二足歩行ロボットの開発 その4

ここでは、二足歩行ロボットの仕組み解説をします。
重心移動

まず二足歩行する際には、片足をあげて、前に出すという動作をします。そこで、片足を上げる時に重心を移動 しないまま足をあげると、上げた足の方へ倒れます。これは、当たり前です。
そこで、先ほども言った様に重心移動をします。これは片足を上げたときに、倒れないように上げる足と 反対側へ重心を移動させます。
この重心の移動の仕方には何種類かあって、重りとなる重しを移動させて重心を移動させたり、 腰を曲げて体重を移動させたりする方法もあります。
ですが、ここでは一番ポピュラーな足首を傾けて重心を移動させる方法をとります。見た目が一番良いからです。


動力伝達機構

次に動力伝達機構について説明します。
この二足歩行ロボットは、モーターを3つ使っていますが、股関節動作のための動力のトルクを 稼ぐために、一箇所にモーターを二つ連結させているので、動作的に必要なのはモーターは二つという事になります。
次のCAD図を見てください。動力を股関節動作用、足首傾斜用、股関節開度検査用そして動力はありませんが、ひざ間接の 伝達装置を分けています。



動力伝達機構図
  • 足首傾斜用動力伝達経路では、前面に設置されたモーターから足の内側を経由して、ウォームギアを伝って カムを動かして足首を傾斜させます。足首を傾斜させる際には、すべての体重が足首間接にかかるので、大きなトルク が必要になります。ここで足首の縦方向の間接と足首を傾斜させる動力の軸を同一にさせると、大きな負荷が かかり過ぎて、軸が歪んだり、折れたりします。そこで、このロボットの様に足首の縦間接を足首の内側寄りにし、 動力が伝わる中央の軸と分けることで、体重移動がより安全に行えるようになりました。
  • 股関節動作用動力伝達経路は、両足を同時に動かすパワーが必要なためモーターひとつの力では速度が落ちすぎて しまいます。そこで同じRCXのポートにコードを二つ接続してモーターを並列接続とし、そのモーターを交互に向かい合わせ ギアをリンクさせます。そうする事で、トルクが稼げて股関節の稼動速度が上がります。
  • 股関節開度検査用のギアでは、カムを回転させそのカムがタッチセンサを押す仕組みになっています。 ロボットを走行させる際には、股関節を最大開度の時に前に来た足のカムがタッチセンサを押すようにカムの位置を調整してください。
  • ひざ間接常時垂直用の機構は、動力はありません。これは股関節が動作したとき、このギアはひざ間接とリンクしており、 ひざ、いわゆるスネを垂直に保つようにします。一番上のギアは固定しており、大腿部が動く事で他の緑のギアが 回転し、ひざを動かします。


ひざ間接の図