名称 MIRS1902 標準機製作報告書
番号 MIRS1902-REPT-0001

版数 最終更新日 作成者 承認者 改訂記事
A01 2019.05.24 藤森 元太 初版

ドキュメント内目次



1. はじめに

本ドキュメントは2019年 5月24日に行われたMIRS1902の統合試験までの作業報告書である.
また, MIRS1902 標準機製作報告会プレゼン資料より2019年 6月14日の報告会で使用した資料を閲覧できる.

2. 製作手順

2.1 Arduino製作手順

MIRSMG4D-SYST-0003 Arduino のセットアップとデバイス接続に従い,ユニバーサル基板実装を行った.
使用したピンをTable1に示す.
完成した基板の部品面をFig.1, はんだ面をFig.2に示す.
また, Fig.1には赤字でピンの名前を示す.

Table1 使用ピン一覧
ピン番号 接続デバイス IN/OUT 備考
2 左エンコーダ(A層) IN プルアップ,割り込み(CHANGE)
3 右エンコーダ(A層) IN プルアップ,割り込み(CHANGE)
4 左エンコーダ(B層) IN プルアップ
7 右エンコーダ(B層) IN プルアップ
8 左モータ(DIR) OUT
9 右モータ(PWM) OUT PWM
11 左モータ(PWM) OUT PWM
12 左モータ(DIR) OUT
A5(19) バッテリー電圧 IN 抵抗分圧により1/2倍値を入力

Fig.1  Arduino UNO用ユニバーサル基板(部品面)
Fig.1 Arduino UNO用ユニバーサル基板(部品面)

Fig.2  Arduino UNO用ユニバーサル基板(はんだ面)
Fig.2 Arduino UNO用ユニバーサル基板(はんだ面)


2.2 Raspberry Piの製作手順

MIRSMG4D-SYT-0004 Raspberry Pi のセットアップとデバイス接続に従い, ユニバーサル基板に20ピン×2列のピンソケット, 信号線,ハウジング, ICソケットの基板実装を行った.
また完成した基板の部品面をFig.3に, はんだ面をFig.4に示す.


Fig.5 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(部品面)
Fig.3 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(部品面)

Fig.6 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(はんだ面)
Fig.4 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(はんだ面)

2.3 電源ボード・ケーブル製作

完成した電源ボードの部品面をFig.5に, はんだ面をFig.6に示す.


Fig.5 電源ボード(部品面)
Fig.5 電源ボード(部品面)

Fig.6 電源ボード(はんだ面)
Fig.6 電源ボード基板(はんだ面)

2.4 バッテリーホルダー製作手順

SolidWorksを使用してモータマウント・モータマウントサポートを作成した.
駆動用モータマウントについてCADで作成した製品をFig.7に, 製品の図面をFig.8に示す.
モータマウントサポートについてはモータマウントとほぼ同様の工夫をしたため, 省略する.

Fig.7 駆動用バッテリーホルダー
Fig.7 モータマウント

Fig.8 駆動用バッテリーホルダーの図面
Fig.8 モータマウントの図面


2.5 標準機組み立て手順

標準機の組み立ては,
MIRSMG4D-MECH-0003 MIRSMG4D 標準機組み立て手順書に従い行った.

また,標準機のメカニクスの解説については,
MIRSMG4D-MECH-0001 MIRSMG4D標準機メカニクス解説を参照し,
標準機のメカニクスの詳細設計書については,
MIRSMG4D-MECH-0002 MIRSMG4D 標準機メカニクス詳細設計書を参照した.

使用部品をTable2に示す.
                   
Table2 部品一覧
名称部品コード 個数 材質 備考
上段シャーシ MIRGMG4S_UC 1枚 アクリル板拡張部
中段シャーシ MIRGMG4S_MC 1枚 アクリル板制御部
下段シャーシ MIRGMG4S_LC 1枚 アルミ板 駆動部・標準のものには電源ボード固定穴がないので注意
短支柱 MIRGMG4S_SP 4本 アクリル棒下段・中段接続用
長支柱 MIRGMG4S_LP 4本 アルミ棒下段・上段接続用
タイヤホイール MIRGMG4S_TW 2個 ABS樹脂
モータマウント MIRGMG4S_MM 2個 ABS樹脂
モータマウントサポート MIRGMG4S_MS 2個 ABS樹脂
制御用バッテリーホルダー MIRGMG4S_CH 1個 ABS樹脂
駆動用バッテリーホルダー MIRGMG4S_DH 4個 ABS樹脂
超音波センサマウント MIRGMG4S_UM 2個 ABS樹脂 オプション
製作過程, 完成した機体をFig.9からFig.11に示す.


  Fig.9 標準機機体
Fig.9 モータ取り付け




  Fig.10 標準機機体
Fig.10 制御基板取り付け




  Fig.11 完成した標準機機体
Fig.11 完成した標準機機体



3. 試験

3.1 Arduino単体試験

3.1.1 試験方法

Arduinoの単体試験は MIRSMG4D-SYST-0007 Arduino単体での動作試験の内容に沿って行う.

