I/OSUBボード

概要
 I/OSUBボードは、超音波センサ回路、PWM回路、赤外線センサ回路の3つの回路
  を搭載した回路である。
回路構成
 超音波センサ回路
   超音波センサ回路の機能は大きく分けて、トリガが送られて来ると周波数40[kHz]の矩形を
   0.4[ms]の間、送信回路に出力する機能と、受信信号を受け取ると、割り込み要求信号をMPUに
    送る機能の二つがある。また、正しく距離計測を行うために、回りこみ波を無視する機能
      も備え付けられている。
   距離計測はタイマのカウンタ値を読む事で行う。このタイマは、トリガを
      受け取ってから受信を感知するまでの間回し続けるのでカウンタ値と音速より障害物迄の距離
   を知ることができる。


                     図.1 超音波センサ回路構成図
(1)発振回路
  この回路はコンデンサの放電を利用し、ゲートと組み合わせて構成した簡単な発振回路である。
    超音波センサ回路のメインクロックともなる重要な回路だがこの方法で正確に40[kHz]の
    周波数を作り出すことは難しい。また、ICにCMOSを使用しているので、回路自体が
    デリケートなこと、コンデンサの放電を利用しているので、少しの状況の変化
  (接触や、端子の先のRの値)によって、発振したりしなかったりと言うこともある。
   中央の抵抗値によって周波数が変化するので、最初は可変抵抗で抵抗値を変化させながら
   オシロスコープで、周波数を調べ丁40[kHz]の周波数を示した時、その時の可変抵抗の抵抗値
   にできるだけ近い値(約5.6kΩ)を持つ抵抗を付けた。
(2)ワンショット回路
  図.3にPLDにプログラムされたワンショット回路構成図を示す。ワンショット回路は、
  64進カウンタと制御回路で、構成されており、PLDを2つ使っている。
 この回路から、トリガ一回毎に、ガードパルス、タイミングパルス、送信用ワンショットを
  一回づつ出力する。送信用ワンショットとCLKとのANDをとって幅0.4[ms]、
  周波数約40[kHz]のパルスを送受信回路に出力する。ガードパルス、タイミングパルは、
 比較回路の項で述べる事にする。

                            図3 ワンショット回路
(3)タイマ制御部
 PIT内部のタイマを動かしたり、止めたりする部分である。タイマのカウントはトリガが
  送られて来てから、受信、又はタイマのオーバーフローが起こるまでの間行われる。この制御
  はRS−FFで行い、タイマのスタート信号のON/OFF制御をする。
 PIT内蔵のタイマは、設定によりいろいろ選べるが、この回路ではオーバーフローを検出できる
「Device.Watchdog」と言うタイマを選んだ。図.4にこのタイマの動作を示す。


                   図4 タイマの動作
(4)比較回路
 比較回路では主にノイズの除去と回り込み波による影響の無視を行う。受信回路から送られて
  来た受信波と、基準電圧をコンパレータで比較し、基準電圧より低い電圧の信号を除去する。
 また、回りこみ波の除去については送信してから、一定時間基準電圧のレベルを上げる事で対処する。
  この時間はタイミングパルスによって決められる。
(5)基準電圧発生部
 超音波は波の性質を持っているため、スピーカから送信された超音波が、直接マイクで受信
  されてしまう。このため、障害物からの距離に関係なく、同じタイミングで受信が起きる事になる。
  回り込み波を受信する時間さえわかっているなら、その間だけ基準電圧を5Vに引き上げれば、
  回り込み波による影響をコンパレータによって、打ち消す事が出来る。この基準電圧発生部は、
  コンデンサの放電を利用して、タイミングパルスから基準電圧を作り出す部分である。
(6)マルチプレクサ(MX)
 搭載されている4対のセンサの内、一度に距離計測が出来るのは1対だけである。計測を行うとき
  には4対の内1対を選ばなければならない。マルチプレクサは、コネクタを通じて4つの送受信回路
  と直結しており、PITから送られてくるセンサ選択信号により、使用する1対のセンサを選択する。
 センサにはそれぞれ0から3まで番号がつけられていて、センサ選択信号もそれに対応して00から
 11迄の2ビットの信号より成り立っている。
PMW回路
 この回路は、モータを制御する信号であるPWM信号を作り出し、方向データと共に出力する
回路である。速度データとカウンタのカウント値との比較によりPWM信号を形成している。
この信号のDuty比は、速度データで128段階に変化させている。図.5にPWM回路の構成図を示す。

