7. DCモータ


7.1 今回使用するモータの緒言

製品名(メーカー)RS−380PH
定格電圧 eo7.2(v)
定格負荷 τn100(gf・cm)
定格電流 in2900(mA)
定格回転数 ωn14200(rpm)
定格出力 14.6(w)
消費電力20.9(w)
効率(定格時)70(%)
無負荷回転数ωmax16400(rpm)
トルク定数 Kt34.5(gf・cm/A)
逆起電力定数 KE0.00044(v/rpm)
電機子抵抗 R0.33(Ω)


7.2 直流モータの特性

Fig 7.1  直流モータの特性(19KB)
Fig 7.1 直流モータの特性


7.3 DCモータのしくみ

Fig 7.2 DCモータのしくみ(13KB)
Fig 7.2 DCモータのしくみ

直流モータは、@モータの端子間に電圧をかけると、電流が流れトルクを発生してモータの回転を加速します。Aモータの端子間を短絡させると、モータは発電機となり、逆向きの電流が流れるため、回転をとめようとするトルクが発生しま。又、Bモータの端子間を開放すると、電流は流れないので、トルクは発生せず、惰性で回転を続けます。これをアナログ的に制御し、希望する回転数で回転させる方法の一つにPWM制御があります。


7.3 PWM制御の調査

PWM制御は、直流モータをアナログ的に制御し、希望する回転数で回転させるための一つの方法である。その方法は、次のようである。適当なパルス列を発生、そのパルスによりスイッチングを行って、モータの端子に電圧を印加したり、開放したりする。この時、そのパルスのデューティー比を変えることにより、等価的なアナログ制御を行う。


7.4 バッテリーの調査

MIRSの電源としてNi−Cdバッテリー(7.2V−1700mAh)を2本使用する。1本は5Vに変換し、センサI/Fボードと68000I/Oボードに送られて、もう1本は、駆動用として可逆パワー変換ボードに送られる。メインスイッチにより5V電源が入り、スタートスイッチにより駆動用電源が入るようになっている。


7.5 ギア比の算出方法

MIRS本体の総重量   M [kg]
タイヤの直径     d [m]
最高速度       Vmax [m/s]
最高加速度      αmax [m/s2]とすると
加減速に必要な力  Fmax=M・αmax
加減速に必要なトルク Tmax=Fmax・d/2 ギア比iは、
トルク面では i≧Tmax/適性負荷=A
速度面では i≦定格回転数・π・d/最高速度=B
∴A≦i≦B の間からギア比iを選ぶ。


7.6 回路概略図

Fig 7.3 回路概略図(17KB)
Fig 7.3 回路概略図


7.7 速度データの説明

Fig 7.4 速度データの説明(14KB)
Fig 7.4 速度データの説明


7.8 可逆パワー変換ボード

Fig 7.5 可逆パワー変換ボード(28KB)
Fig 7.5 可逆パワー変換ボード


7.9 可逆パワー変換ボードの説明

モータに電流が流れると、一時的に電力が急上昇し、それと同時にソフト部の電力が急降下し、支障が出る。そのため電源を別々にしなければならない。また、モータによるノイズがソフト部に影響を及ぼすので、グランドも別々にしなければならない。したがってソフト部との電気的つながりを一切断たなければならない。そこでフォトトランジスター(TLP521)を利用し、(2SK971)に電圧をかけ、モータのスイッチをON,OFFしたり、リレー回路によってモータに流れる電流の向きを変換させ、モータの回転方向を変換する。


7.10 PWM制御回路の説明

@クロック分周回路・・・MPUから出ている800[kHz]のクロックを4分周して200[kHz]にする。
Aキャリア信号生成回路・・・@回路からくる200[kHz]のクロックを256分周して、780[Hz]のキャリア信号を作る。
Bパルス生成回路(右)・・・ソフト部から送られてくる7bitの速度データをPWM信号に変換している。
Cパルス生成回路(左)・・・B回路と同じ作業をする。


7.11 パルスの説明

ソフトから送られてくる8bitデータを、PWM制御回路を通すことにより、パルスを生成する。このパルスによってモータを動かすことにより、モータはパルス信号が送られていない間も惰性で回転するため、消費電力を節約するという利点がある。