MIRSMG5 管理台帳へ戻る

名称 MG5 とは
番号 MIRSMG5D-SYST-0001
版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2024.03.22 小谷 進 青木悠祐 初版

MIRSの歴史とMIRS Generation 5(MG5)

沼津高専電子制御工学科では、1988年より4年次開講の「電子機械設計製作」において、 PBL形式の小型自律移動ロボット製作をカリキュラムに取り入れている。 システムの頭文字を取り、MIRS(Micro Intelligent Robot System:ミルス)と称している。 MIRS開発教育の歴史をFig.1に示す。


Fig.1 MIRSの歴史

第1世代(1988-1997)はお互いのロボット後尾のスイッチを相手より早く押す対戦型競技を、 第2世代(1998-2008)は競技場内におかれた円筒形のポストのスイッチを押し、 その獲得数を競うオリエンテーリング競技を、 第3世代(2009-2016)では迷路脱出、巡回警備を実施する競技会を、 第4世代(2017-2023)ではロボットのいる生活をテーマに社会実装実験を行い成果を報告する新作ロボット発表会を実施してきた。 また、各世代で標準機と呼ばれるプラットフォームを更新してきた。
第4世代では「開発した機器を現場に持ち込んで評価してもらう社会実装」を授業目的として設定し、 「ロボットが当たり前にいる生活が実現したらどんな未来が待っているのか」をテーマに取り組んできたが、次の点に課題があった。

  • 屋外走行、段差乗り越えに対する課題

    第4世代の標準機はゴム製タイヤを搭載した独立2輪駆動型であるが、屋外はもちろん、屋内の小さな段差であっても乗り越え不可能になるケースが多かった。

  • ロボット高さ変更による不安定化

    第4世代の標準機は上部に社会実装のための機能を追加するコンセプトで設計されていたが、実際に社会実装を意識し、 現場にて人とロボットによるインタラクションを実現するためには高さ方向の改良が必要であった。 その結果、重心が不安定になり、標準機そのものを改良して活用するチームも存在したことから、標準機の更新が課題となっていた。

  • テーマ設定方法

    開発したロボットを利用する実ユーザの意見が反映されない、あるいは、いないまま開発が進むことが多く、 検証のための実フィールドがないケースが存在した。

    これらの点を受け、MIRS第5世代開始にあたり、プラットフォームの更新を行った。

    MG5のコンセプト

    MG5の開発コンセプトは下記のとおりである。

    1. 実フィールドでの実証実験を促進する不整地クローラユニットの採用

      テスト開発用電動クローラユニットCuGo V3((株)CuboRex製)を採用したことで、 最大80kgの積載性能と耐久性、アルミフレーム外装による高いカスタマイズ性、 狭いところにも入っていける機動性も兼ね備える標準機へと改良した。

    2. MG4標準システムの踏襲

      第4世代にて採用したRaspberry Pi + Arduino の構成を踏襲し、 最小限の製作労力で標準的な走行体を製作を可能とするものとする。 そのために自前のハードウェアの製作をできる限り行わなくてもよいように部品を調達する。
      また、制御システムを全てコンテナボックスの中に収納することで、防塵・防水性を高めるとともに、 クローラユニット + 制御ボックス + 拡張部の構成とした。

    3. 進化する標準機

      MG5ではMG4にて培った技術や、3年「電子機械基礎実習」にて実施する技術探求によって得られた成果を積極的に取り入れることにできる授業設計となっている。

      • LiDARによるSLAM走行
      • ROSによる制御系の構築
      • ロボットマニピュレータによるピックアンドプレース
      など、様々な機能の搭載を期待している。


    Fig.2 MIRSMG5標準機