(1)目的
ロータリーエンコーダの基本的な動作を理解しMIRSにどのようにして使うかを、検討する。
(2)ロータリエンコーダの種類
ロータリエンコーダには回転量をパルス数に変換する機能がある。その変換方式により、光電式、ブラシ式、磁気式などがある。
また出力パルスの形式により、インクリメンタル型(変位のみの情報を出力)とアブソリュート式(絶対位置を出力)の2つに大別される。
一般の機械系では、初期動作で原点復帰を行うのでインクリメンタル型を使用する場合が多い。
ここでは最も一般的な光電式、安価で構造も小さいインクリメンタル型を使用する。
インクリメント型:一般に円盤にスリットを切ってフォトインタラプタによりスリットの通過を検出するようになっている。 90度位相のずれた2ヶ所にフォトインタラプタを配置するとここで発生したパルスを回転方向を含めてアップ/ダウン・カウンタでカウントすれば現在の角度、位置を求められる。
カウントしたパルスは7bitのパラレルデータに変換。
(3) 光電式ロータリエンコーダの概要
<T>回転量の検出
2枚のスリット円盤A,Bを挟んで発光ダイオード(LED)と受光素子(フォトトランジスタ)が相対して置いてあり、回転スリット(A)が回転する事により、LEDの光が透過/遮断する。この光を受光素子で検出することで回転したか否か判断する。出力信号を2相にするため、固定スリット(B)はスリットが2つに分かれている。
光電式ロータリエンコーダの概要 |
パルス |
各端子における波形の例を左に示した。aでは不定形な波形が、bでは定形なパルスに、更にアンプを通して+5Vになる。ZERO相はエンコーダ1回転につき1パルス。
<U>回転方向(正転/逆転)の判別
パルス整形回路からの出力信号A,Bの組み合わせには、回転方向により2つのパターンがある。
パルスパターン |
上記のように出力信号A,Bの位相差は常に90°であるが、回転方向により、ずれ方が異なってくる。
@の場合、B信号の立ち上がり時にA信号は必ず”H”になっているため回転方向検出信号は”H”になる。
Aの場合、B信号の立ち上がり時にA信号は”L”になっているため、回転方向検出信号は”L”になる。このようにして回転方向の判別を行う事ができる。
<V>回転速度の検出
A,B信号の周波数はエンコーダの回転速度と比例している。従って、これを一定時間間隔でカウントすれば回転速度を、検出できる。
(4)パルス弁別回路
2相パルス出力型のエンコーダ正転/逆転を検出するために必要な回路。通常、このA,B相の動きよりup/downパルスを作り出し、必要桁数のup/downカウンタに入力し、カウンタの内容を読み取る事で回転量を知る事ができる。パルス弁別回路は、このup/downパルスを作り出す回路である。
パルス弁別回路 |