X ウィンドのいろは

ここでは、UNIX の標準的なウィンドシステムである、X window について解説します。

X window システムは、Microsoft の Windows と同様に、GNU の操作 環境を提供してくれますが、ネットワーク透過性などの点において 優れた特徴を持っています。

演習室で、XFree86という x86マシン(PC)用に開発されたフリーソフトの X window システムを利用しており、 ウィンドウマネージャには、Window maker を 利用するための環境設定ファイルを用意しています。

  1. X ウィンドウの起動前の準備
      /usr/local/etc/skel
    
    から、ドットファイルをホームディレクトリにコピーしてあ るか確認して下さい。 上記のファイルをコピーして、はじめて X ウィンドウを起動する場合は、 起動前に、
      wmaker.inst
      wsetfont japanese
    
    を実行して下さい。

  2. X ウィンドの起動

    X を起動させるには、

        > startx 
    とタイプします。

  3. X ウィンドウの終了

    1. ウィンドウマネージャが window maker であるとき、X ウィンドウ を終了させるには、バックランド(何かのウィンドウがない領域) のところにマウスを持っていき、そこで、右クリックします。
    2. すると、「アプリケーション」というウィンドウが出てきます。 その一番下の「終了」を選択すると、さらにその子ウィンドウ に「終了」があるので、それを選択します。
    3. すると、「終了しますか」というダイアログが出てきますので、 「はい」を選択します。

    window maker は、終了したときのウィンドウの状態を保持して終了しまので、 例えば、kterm を起動した状態のまま終了すると、次回の起動時に、 kterm が同じ状態で自動起動します。

  4. X ウィンドウの基本操作

    マウス
    X window では、マウスが使えます。マウスはアクティブな window の 切替え、カット&ペーストなどに利用します。

    X window は、3ボタンマウスを想定したウィンドです。 しかし、演習室の一部のマシンは 2 ボタンマウスになっています。 この場合は、左右のボタンを同時に押すことで、中ボタンを押したのと同じ動作をします。

    X window 上でのカット&ペースト
    X window 上では、画面に表示されている文字ののカット&ペーストが可能です。

    [手順]

    1. 範囲の選択
    左ボタンを押しながら、マウスを移動させると、その移動した 範囲の色が反転します。その範囲が、コピー対象領域となります。
    2. ペースト
    張り付けたい場所にカーソルを持っていき(application に よっては左クリックで移動場所を確定し)、中ボタンを押します。

  5. ウィンドマネージャ

    ウィンドマネージャとは、X window のクライアント(一つ一つのウィンドウ) を管理するソフトウェアです。

    ディフォルトの設定環境では、X の起動時に、Window Makerというウィンドマネージャが起動します。

    演習室では wmaker (window maker) 以外に、

    twm : X window に標準のウィンドマネージャ
    fvwm : Motif ライクなウィンドウマネージャ
    fvwm95 : Window95 のデスクトップに似せた FVWM
    afterstep : Nextstep ライクなウィンドウマネージャ
    などが利用可能です。

    X ウィンドウ起動時のウィンドウマネージャの選択は、 ~/.xinitrc で行っています。例えば、最終行の

      exec wmaker 
      exec fvwm 
    に変更すれば、fvwm がウィンドウマネージャとして起動されます。 /usr/share/skel.fvwm/.fvwmrc に 1998年度まで配布していた fvwm の設定 ファイルがあります。fvwm を利用する際は、これをホームディレクトリに コピーしてご利用下さい。

  6. X ウィンドウの終了

    X window の終了の仕方は、ウィンドウマネージャによって異なります。 wmaker を利用している場合は、バックグラウンド上で、右ボタンを押して Exit の Exit を選択します。

  7. X のアプリケーションの起動

    X ウィンドウのアプリケーションは、/usr/X11R6/bin にある全てのコマンドと、 /usr/bin にあるいくつかのコマンドです。 ディフォルトの環境で、両方のディレクトリにパスがとおっていますので、 どのディレクトリにいても、そのコマンドをタイプすれば、これらのアプリ ケーションを起動できます。

    ただし、起動の際に、コマンドの後に、"&" を付けるればバックグランド でアプリケーションが動作するようになり、そのコマンドタイプしたウィンドウ も、そのまま利用できます。

    [例]

         > kterm & 
    これに対し、& を付けずに
         > kterm 
    とすると、このアプリケーションを終了するまで、これを起動した ウィンドが利用できません。

    X のアプリケーションでおなじみのものには、

    xterm , kterm : 端末エミュレータ
    xclock, oclock : 時計
    xcalc : 電卓
    xbiff : 郵便箱
    xcalendar : カレンダー
    xeyes : 目
    などがあります。

  8. 端末ウィンドウのリセット

    他のマシンにログインしたときなど、場合によって、ラインフィード しなくなるなど、端末ウィンドウの表示が正常でなくなること があります。このような場合は、そのウィンドウ上で、

        Ctrl + マウス中ボタン
    を押すと、VT options のウィンドウが現れますので、そこで、
        Do fost reset
    を選択し実行します。それでも、表示がおかしいようなら、その下の、
        Do full reset
    を選択して実行します。

  9. X の強制終了

    ウィンドマネージャを誤って kill したりして、X で入力ができな くなったときは、

          Ctrl + Alt + Back-sapce (この3つのキーを同時に押す)
    で、強制的に X から抜けることができます。

  10. X の解像度の変更

    X ウィンドウの解像度は、次のキーを3つ同時に押すことによって 変更できます。

          [Ctrl] + [Alt] + [+]または、
          [Cntl] + [Alt] + [-]
      
  11. コンソールの切り替え
      Ctrl + Alt + F1 (or F2, F3)
    を同時に押すと、別のコンソール(ログインウィンドウ)に移動できます。

    もとに戻るには、

      Cntl + F4
    を押します。

    X ウィンドウを起動していない状態では、

        Ctrl + F1,  Ctrl + F2,  Ctrl + F3
    で3つのコンソール画面を切り替えることが可能です。

  12. ウィンドウ環境のカスタマイズ

    ウィンドウ環境は、カスタマイズすることが可能です。 カスタマイズする方法は、ウィンドウマネージャによって異なります。

    wmaker の場合は、マウスの右ボタンを押して、Appearance などをいじる ことでも変更できます。 設定変更ファイルは、~/GNUstep 以下に保存されていますので、これを 直接編集しても OK です。カスタマイズの詳細は、Window Maker 完全FAQ のページなどを参照して下さい。

    fvwm のカスタマイズは、~/.fvwmrc を変更することで行います。この詳細は、 FVWM のホームページなどを参照して下さい。 演習室にある UNIX 入門の本にも、fvwm のカスタマイズの説明があります。


Last update: Jun, 8, 2000 by ushimaru@ece.numazu-ct.ac.jp