モトローラのMPU 68000は、特別な入出力命令を持たず、I/Oをメモリー空間に配置するメモリー・マップト方式を採用している。常に16Mバイトのメモリー空間を一様にアクセスすることができる。68000では、常にCLK入力の10クロック分のE信号を定期的に出力している。通常68000のデータ入出力 は、E信号と関係なく非同期に行われている。68000は16ビットCPUでありながら内部レジスタは、すべて32ビットになっている。又、レジスタは用途に関してあまり制限の少ない汎用レジスタ方式を採用しているので、レジスタ間のデータ転送などの回数を減らすことができる。
68000のレジスタは、データレジスタ Dn(n:0〜7)、アドレスレジスタ An(n:0〜7)、ステータスレジスタSR、プログラムカウンタPCがある。データレジスタ・アドレスレジスタのうち用途が決まっているのは、スーパバイザ用スタックポインタ(SSP)とユーザ用スタックポインタ(USP)の2本だけで後は、汎用レジスタとして使うことができる。SSP・USP共にA7割り当てられていて、どちらを使うかはSRの内容(Sビット)によって決まる。
68000は、システムプログラムが資源管理などの操作をすることができるように、実行時の状態をスーパバイザステートとユーザステートに分けて、幾つかの命令は、スーパバイザステートでしか実行できないようにしている。これらの命令は、特権命令と呼ばれSRの変更や割り込み処理に関する命令郡がこれに属する。
68000は、1、4、8、16、32ビット長のデータを取り扱うことができる。これらの内容としては、ビットデータ、二進化十進数、バイトデータ、ワードデータ、ロングバイトデータを持つことができる。データレジスタは、4種類のデータを保持することができるが、アドレスレジスタは、16ビット、32ビットを単位として扱う。
例外処理VECTORは、CPUが例外処理ルーチンのアドレスを得る為に0〜255番までの256種類が用意され、0番地から3FF番地までの1Kバイトに配置されている。このため必要とする応じた例外処理プログラムの先頭番地をVECTOR TABLEに書き込んでおかなければならない。