マン・マシン・インタフェースボード
(1)マン・マシン・インタフェースの機能について
次の項目でも述べるが、ここで、7Seg.−Led.を4桁に増やした。
7Seg.−Led.を4桁に増やした理由としては、図1に示してあるように
最上位桁を表示データの種類の表示用に用いて、残りの3桁をデータ表示用に用
いた場合、データの種類は、0〜9の10種類あれば十分であり、データは例え
ば、自機位置座標を表すのであれらばセンチメートル表示で3桁あれば十分であ
る(競技場の大きさは、2m×2m)と考えられるからである。同様に、ディッ
プスイッチを4ビットにした理由としては、動作モードの種類は、テストプログ
ラムモード、競技本番用モード、ペナルティーモード等が上げられ、4ビット
(=16種類)あれば十分足りると考えたからである。
(2)マン・マシン・インタフェースボードの概要
@構成
MMIボードの主な仕様は、図2にあるように7Seg.−Led.(デー
タ表示用)が4個、4ビットディップスイッチ(モード設定用)が1個、
Green,Red−Led.(状態表示用)が各1個、押しボタンスイッチ
(表示切替用)が1個である。MMIボードは、メインボードとフロントボードに
分かれている。メインボードの大きさは、VMEラックに収納する事を考慮に入れ
て決定した。その大きさは、100mm×140mmである。フロントボードの大
きさは、VMEラックの側面に取り付ける事を考慮に入れて決定した。その大きさ
は、60mm×140mmである。
今回、図3の外観図に示したように、MMIボードをフロントボードとメインボ
ードに分けた。メインボードとCPUボードは、40ピンコネクタとケーブルで接
続する。当初の予定では、図4の外観図のように両ボードを接続してVMEラック
内に格納するはずであった。しかし、フロントボードの大きさの制約があり、7S
eg.−Led.の小型のタイプが入手できない事がわかったために、ボードを分
離してメインボードとフロントボードを60ピンのコネクタとケーブルで接続する
事となった。
(3)マン・マシン・インタフェースボードの機能性能
@メインボード
図5は、メインボードの回路構成図である。ここでは、メインボードの回路を7つ
に分けてそれぞれの回路の機能等について説明する。
・パルス点灯発生回路
まず、今回、7Seg.−Led.をパルス点灯させる事となった理由とそ
の詳細を示す。
いままでのマン・マシン・インタフェースボードでは、7Seg.−Led.
の数が少なく、あまり多くの情報を一度に表示することができなかった。先程
述べたように、今回MMIボードでは、7Seg.−Led.の数を4個にし
た。普通に表示を制御するには各Led.で4ビット合計16ビット必要であ
るが、ポートの制限もあり、図5の回路構成図にあるように68230のA
ポートの8ビットのうちPA0〜PA5までの6ビットを使って表示をするよ
うにした。そこで、ラッチ機能を持つデコーダを使用することにし、6ビット
のうちの4ビットをLed.のデータ用に使い、残りの2ビットを桁の選択用
に使うように工夫した。
ここで、問題となったのは、7Seg.−Led.の消費電流の増加である。
Led.の消費電流は、1segment当り約20mAなので7Seg.−
Led.が全部点灯したとすると約0.56Aもの電流が流れることになる。
これは、電池で駆動するMIRSシステムにとっては大きな負荷になる。
そこで、図6に示すように4つの位相の異なる方形波を作り、7Seg.−
Led.をパルス点灯させることにより消費電流を約1/4にするようにした。
一つの桁が点灯して再び点灯する間隔が短い為、見た目には、すべての桁が点
灯しているように見える。また、これにより7Seg.−Led.の電流は、最大
で約0.14Aになる。この回路は、74LS161(4ビットバイナリ(2進化1
6進)カウンタ)、 74LS00(2入力NANDゲート)、74LS08(2入
力ANDゲート)からなり、7Seg.−Led.の下位の桁から順に上位の桁へ
と、パルス信号を送る機能を持つ。
表示試験の結果、ちらつきが気にならなくなるのは約200Hz以上の時であった。
この信号は、MC14513Bのに入力される。これは入力が、ロウレベルになると、
他入力に関係なく(ただし、のみハイレベル)、全セグメント出力がブランク(非点
灯)になることを利用す るためである。(付録:回路図参照)
・桁選択回路
この回路は、74LS04(NOTゲート)からなり、2進2ビットのデータ
書き込み桁選択信号を各桁のデータラッチON/OFF回路へと振り分ける機能
を持つ。(付録:回路図参照)
・勝敗判定信号処理回路
この回路は、74LS14(インバータシュミットトリガ)、PC817(光
