マンマシンI/F


機能概要

MMIボードの回路は、
1、パルス点灯発生回路
2、桁選択回路
3、勝敗判定信号処理回路
4、チャタリング防止回路
5、データラッチON/OFF及びデータ処理回路の5個に分ける事ができる。
1、パルス点灯発生回路について
 この回路は、IC1、IC3、IC14からなり、下位の桁から順に上位の桁へと、 パルス信号を送る。これは、MC14513Bの入力が、ロウレベルになると、 他入力に関係なく(ただし、のみハイレベル)、全セグメント出力がブランク (非点灯)になることを利用するためである。

2、桁選択回路について
 この回路は、IC6からなり、2進2ビットのデータ書き込み桁選択信号を各桁のデータラッチON/OFF回路へと振り分ける働きをする。

3、勝敗判定信号処理回路について
 この回路は、IC2、IC14からなり、勝敗判定装置からのON/OFF信号を電気的に絶縁し、CPUボードに送る働きをする。

4、チャタリング防止回路について
 この回路は、IC15からなり、フロントボードの押しボタンスイッチからの信号のチャタリングを防止し、CPUボードに送る働きをする。

5、データラッチON/OFF及びデータ処理回路
 まず、データラッチON/OFF回路は、IC7、IC8からなり、桁選択回路からの桁選択信号とHandshake 2からの信号によってデータを書き込むデコーダのラッチ機能をOFFし、データが書き込まれた後ラッチ機能をONさせる。つぎに、データ処理回路であるが、これは、IC9〜IC12からなり、BCDコードで入力されたデータを7Seg.−Led.用の信号に変換する。また、そのデータをラッチする働きも持つ.
 MMIボードの主な仕様は、図4にあるように7Seg.−Led.(データ表示用)が4個、4ビットディップスイッチ(モード設定用)が1個、Green,Red−Led.(状態表示用)が各1個、押しボタンスイッチ(表示切替用)が1個である。



回路構成
図7は、メインボードの回路構成図である。ここでは、メインボードの回路を7つに分けてそれぞれの回路の機能等について説明する。



・パルス点灯発生回路
 いままでのマン・マシン・インタフェースボードでは、7Seg.−Led.の数が少なく、あまり多くの情報を一度に表示することができなかった。今回M MIボードでは、7Seg.−Led.の数を4個にした。普通に表示を制御す るには各Led.で4ビット合計16ビット必要であるが、ポートの制限もあり、図7の回路構成図にあるように68230のAポートの8ビットのうちPA0〜PA5までの6ビットを使って表示をするようにした。そこで、ラッチ機能を持つデコーダを使用することにし、6ビットのうちの4ビットをLed.のデータ用に使い、残りの2ビットを桁の選択用に使うように工夫した。
 ここで、問題となったのは、7Seg.−Led.の消費電流の増加である。Led.の消費電流は、1segment当り約20mAなので7Seg.−Led.が全部点灯したとすると約0.56Aもの電流が流れることになる。これは、電池で駆動するMIRSシステムにとっては大きな負荷になる。
 そこで4つの位相の異なる方形波を作り、7Seg.−Led.をパルス点灯させることにより消費電流を約1/4にするようにした。一つの桁が点灯して再 び点灯する間隔が短い為、見た目には、すべての桁が点灯しているように見える。 また、これにより7Seg.−Led.の電流は、最大で約0.14Aになる。
 この回路は、74LS161(4ビットバイナリ(2進化16進)カウンタ)、74LS00(2入力NANDゲート)、74LS08(2入力ANDゲート) からなり、7Seg.−Led.の下位の桁から順に上位の桁へと、パルス信号 を送る機能を持つ。
 表示試験の結果、ちらつきが気にならなくなるのは約200Hz以上の時であった。この信号は、MC14513Bのに入力される。これは、入力が、ロウレベルになると、他入力に関係なく(ただし、のみハイレベル)、全セグメント出力がブランク(非点灯)になることを利用するためである。

・桁選択回路
 この回路は、74LS04(NOTゲート)からなり、2進2ビットのデータ書き込み桁選択信号を各桁のデータラッチON/OFF回路へと振り分ける機能を持つ。

・勝敗判定信号処理回路
 この回路は、74LS14(インバータシュミットトリガ)、PC817(光アイソレータ)からなり、勝敗判定装置からのON/OFF信号を電気的に絶縁し、レベルの判別をしてCPUボードに送る機能を持つ。(付録:回路図参照)
 また、勝敗判定装置とは、フロントボードの3ピンコネクタを用い接続される。

・チャタリング防止回路
 この回路は、74LS00(2入力NANDゲート)からなり、フロントボードの押しボタンスイッチからの信号のチャタリングを防止し、CPUボードに機能を持つ。

・データラッチON/OFF及びデータ処理回路
 データラッチON/OFF回路は、74LS10(3入力NANDゲート)からなり、桁選択回路からの桁選択信号とHandshake2からの信号を用いてデータを書き込むデコーダのラッチ機能をOFFし、データが書き込まれた後ラッチ機能をONさせる。つぎに、データ処理回路であるが、これは、MC14 513Bからなり、BCDコードで入力されたデータを7Seg.−Led.用の信号7ビット(a〜f)に変換する。また、データをラッチする機能を持つ。

・Green,Red−Led.ON/OFF回路
 この回路は、74LS06(インバータ(オープンコレクタ))からなり、CPUボードから送られてくるそれぞれのLed.のON/OFF信号を反転させ てフロントボードのLed.へ送る機能を持つ。

・4ビットディップスイッチ信号処理回路
 この回路は、74LS04(NOTゲート)からなり、フロントボードでの4ビットディップスイッチのスイッチングに対応した信号をCPUボードへ送る機能を持つ。

