工作室以外で工作機用PCBファイルを作成する方法。 〜PCBE Ver.048.9から工作室のMITS製FP-21Lへ転送する方法〜 用意するもの ・PCBE ・挫けない心 ・QuickDrow/QuickGerberがインストールされたパソコン ※QuickDrow/QuickGerberは工作室のパソコンにインストールされています。 (1)PCBEで回路図(.PCBファイル)を作成する。 この説明では レイヤー1:表面パターン レイヤー2:裏面パターン レイヤー5:表面レジスト レイヤー6:裏面レジスト レイヤー7:外径 貫通させる部分 として説明する。 (2)PCBEからガーバー出力する。 「ファイル」→「ガーバー出力」→「設定」 にて、『実際に掘る部分のレイヤー』にチェックを入れる。 ただし、レジストなどを使用しない場合はチェックを入れる必要はない。 つまり、レジストを使用せず、ラインとランドだけを用いる場合、チェックを入れるレイヤーは 片面基板→1,7 両面基板→1,2,7 チェックしたら「終了」→「出力」でガーバー出力。 ここで指定したファイル名で回路図と同じ場所に出力される。 拡張子は.GRB ※必ずmm出力すること! inch出力して泣きを見ても面倒見ない。 (3)PCBEからホール出力する。 「ファイル」→「ホール出力」→「設定」でレイヤーが8:穴なのを確認したら「終了」→「出力」で出力。 拡張子は.HOL (4)gout.lstをメモ帳で開きDコードとデータ区切りをメモる。 例: データ区切り '*' (2Ah)使用Dコード : アパーチャ径/角 丸アパーチャー ライン用 D46 :φ 1.000 mm 丸アパーチャー ライン用 D66 :φ 2.000 mm 丸アパーチャー ライン用 D70 :φ 2.200 mm ※どれがラインでドレがランドかも確認すること! 確認の仕方。 ラインは自分で引いたラインの太さと照合する。 ランドは「パッド模写」(ボタン)→「(アパーチャ/パッド)選択」(ボタン)で今使っているランドに使われる円と穴の径が確認できる。 (5)hout.lstをメモ帳で開きTコードとデータ区切りをメモる。 例: データ区切り CR/LF 使用Tコード : ドリル径 使用個数 T24 :φ 0.800 mm 201 個 ※複数の大きさの穴を開ける場合、どのコードがどの穴用なのかを確認すること! (6)QuickGerberを起動させる。 ココからは工作室のパソコンでの処理。 (7)変換条件を変更する。 「条件設定」→「変換条件」。「ターミネータ」を変更する。 例)フォトデータ=「*」 穴=「CR/LF」 ※ターミネータとは(4)、(5)でのデータ区切りのこと。  コレが違うと読み込み時に「ブロック数が大きすぎます」となり読み込めない。 (8)線幅・径条件を変更する。 「条件設定」→「線幅・径条件」。「アートワーク」、「穴」にそれぞれDコード、Tコードを入力する。 ※アートワークのLなどは L=ライン F=フラッシュランド(円) ←通常のランド R=角型ランド(長方形) O=長丸形ランド(長丸) という意味。 ※Dコードが3桁まである場合は空いている適当な場所に入力し、「条件設定」→「工具変換条件」で指定し直す事。(線データの中にある三桁のDコードを指定し直したものに読み替える機能) (9)変換先ファイルを作成する。 1.「ガーバー変換」。絵画画面になる。 ファイル名を聞かれるので【変換後】のファイル名を入力する。 2.「単位」をmmにする。 ※変換は常にmmで行うこと!  PCBEでの作画にインチを使っていようと関係無い。必ずmmにすること! 3.ワークサイズを適当に入力。 小さい分には読み込み後に自動で大きくしてくれるので適当に1,1とかにしとく。 (10)穴データ変換 「穴変換」→「穴変換」。.HOLファイルを選択、入力する。 名前を入力せずにEnterするとファイルリストが表示されるので便利。 ただし、ディレクトリ移動はできないようなので注意。 ※「〜が多すぎます」と言われたら(7)をやり直す。もしくは逆に設定してみる。 (11)パターンデータ変換 「フォト」→「P・表」、表データが入った.GRBファイルを選択、入力する。 「フォト」→「P・裏」、裏データが入った.GRBファイルを選択、入力する。 名前を入力せずにEnterするとファイルリストが表示されるので便利。 ただし、ディレクトリ移動はできないようなので注意。 ※「〜が多すぎます」と言われたら(7)をやり直す。もしくは逆に設定してみる。 (12)輪郭線作成 「輪郭線」→「表」、輪郭線No.を入力、繰り返し回数を1とする。 「輪郭線」→「裏」、輪郭線No.を入力、繰り返し回数を1とする。 ※中抜き穴などがある場合は「表 内」「裏 内」を使用する。 (13)外枠の指定 「フォト」→「外・表」or「外・裏」、外形データの入った.GRBファイルを選択。 ※フォーミングカッタで切り抜く外枠・・・だが、学生が外枠くり貫きをやると工作機をアノヨウナ惨状に平気でするのでフォーミングカッタは使わず、掘り終わった後にコンタマシン(帯鋸)で切り離した方がよっぽど楽。  どうしてもフォーミングカッタを使いたい場合はこの後にフォーミングカッタの直径分オフセットをしなければならない。  しかし、本ドキュメントはコンタマシンを使う事を強く推奨するので解説しない。  必要な場合は工作機の管理者(執筆時では大庭先生)からマニュアルを借りて必要な情報を探すこと。 (14)保存して終了 「終了」→「登録終了」 ※工作機の操作ソフト系は『とても不安定』なのでこまめに保存しておくこと! (15)QuickDrawを起動する。 最後の仕上げ。コレを怠るとちょっと泣きが入る。 (16)不要な原点穴を削除する。 変換したファイルを開き、「編集」→「削除」→「要素」、原点マークの中心の交点をクリック。 ココに穴が一つ隠れているのでコレを削除。必要なら裏側も同様に。 (17)保存して終了 「終了」→「登録終了」 これにて変換作業は終わりです。お疲れ様でした。 最後に 工作機には学校の備品登録のラベルが張ってあり、「EP-21L」と書かれているが正しくはFP-21Lの模様。紛らわしい。 参考文献 ・よねLab「プリント基板エディタ「PCBE Ver.0.48」からプリント基板加工機「ミッツ FP-7A」へのデータ転送方法」 (http://home.n05.itscom.net/yone-lab/electronics/pcbe-easy_cad/pcbe-easy_cad.html) ・プリント基板加工システム取扱説明書&FP-21簡易操作マニュアル (工作機の管理者に問い合わせてください。執筆時:大庭先生)