アイソレータ)からなり、勝敗判定装置からのON/OFF信号を電気的に絶縁
し、レベルの判別をしてCPUボードに送る機能を持つ。(付録:回路図参照)
また、勝敗判定装置とは、フロントボードの3ピンコネクタを用い接続される。
(付録:回路図、3.4インタフェース参照)
・チャタリング防止回路
この回路は、74LS00(2入力NANDゲート)からなり、フロントボー
ドの押しボタンスイッチからの信号のチャタリングを防止し、CPUボードに機
能を持つ。(付録:回路図参照)
・データラッチON/OFF及びデータ処理回路
データラッチON/OFF回路は、74LS10(3入力NANDゲート)か
らなり、桁選択回路からの桁選択信号とHandshake2からの信号を用い
てデータを書き込むデコーダのラッチ機能をOFFし、データが書き込まれた後
ラッチ機能をONさせる。つぎに、データ処理回路であるが、これは、MC14
513Bからなり、BCDコードで入力されたデータを7Seg.−Led.用
の信号7ビット(a〜f)に変換する。また、データをラッチする機能を持つ。
(付録:回路図参照)
・Green,Red−Led. ON/OFF回路
この回路は、74LS06(インバータ(オープンコレクタ))からなり、C
PUボードから送られてくるそれぞれのLed.のON/OFF信号を反転させ
てフロントボードのLed.へ送る機能を持つ。(付録:回路図参照)
・4ビットディップスイッチ信号処理回路
この回路は、74LS04(NOTゲート)からなり、フロントボードでの4
ビットディップスイッチのスイッチングに対応した信号をCPUボードへ送る機
能を持つ。(付録:回路図参照)
Aフロントボード
フロントボードの回路構成図を図7に示す。ここでは、フロントボードの各回路に
ついて説明する。
・7Seg.−Led.回路
メインボードのデータラッチON/OFF及びデータ処理回路から出力されたデータ
信号は、メインボードとフロントボードをつなぐケーブルを通り7Seg.−Led.
の対応するピンに入力される。(付録:回路図参照)
・Green,Red−Led.回路
メインボードのGreen,Red−Led.ON/OFF回路から送られてくる各
Led.のON/OFF信号は、メインボードとフロントボードをつなぐケーブルを通
り各Led.に入力される。(付録:回路図参照)
・4ビットディップスイッチ回路
4ビットディップスイッチにより入力されたON/OFF信号は、メインボードとフ
ロントボードをつなぐケーブルを通り、4ビットディップスイッチ信号処理回路に送ら
れる。(付録:回路図参照)
・押しボタンスイッチ回路
押しボタンスイッチにより入力された信号は、メインボードとフロントボードをつな
ぐケーブルを通り、チャタリング防止回路に送られる。(付録:回路図参照)
(4)外形
以下に、メインボードとフロントボードの外形図を示す。
・メインボード
・フロントボード
(5)インタフェース
以下に、各コネクタのピンアサインを示す。
CON1
ピン番号 | 方向※ | 内容 | ピン番号 | 方向※ | 内容 |
1 | ← | Vcc | 21 | ー | GND |
2 | → | Handshake 1 | 22(PB0) | → | 4ビットディップスイッチON/OFF(0) |
3 | 未使用 | TIN | 23 | ー | GND |
4 | ← | Handshake 1※※ | 24(PB1) | → | 4ビットディップスイッチON/OFF(1) |
5 | ← | TOUT | 25 | ー | GND |
6(PA0) | ← | 7Seg.Led.data(0) | 26(PB2) | → | 4ビットディップスイッチON/OFF(2) |
7 | ー | GND | 27 | ー | GND |
8(PA1) | ← | 7Seg.Led.data(1) | 28(PB3) | ー | 4ビットディップスイッチON/OFF(3) |
9 | ー | GND | 29 | ー | GND |
10(PA2) | ← | 7Seg.Led.data(2) | 30(PB4) | ← | テスト信号入力 |
11 | ー | GND | 31 | ー | GND |
12(PA3) | ← | 7Seg.Led.data(3) | 32(PB5) | → | テスト信号出力 |
13 | ー | GND | 33 | ー | GND |
14(PA4) | ← | 7Seg.Led.選択(下位) | 34(PB6) | ← | 勝敗判定装置ON/OFF信号 |
15 | ー | GND | 35 | ー | GND |
16(PA5) | ー | 7Seg.Led.選択(上位) | 36 | 未使用 | 未使用 |
