沼津高専 電子制御工学科
標準MIRSの基盤
MIRS9804-ELEC-0001
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 1999/05/24 村松洋 品川 初版


構成図




電源ボード


1.機能概要

電源ボードは、以下に示す機能を持つ。
2.回路構成

図1に回路構成図を示す。図1より1から3のブロックの機能のついて説明する。
@定電圧電源回路
この部分は、MIRSのすべての回路に電力を供給するための回路である。電源としては、ラジコン用7.2Vニッカド充電電池を用いる。これはフル充電では8Vほどまであるが、そのうちに電圧は落ちてくる。通常の定電圧レギュレータICを用いると、5Vを発生させるためには7V近く必要となり、これでは電圧が落ちてきたときに安定した電力を供給することができなくなる。そのためこの回路では、定損失のレギュレータ(最低入力電圧6.0V)を用いている。また3Aという大きな電流が必要となり、ここではそれだけの電流を流しだすことができるようにしている。
ADC−DCコンバータ
この部分は、RS−232Cを使用するための電源となる。必要な電源は、±12V,100mAである。
BON−OFF制御部
この部分は、スタートスイッチが押されたら、緊急停止スイッチ及びモータに電力を供給し、緊急停止スイッチが押されたら、それらをOFFするための回路である。またMPUボードにそのON、OFFの信号を送信する機能も兼ねている。ここは、リレーによる1ビットのデータ保持機能を持つ回路となっている。

マンマシンインターフェイスボード


1.機能概要

2.回路構成



ロータリーエンコーダー

(1) 機能概要

 このボードは、ロータリ・エンコーダからの信号を取り込み、カウンタでカウントし、CPUの要求に応じてカウント値を出力するものである。また、タッチセンサの信号を取り込みスイッチの状態を調べ、スイッチ割込みの割込み信号を発生させるのも、このボードである。


(2) 回路構成図

8KB


(3) 外形

5KB


(4) ディップスイッチについて



タッチセンサ


1.機能概要

 タッチセンサは、針金などでセンサを作りそれによりマイクロスイッチ(omron SS-5GL)が押されるようにし、そのON,OFFをロータリーエンコーダへ知らせる機能を持つ。



赤外線センサ


1.機能概要

 この部分は、赤外線センサを受光しその変化により発生するパルス信号を引き伸ばしI/O Subボードに送る機能を持つ。
2.回路構成

 赤外線センサIS1U60はリモコン用の赤外線受光素子である。そのためパルス幅がリモコンのパルス幅の常識を越えるようなものであると、素子がノイズと判断し素子内の比較器のスレッショルド電圧をあげることにとり受光しなくなる。そこで図1(a)のように周波数38[kHz]の赤外線を600[μs]おきに発信する。そうすると図1(b)の波形を得る。

信号変調部
 信号処理部の割込み信号発生部の原理はある時間Tのときの赤外線信号の状態とそれからt[μS](68230のToutより出力されるCLKによる)後の赤外線信号の状態とを比較し状態が変化していたときに割込み信号が発生するというものであるが信号を発生させるのに74LS574を使用している関係上、IS1U60が赤外線受光時に一発パルスを出力するというのは好ましくない。そこで周辺回路で一発パルスを引き伸ばすことにより信号変調を行う。

一発パルスを伸ばす方法
 74LS123はトリガパルスを入力することにより、抵抗とコンデンサで設定されたパルス幅(twQ)を出力し、さらに再トリガパルスを入力することによりパルス幅を伸ばすことができる。そこで赤外線を38[khz]の周波数で600[μs]おきに送信することにより受光時には"H",非受光時には"L"を出力できるようになる。当然600[μs]という数字は設定パルス幅より短くなっている。



超音波センサ


1.機能概要

 この回路は、回路1つにつき超音波センサが一対搭載され、I/O Subボード超音波センサ回路のマルチプレクサにより選択されると超音波の送受信が行われる。この回路は、ゲートを組み合わせた送信回路と、オペアンプをつかった増幅回路を持つ受信回路の2つの回路からなる。



I/O ボード


1.機能概要

2.ボード仕様

 名称  :VIPC310
 メモリサイズ : 0、128、256、512[KB] 1、2、4[MB]
 IPのメモリ配置 : A24/D16
 搭載可能なIPの数 : シングルハイトサイズボードの場合 2枚
             ダブルハイトサイズボードの場合  1枚
 IPのI/O配置 : A16/D16
 I/Oサイズ :512[Byte]
 VMEbusへの割り込み :IRQ1,2,4,5が使用可能
 I/Oの接続 : 2つの50ピンコネクタ 長さ100インチまでのフラットケーブル
 前面の指示器 : 2つのGreen LED
 ボードのバッテリ : 3.3[V]のリチウム電池 165[mA]ならば1時間流せる
 電源要求事項 : +5[V] 460[mA] (標準)
          +12[V] 0[mA]
          −12[V] 0[mA]
          追加電源はIPで消費
 使用環境 : 温度0度〜70度 湿度5%〜95%(結露しない程度)
 サイズ  : 縦172[mm] 横128.5[mm](含フロントパネル)
        厚さ13.6[mm] 重さ 0.14[Kg]

3.ボードの設定

  1. I/Oボードは静電気を水道の蛇口などで放電してから触るようにすること。また、使わないときは、静電気から守る袋に入れておくこと。
  2. 図1のようにI/Oボード(VIPC310)のジャンパーを設定する。(赤で記されている)
  3. 図2のようにIP-Dig.48のジャンパーをセットする。(赤で記されている)68230の下にあるジャンパーは、はんだごてを使って線をはる。
  4. 図1のようにINDUSTRY PACK Aにロータリーエンコーダボード、INDUSTRY PACK BにIP-Dig.48をのせる。
  5. 詳しくは、各ボードのマニュアルを参照すること。





I/O Subボード


    1.超音波センサ回路
    2.PWM回路
    3.赤外線センサ回路

超音波センサ回路


1.機能概要


2.回路構成