沼津高専 電子制御工学科
MPU.CPUボード調査記録
MIRS9802-TECH-0008
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容 提出先
A01 1998.12. 内藤 聡 初版

名称VSBC-1 Single Board(68HC000) Computer Module for the VMEbus
CPUMC68HC000 クロック : 12.5MHz(16.7MHzに変更可能)
サイズ100×160 (mm)
製造元PEP Modular Computers
RAMSRAM 256KB×2
ROMEPROM 128KB
Serial I/O68562DUSCC :ポートA,ポートBの2つのポートが使える。
Parallel I/OMC68230 :PI/Tを搭載する。16のパラレルI/Oライン(8bit×2ports)と4つのハンドシェークラインを持つ。そして24bitのタイマ/カウンターを持つ。これにより、ハードウェア割り込み、タイマ割り込みなどが行える。
Real-time Clock12/24時間時計、曜日カウンター、アラーム、タイマ割り込みが行える。
VME-bus interfaceインターフェイス:A16:D16/D8 AMSTER コネクタ:DIN41612 C型 96pin P1コネクタ
Power・通常DC5V(±5%),750mA 
・RS232C使用時 DC±12V 100mA 
・RAM,RTCバックアップようの電源リチウム電池 800mAh(on-boar Battery)
Temperature ranges (使用温度範囲)・動作時 
    0℃から+70℃ (標準) 
   -25℃から+85℃ (拡張) *+85℃以上ではバッテリーをはずす。
   -55℃から+125℃ (軍事用) 
・保存時 
   -55℃から+85℃
Watchdoc400msecごとに信号を送られてこないと、異常が発生したとしてシステムリセットを行う。
ClockCPU クロック×1 システムクロック×1 RTCクロック×1 DUSCCクロック×1
Interrupt handler7levelの割り込みが可能(IRQ1からIRQ7)。システムが設定しているオートベクタは下の表の通りである。


オートベクタ


Abort switchlevel7
ACFAILlevel7
RTC/TICKlevel6
DUSCClevel5
SYSFAILlevel4
PI/Tlevel3
SCSIlevel2


1、1 特徴
1、2 レジスタ
1、3 スーパバイザステートとユーザステート
1、4 68000が扱えるデータ型
1、5 例外処理
1、6 バスインターフェイス機能
1、7 68000MPUの端子機能

1、1 特徴

モトローラのMPU68000は、特別な入力命令を持たず、I/Oをメモリー空間に配置するメモリーマップト方式を採用している。常に16Mバイトのメモリー空間に一様にアクセスすることが出来る。68000では常にCLK入力の10クロック分のE信号を定期的に出力している。通常68000のデータ入出力は、E信号と関係なく非同期に行われている。68000は16ビットCPUでありながら内部レジスタは、すべて32ビットになっている。また、レジスタは用途に関してあまり制限の多くない汎用レジスタ方式を採用しているので、レジスタ間のデータ転送などの回数を減らすことが出来る。

1、2 レジスタ

68000のレジスタは、データレジスタDn(n:0〜7)、アドレスレジスタAn(n:0〜7)、ステータスレジスタSR、プログラムカウンタPCがある。データレジスタ、アドレスレジスタのうち、用途が決まっているのは、スーパバイザ用スタックポインタ(SSP)とユーザ用スタックポインタ(USP)の2本だけであとは、汎用レジスタとして使うことが出来る。SSP、USP共にA7割り当てられていてどちらを使うかはSRの内容(Sビット)によって決まる。

1、3 スーパバイザステートとユーザステート

68000は、システムプログラムが資源管理などの操作をすることが出来るように、実行時の状態をスーパバイザステートとユーザステートに分けて、幾つかの命令はスーパバイザステートしか実行できないようにしている。これらの命令は特権命令と呼ばれSRの変更や割り込み処理に関する命令群がこれに属する。

1、4 68000が扱えるデータ型

68000は1、4、8、16、32ビット長のデータを取り扱うことが出来る。これらの内容としてはビットデータ、2進化10進数、バイトデータ、ワードデータ、ロングバイトデータがある。データレジスタは4種類のデータを保持することが出来るが、アドレスレジスタは16ビット、32ビットを単位として扱う。

1、5 例外処理

例外処理VECTORは、CPUが例外処理ルーチンのアドレスを得る為に0〜255番までの256種類が用意され、0番地から3FF番地までの1Kバイトに配置されている。このため必要に応じた例外処理プログラムの先頭番地をVECTOR TABLEに書き込んでおかなければならない。

例外処理とは、MRUが異常と判断することにより、発生するものがあるが、リセットや割り込み、さらにトラップ命令に対しての処理も例外処理として分類されている。どの場合にも例外処理は定められたベクターをフェッチし、ベクタに書かれたアドレスから命令を実行することにより開始する。

1、6 バスインターフェイス機能

68000のバスインターフェイスの大きな特徴は非同期式インターフェイスである。この非同期式インターフェイスは、バスクロックを持たない。その代わりバスサイクルの終了はI/O側からの応答信号(DTACKバー、Date Transfer Acknowledge)によって行われる。この方式は多少回路の増大があるものの、システムの融通性が増すので16ビットシステムとしては適切なものである。68000は更に同期型インターフェイスモードに切り替えて、従来より開発されている8ビット周辺LSIにも接続できる。8ビット周辺LSIは16ビットシステムにおいても重要なI/O機器を接続可能にする。

1、7 MPU68000の端子機能