17 | ー | GND | 37 | ー | GND |
18(PA6) | ー | Red−Led.ON/OFF | 38 | 未使用 | Handshake3 |
19 | ー | GND | 39 | ← | GND |
20(PA7) | ← | Green−Led.ON/OFF | 40 | → | Handshake4 ※※※ |
※ 方向は、”←”CPUボードからメインボードへの入力
”→”メインボードからCPUボードへの出力を表す。
※※ Handshake 2の信号は、デコーダのデータラッチのタイミング用である。
※※※ Handshake 4の信号は、押しボタンスイッチのON/OFF信号である。
CON2
番号 | 方向※ | 内容 |
1 | 未使用 | 未使用 |
2 | ← | 勝敗判定装置ON/OFF信号 |
3 | → | 勝敗判定装置ON/OFF信号(折り返し) |
※ 方向は、”←”勝敗判定装置からフロントボードへの入力
”→”フロントボードから勝敗判定装置への出力を表す。
CON3(CON4)
番号 | 方向※ | 内容 | 番号 | 方向※ | 内容 |
1 | 未使用 | 未使用 | 31 | 未使用 | 未使用 |
2 | 未使用 | 未使用 | 32 | 未使用 | 未使用 |
3 | 未使用 | 未使用 | 33 | ー | GND |
4 | ← | 押しボタンスイッチON/OFF信号 | 34 | → | 7Seg.−Led.1信号(a) |
5 | ← | 押しボタンスイッチON/OFF信号 | 35 | → | 7Seg.−Led.1信号(g) |
6 | ← | GND | 36 | → | 7Seg.−Led.1信号(f) |
7 | 未使用 | 未使用 | 37 | → | 7Seg.−Led.1信号(b) |
8 | 未使用 | 未使用 | 38 | → | 7Seg.−Led.1信号(c) |
9 | ← | 3ピンコネクタ(3) | 39 | → | 7Seg.−Led.1信号(d) |
10 | ← | 3ピンコネクタ(2) | 40 | → | 7Seg.−Led.1信号(e) |
11 | 未使用 | 未使用 | 41 | 未使用 | 未使用 |
12 | ー | GND | 42 | 未使用 | 未使用 |
13 | ← | 4ビットディップスイッチON/OFF(3) | 43 | ー | GND |
14 | ← | 4ビットディップスイッチON/OFF(2) | 44 | → | 7Seg.−Led.2信号(a) |
15 | ← | 4ビットディップスイッチON/OFF(1) | 45 | → | 7Seg.−Led.2信号(g) |
16 | ← | 4ビットディップスイッチON/OFF(0) | 46 | → | 7Seg.−Led.2信号(f) |
17 | ー | Vcc | 47 | → | 7Seg.−Led.2信号(b) |
18 | → | Green−Led.ON/OFF信号 | 48 | → | 7Seg.−Led.2信号(c) |
19 | ー | Vcc | 49 | → | 7Seg.−Led.2信号(d) |
20 | → | Red−Led.ON/OFF信号 | 50 | → | 7Seg.−Led.2信号(e) |
21 | 未使用 | 未使用 | 51 | 未使用 | 未使用 |
22 | 未使用 | 未使用 | 52 | 未使用 | 未使用 |
23 | ー | GND | 53 | ー | GND |
24 | → | 7Seg.−Led.0信号(a) | 54 | → | 7Seg.−Led.3信号(a) |
25 | → | 7Seg.−Led.0信号(g) | 55 | → | 7Seg.−Led.3信号(g) |
26 | → | 7Seg.−Led.0信号(f) | 56 | → | 7Seg.−Led.3信号(f) |
27 | → | 7Seg.−Led.0信号(b) | 57 | → | 7Seg.−Led.3信号(b) |
28 | → | 7Seg.−Led.0信号(c) | 58 | → | 7Seg.−Led.3信号(c) |
29 | → | 7Seg.−Led.0信号(d) | 59 | → | 7Seg.−Led.3信号(d) |
30 | → | 7Seg.−Led.0信号(e) | 60 | → | 7Seg.−Led.3信号(e) |
※ 方向は、”←”フロントボードからメインボードへの入力
”→”メインボードからフロントボードへの出力を表す。
(6)ボードの関連ファイル(回路図、作成手順書、取り扱い手順書等)の表を次
頁に示す。