警視庁の小学生の交通人身事故発生状況(令和2年度中)によると、小学生の歩行中の事故の約25%は横断歩道で発生しています。
また、2010年に完結出生児数が2.0を下回ったことにより、一人っ子がニューノーマル(新しい生活様式)となると考えています。
一人っ子の増加により、一人で行動することが増加し、自らが他人を守る立場になることが減少すると考えました。
私たちは実際の横断歩道において交通安全を学ぶ必要について考え、当プロジェクトを発足しました。
私たちの製品のコンセプトは【子供と一緒に横断歩道を渡るロボット】です。
歩みが遅いロボットと歩き、渡り方を自発的に学ぶことを目的としています。
そのためロボットの動作は小学生低学年程度の子供に合わせて設定されています。
また、『CiDer』はCrossing IDentify Education Robot(横断見極め教育ロボット)の頭文字を取ったもので、
教育ロボットとしての役割を全うできるようにという思いを込めました。
CiDer の狙いは、小学生の弟や妹のような存在となり、一人っ子であったとしても、従来、兄弟や姉妹で得てきた経験を体験してもらうことです。
完結出生児数の低下により失われてきた、兄弟・姉妹での経験を補完すると考えています。
それによって得られるのは従来の「教わる+体験する」から「教わる+体験する+考える」への変化です。従来の学校における教育や、交通安全教室において、
教わることや実地体験を通じて学ぶことに加えて、CiDer ロボットがあることにより、「考える」という学びを追加することが可能です。
このロボットの想定利用者の年齢は6~9歳の小学生です。想定利用者の弟や妹のような存在となるように、ロボットは3~6歳の子供の身長・歩速に合わせて設計しています。
子供がロボットの手を握っている間、ロボットが前進をする機能です。頭上についている赤いボタンを押すことにより、強制的にロボットの動作を停止させることも可能です。
主に、先生や交通安全教室の指導員の方などの、管理者が使用することを想定している機能です。ロボットについている基本的な機能を利用する場合、LINE からボタンを押すことによって実施することが可能です。UI もできるだけシンプルなものとすることにより、ロボットの操作もシンプルに行うことができます。
ロボットに搭載しているスピーカーを通じて音声を録音された再生する機能です。場面に応じて、「一緒に渡ろうよ!」や「手を握ってね」などの音声をロボットから発することが可能です。
電気系統全般を担当し、機体が安全に動作するように導きます。
機体の骨組み、アーム、外装などの幅広いパーツを様々な手法で作成しています。
センサーやモーターを動作させるプログラム作りに行います。
将来的に、カメラのデータなどを解析することにより、車との距離や、他の横断者との位置関係を踏まえて、子供の横断を評価する機能の搭載を考えています。
また、応用的に、ロボットが直進以外、曲がるなどの動作をランダムに行うことで、より子供の対応力の向上のため機能を搭載できると考えています。