フロントボード

 フロントボードの回路構成図を図9に示す。ここでは、フロントボードの各回路について説明する。




・7Seg.−Led.回路
 メインボードのデータラッチON/OFF及びデータ処理回路から出力されたデータ信号は、メインボードとフロントボードをつなぐケーブルを通り7Seg.−Led.の対応するピンに入力される。

・Green,Red−Led.回路
 メインボードのGreen,Red−Led.ON/OFF回路から送られてくる各Led.のON/OFF信号は、メインボードとフロントボードをつなぐケーブルを通り各Led.に入力される。

・4ビットディップスイッチ回路
 4ビットディップスイッチにより入力されたON/OFF信号は、メインボードとフロントボードをつなぐケーブルを通り、4ビットディップスイッチ信号処理回路に送られる。

・押しボタンスイッチ回路
 押しボタンスイッチにより入力された信号は、メインボードとフロントボードをつなぐケーブルを通り、チャタリング防止回路に送られる。

ボード仕様
 130 rMMIボードは、メインボードとフロントボードに分かれている。メインボードの大きさは、VMEラックに収納する事を考慮に入れて決定した。その大きさは、100mm×140mmである。フロントボードの大きさは、VMEラックの側面に取り付ける事を考慮に入れて決定した。その大きさは、60mm×140mmである。
 今回、図4の外観図に示したように、MMIボードをフロントボードとメインボードに分けた。 メインボードとCPUボードは、40ピンコネクタとケーブルで接続する。当初の予定では、図6の外観図のように両ボードを接続してVMEラック内に格納するはずであった。しかし、フロントボードの大きさの制約があり、7Seg.−Led.の小型のタイプが入手できない事がわかったために、ボードを分離してメインボードとフロントボードを60ピンのコネクタとケーブルで接続する事となった。


以下に、メインボードとフロントボードの外形図を示す。



・メインボード

・フロントボード




インターフェイス仕様
以下に、各コネクタのピンアサインを示す。

CON1

ピン番号方向※内容ピン番号方向※内容
 1Vcc21-GND
 2Hadshake 122(PB0)4ビットディップスイッチON/OFF(0)
 3未使用TIN23-GND
 4Handshake 2 ※※24(PB1)4ビットディップスイッチON/OFF(1)
 5TOUT25-GND
 6(PA0)7Seg.-Led.data(0)26(PB2)4ビットディップスイッチON/OFF(2)
 7-GND27-GND
 8(PA1)7Seg.-Led.data(1)28(PB3)4ビットディップスイッチON/OFF(3)
 9-GND29-GND
10(PA2)7Seg.-Led.data(2)30(PB4)テスト信号入力
11-GND31-GND
12(PA3)7Seg.-Led.data(3)32(PB5)テスト信号出力
13-GND33-GND
14(PA4)7Seg.-Led.選択(下位)34(PB6)勝敗判定装置ON/OFF信号
15-GND35-GND
16(PA5)7Seg.-Led.選択(上位)36(PB7)未使用未使用
17-GND37-GND
18(PA6)Red-Led.ON/OFF38未使用Handshake 3
19-GND39GND
20(PA7)Green-Led.ON/OFF40Handshake 4 ※※※


※    方向は、”←”CPUボードからメインボードへの入力
         ”→”メインボードからCPUボードへの出力を表す。
※※  Handshake 2の信号は、デコーダのデータラッチのタイミング用である。
※※※ Handshake 4の信号は、押しボタンスイッチのON/OFF信号である。

CON2

番号方向※内容
未使用未使用
勝敗判定装置ON/OFF信号
勝敗判定装置ON/OFF信号(折り返し)


※    方向は、”←”勝敗判定装置からフロントボードへの入力
      ”→”フロントボードから勝敗判定装置への出力を表す。

CON3(CON4)

番号方向※内容番号方向※内容
 1未使用未使用31未使用未使用
 2未使用未使用32未使用未使用
 3未使用未使用33-GND
 4押しボタンスイッチon/off信号347Seg.-Led.1信号(a)
 5押しボタンスイッチon/off信号357Seg.-Led.1信号(g)
 6-GND367Seg.-Led.1信号(f)
 7未使用未使用377Seg.-Led.1信号(b)
 8未使用未使用387Seg.-Led.1信号(c)
 93\3ピンコネクタ(3)397Seg.-Led.1信号(d)
103ピンコネクタ(2)40
11未使用未使用41未使用未使用
12-GND42未使用未使用
134ビットディップスイッチON/OFF(3)43-GND
144ビットディップスイッチON/OFF(2)447Seg.-Led.2信号(a)
154ビットディップスイッチON/OFF(1)457Seg.-Led.2信号(g)
164ビットディップスイッチON/OFF(0)467Seg.-Led.2信号(f)
17-Vcc477Seg.-Led.2信号(b)
18Green-Led.ON/OFF信号487Seg.-Led.2信号(c)
19-Vcc497Seg.-Led.2信号(d)
20Red-Led.ON/OFF信号507Seg.-Led.2信号(e)
21未使用未使用51未使用未使用
22未使用未使用52未使用未使用
23-GND53-GND
247Seg.-Led. 0信号(a)547Seg.-Led.3信号(a)
257Seg.-Led. 0信号(f)557Seg.-Led.3信号(g)
267Seg.-Led. 0信号(f)567Seg.-Led.3信号(f)
277Seg.-Led. 0信号(b)577Seg.-Led.3信号(b)
287Seg.-Led. 0信号(c)587Seg.-Led.3信号(c)
297Seg.-Led. 0信号(d)597Seg.-Led.3信号(d)
307Seg.-Led. 0信号(e)607Seg.-Led.3信号(e)


※    方向は、”←”フロントボードからメインボードへの入力
   ”→”メインボードからフロントボードへの出力を表す。