1994年度
MIRS開発チーム第5班

システム総合試験計画書

目次

項目作成者
概要平田
手順平田
初期状態試験平田
単純走行試験平田
センサ性能試験平田
リモートコントロール機能試験平田
ペナルティ戦モード試験平田
通常モード試験土屋
平田

1.概要

システム総合試験の詳細を本ドキュメントで規定する。
各テストコマンドは外部端末よりRS−232Cを介して発行され、その結果は外部端末に返される。テストプログラムは使用しない。但し外部端末から操作が正常に行われない場合は、この限りではない。

2.手順

システム総合試験は次の手順で行なう。

  1. 初期状態試験
  2. 単純走行試験
  3. センサ性能試験
  4. リモートコントロール機能試験
  5. ペナルティー戦モード試験
  6. 通場モード試験

各試験の詳細は、以下に述べる。

3.初期状態試験

<目的>

MIRSが完成して、最初に行なう試験である。電源投入から単純 走行試験に移る前に異常がないか調べる。

<使用器具>

テスター

<手順>

@ 電源投入

<検査項目>

 1-1 電源投入後、モータなど各部分に異常な動きがないか。

 1-2 規定の場所に規定の電圧がきているか。

 1-3 LED表示は正常であるか。

4.単純走行試験

<目的>

MIRSの基本的な駆動性能を調べる。

<使用器具>

外部端末、ストップウォッチ、メジャー

<手順>

 @ 発進    :静止した状態からMIRSを発進させ、最高速まで加速する。その時の距離と時間を測定する。

 A 直線定速走行:凹凸のない水平な10mほどの直線上を、0.3m/sec,1m/sec(最高速度)で定速走行させる。

          その時の距離と時間を測定する。

 B 円走行   :定速で、およそ半径 50cm の円周上を10周以上走行させる。右回り・左回り両方行う。 

 C 屈折走行  :屈折(直角カーブ)したライン上を走行させる。

 D 8の字走行 :円走行と同様に、8の字に走行させる。

 E 旋回    :その場で右回りに10回転以上回転させる。

          左回りも同様に行う。

<検査項目>

 1-1 自然に発進ができるか。加速が要求性能を満たしているか。

 2-1 直線定速走行において、速度が要求された速度に達しているか。

   速すぎたり、遅すぎたりしないか。

 2-2 直線定速走行において、左右へずれないか。

 3-1 円走行において、定速で走行できているか。

   どれだけ速く走行できるか。

 3-2 円走行において、軌道がずれないか。

 4-1 屈折走行において、スムーズに曲がることができるか。

 4-2 屈折走行において、回転角が90度になっているか。

 5-1 8の字走行において、定速で走行できているか。

 5-2 8の字走行において、軌道がずれないか。

 6-1 旋回がスムーズに行えるか。

 6-2 旋回の中心がずれないか。

5.センサ性能試験

<目的>

センサ部が正常に機能するかを調べる。そして、MIRSがセンサ の反応に対し適切な行動をするか調べる。

<使用器具>

外部端末、障害物、メジャー、赤外線LED、ロジックアナライザ

<手順>

 @ 超音波センサ性能試験

  1-1 静止した状態で、障害物までの超音波センサの測定値と実際の距離を比較する。

  1-2 障害物をフィールド上に置き、MIRSを走行させ、超音波センサの反応を調べる。

  1-3 MIRSをフィールド上に置き、壁との距離を測定する。

 A 赤外線センサ性能試験

  2-1 静止した状態で、赤外線センサに赤外線を当てる。この時、ロジックアナライザで反応を確かめる。

  2-2 MIRSを走行させ、左右の赤外線センサに赤外線を当てる。

  2-3 MIRSを走行させ、前面の赤外線センサに赤外線を当てる。

  2-4 MIRSを走行させ、後面の赤外線センサに赤外線を当てる。

  2-5 MIRSを走行させ、自機の赤外線LEDを反射させる。

 B タッチセンサ性能試験

  3-1 静止した状態で、タッチセンサを反応させる。この時、

    ロジックアナライザで反応を確かめる。

  3-2 MIRSを走行させ、タッチセンサを反応させる。

  3-3 MIRSを走行させ、故意にタッチセンサを壁に接触させる。 C 勝敗判定装置性能試験

  4-1 MIRSを走行させ、故意に勝敗判定装置を押す。

  4-2 MIRSに適当な衝撃を与え、勝敗判定装置が反応しないか調べる。<検査項目>

 1-1 静止した状態で超音波センサの測定値が実際の距離の±10%以内に収まっているか。

 1-2 走行中に超音波センサが反応するか。その反応によりMIRSが適切な行動をするか。

1-3 壁との距離を測定したとき、測定精度が十分であるか。

2-1 静止した状態で赤外線センサが正常に反応するか。

 2-2 走行中に左右の赤外線センサが反応するか。その反応によりMIRSが適切な行動をするか。

 2-3 走行中に前面の赤外線センサが反応するか。その反応により

   MIRSが追跡行動をとるか。

 2-4 走行中に後面の赤外線センサが反応するか。その反応により

   MIRSが回避行動をとるか。

3-1 静止した状態でタッチセンサが正常に反応するか。

 3-2 走行中にタッチセンサが反応するか。そのとき壁か相手機かを判断し、回避行動をとるか。

 4-1 走行中に勝敗判定装置が反応するか。その反応によりMIRSが停止するか。

 4-2 衝撃により、勝敗判定装置が反応することがないか。

6.リモートコントロール機能試験

<目的>

外部端末の操作によって、MIRSがその命令通りリアルタイムに 行動するか調べる。

また、相互間でデータの受け渡しが正常に行われるか調べる。

<使用機器>

外部端末

<手順>

 @ リモコンモードにおいて、リアルタイムに外部端末から

   MIRSを操作する。

<検査項目>

 1-1 MIRSが命令通りリアルタイムに行動するか。

 1-2 MIRSからのデータを外部端末側で取得できるか。

7.ペナルティ戦モード試験

<目的>

 MIRSがペナルティ戦モードで正常に動作するか調べる。

<使用器具>

 相手MIRS(またはその代わりとなるもの)

<手順>

 @ ペナルティ戦モードにおいて、実際にMIRSを走らせる。

<検査項目>

 1-1 リモコンモードで操作したデータの通りに行動するか。

 1-2 最終的に相手MIRSの勝敗判定装置を押すか。

8.通常モード試験

<目的>

 通常モード(=実際の競技)において、MIRSが正常に動作する か調べる。この試験が最終の試験となる。

<使用器具>

 相手MIRS(またはその代わりとなるもの)

<手順>

 @ あらゆる場面を想定し、MIRS競技を行う。

<検査項目>

 1-1 初期モードにおいて、適切な行動をとるか。

 1-2 超音波センサの反応により、初期モードから探索モードへ遷移するか。

 1-3 探索モードにおいて、適切な行動をとるか。

 1-4 赤外線センサの反応により、追跡モードへ遷移するか。

 1-5 追跡モードにおいて、適切な行動をとるか。

   最終的に相手MIRSの勝敗判定装置を押すことができるか。

 1-6 赤外線を見失ったとき探索モードへ遷移するか。

 1-7 修正モードが正常に機能するか。

 1-8 タッチセンサの反応により、回避モードへ遷移するか。

 1-9 後面の赤外線センサの反応により、回避モードへ遷移するか。

 1-10回避モードが正常に機能するか。

 1-11勝敗判定装置が押されたとき、停止モードが動作するか。