                      
                                    図5 PMW回路構製図

 右速度・方向データは68230のportAから、左速度・方向データはportBから送られてくる。カウンタ
  のCLKは、68230のToutから得る。PWM信号発生回路は、カウンタより得られた8bitのカウント値
  と7bitの速度データとの比較によりPWM信号を形成している。PWM信号波形形成原理図を図.6
  に示す。図.6からもわかる様に今回設計製作した基板は、Duty比が0%〜50%までのPWM波形
  を出力するようにしたものである。

                  図6 PMW回路構成図
赤外線センサ回路
  赤外線センサ回路は、赤外線センサ信号処理回路と外部回路である赤外線周辺回路から成る。
  この回路は、赤外線周辺回路から送られてくるHigh level もしくは Low levelの信号を処理し、
  信号に状態変化がおきた時に、割り込み要求信号をMPUに送る機能を有する。またそのとき
  の各受光素子の状態は後述のレジスタを読むことにより得る。
 I/OSUBボードに搭載されているこの信号処理部は主に周辺回路からの赤外線信号の同期をとる信号
 同期部と68230に割込み要求をする割込み信号発生部からなる。信号同期部は 74LS574が
  3個割込み発生部は74LS688,74LS00各1個ずつで構成する。
          
                                  図7 赤外線センサ回路構製図
 ボード仕様

 各基板の部品の詳細
  実装図は前ページを参照
   CN1:PCN10シリーズDIN41612(準拠)	
	    VME-busコネクタ	
   CN2:PS-50PE-D4LT1-PN1(航空電子)	  50ピンコネクタ	
 超音波センサ回路
   IC10:4052(マルチプレクサ)
   IC11:4069(CLK発振用IC)
   IC12:16V8(PLD)
   IC13:μPC339(コンパレータ)
   IC14:16V8(PLD)
   IC15:LS00(AND)
   IC16:LS04(NOT)
   IC17:LS279(R-S FF)
   C10〜C17:(バイパスコンデンサ)
	  VCCとGND間のノイズ除去の為に取り付ける。
   C18:(発振用コンデンサ)
	    発振回路にあるコンデンサ。
   C19:(ガード回路コンデンサ)
	    コンパレータの入力に取り付けられたコンデンサ。
   R6 :発振回路用抵抗
   R7 :発振回路用抵抗
   R8 :プルアップ抵抗
   R9 :基準電圧用抵抗
   R10:基準電圧用抵抗
   R11:プルアップ抵抗
   D1 :タイミングパルスを通すダイオード。
   CN3:航空電子16ピン(アングルタイプ)

 6−2 PWM回路
   IC1:7407
      (オープンコレクタ出力 buffer×614ピン) 
        20[mm]×6[mm]
   IC2・IC4:74LS684
          (8bit comparater×1 20ピン) 
			  25[mm]×6[mm]
		  
   IC3 :74LS590
       (8bit counter×1 18ピン) 
		  19[mm]×6[mm]
   IC18:74LS04
       (NOT × 6 14ピン) 
		  20[mm]×6[mm]
   C1〜C4:104
        (バイパスコンデンサ) 
    CN5 :MOLEX 5ピンコネクタ (5046-05A)アングルタイプを使用

 6−3 赤外線センサ回路
   CN4 :航空電子16ピン(アングルタイプ)
   IC5,6,7:74LS574
	      8入力D FF
         /OCはGNDにおとしておく
   IC8 :74LS688
	    8ビットデジタルコンパレータ
   IC9 :74LS00
		  NAND×4
   C5,6,7,8,9:バイパスコンデンサ


インターフェイス仕様
  超音波センサ回路
*68230から本ボードへの方向は”→”で表す。

                     (T)は、ITP用テストピンである。

CN3ピンアサイン
コネクタ:16ピンコネクタアングルタイプPS-16PLB-D4LT1-FL1(航空電子)


3−4−2PWM回路
CN5ピンアサイン

3−4−3赤外線センサ回路
CN4ピンアサイン