2において、L=0.2〜5m、Ee<10lx(※3)、φ=0°のとき、出力信号が1ー4項の電気的特性を満足すること。


 1ー5ー2 指向角受信距離特性
図2において、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ≦30°、Y方向θ=0°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。
又、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ=0°、Y方向θ≦15°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。


  ※3) 受光面照度を示す。


図1 送信機 
図1 送信機 


図2 光学系 
図2 光学系


1−6 指向角特性

X方向特性 
X方向特性


Y方向特性 
Y方向特性


赤外線センサ外形図1 
赤外線センサ外形図2 
赤外線センサ外形図


赤外線センサ信号処理回路

回路構成 
回路構成


・割り込み信号部は、赤外線センサー受光部からの信号に変化が生じたときに割り込み信号を出すと思う。信号自体は、一発パルスではなく他の波形になると思われる。