3.1.2 試験結果

この試験の結果をFig.12に示す.
  Fig.12 Arduino単体試験
Fig.12 Arduino単体試験


3.2 Raspberry Pi単体試験

Raspberry Piの単体動作試験は MIRSMG4D-SYST-0008 Raspberry Piでの動作試験の内容に沿って行う.

3.2.1 試験方法

① 超音波センサ動作試験

白色超音波センサ, 青色超音波センサが検出できる距離の最大値, 最小値を確認する.
最大値と最小値の範囲内で, 実際の距離を10[cm]ずつ変更したときのそれぞれの超音波センサの表示距離を10回確認したときの最大値, 最小値を測定する.
測定値が不安定になったところで, 測定不能と判断し, 実験を終了する.

② USBカメラ動作試験

カメラが動作し, かつ映像が映ることを確認する.

③ USBカメラ画像キャプチャ実行試験

画像キャプチャが実行できることを確認する.

④ タッチセンサ実行試験

ON,OFFの認識ができることを確認する.
タッチセンサが押されているときは0,押されていないときは1の出力をもって良好とする.

⑤ 数字認識実行試験

MIRS2015で使用した数字ボードの認識ができることを確認する.
また数字ボードの距離を変更して, カメラが認識できる距離の最小値と最大値を確認する.
数字ボードの距離は5[cm]ごと変更し, 10回の判定をもって認識可能と判断する.

3.2.2 試験結果

動作確認の際に, 超音波センサの右側の値が表示されなかったが, これは配線の誤りが原因だった為, 配線し直した.
その他は全て正常に動作した.

①の実験において、白マウントにつけた超音波センサが測定可能である距離の最小値が17[cm], 最大値が240[cm], 青マウントにつけた超音波センサ測定可能である距離の最小値が17[cm], 最大値が150[cm]であった.
超音波センサの測定結果をTable4に, 実際の距離と白マウントにつけた超音波センサの測定値との差の関係を示したグラフをFig.13に, 実際の距離と青マウントにつけた超音波センサの測定値との差の関係を示したグラフをFig.14に示す.
②, ③, ④の実験の結果をTable3に示す.
⑤の実験において, カメラが測定可能である距離の最小値が100[cm], 最大値が375[cm]であった.
Fig15からFig18にそれぞれ50, 100, 375, 500[cm]の時のキャプチャ画像を示す.
ただし, 表内における評価は標準機の性能の確認の意味であり, 誤差は今後のMIRS開発における目安となる値である.

Fig.13  超音波センサ(白)制度

Fig.13 超音波センサ(白)精度

Fig.14  超音波センサ(青)制度

Fig.14 超音波センサ(青)精度

Table3 Raspberry Pi単体試験結果
試験内容 試験者 結果 評価(良好・適・不適) 備考
USBカメラ動作試験 芹澤零士
飯尾成輝
ディスプレイ上に映像が映った 良好
USBカメラ画像キャプチャ実行試験 芹澤零士
飯尾成輝
実行の数秒後にUSBカメラが動作しキャプチャが実行された 良好
タッチセンサ実行試験 芹澤零士
飯尾成輝
タッチセンサが押されているときは0,押されていないときは1を返した 良好 タッチセンサの接続場所を変えると,結果の表示場所も変わった

  Fig.15 数字認識(50)
Fig.15 数字認識(50)
  Fig.16 数字認識(100)
Fig.16 数字認識(100)
  Fig.17 数字認識(375)
Fig.17 数字認識(375)
  Fig.18 数字認識(500)
Fig.18 数字認識(500)

3.3 標準機ゲイン調査試験

3.3.1 試験方法

① 直進走行ゲイン調査試験

PIDそれぞれのゲインと走行速度[cm/s]を与え, 300[cm]を目標値とした時の実際の走行距離[cm]を測定し, 走行の様子を観察する.

② 回転動作ゲイン調査試験

Pゲインと回転速度[deg/s], 回転角度[deg]を与え, 与えた回転角度との差[deg]を測定し, 回転の様子を確認する.

3.3.2 試験結果

動作試験内容と結果をTable5に示し, ゲイン調整を行った後の機体の挙動の様子を以下のMov.2に示す.
ただし, 表内における評価は標準機の性能の確認の意味であり, 誤差は今後のMIRS開発における目安となる値である.



Table5 標準機ゲイン調査結果
試験内容 試験者 結果 評価(良好・適・不適) 備考
直進走行試験 芹澤零士
露木大雅
飯尾成輝
伊藤 壮汰
勝又 大地
(Pg, Ig, Dg) = (10.0, 0.0, 100.0)
v = 40のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (20.0, 0.0, 100.0)
v = 40のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (40.0, 0.0, 100.0)
v = 40のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 0.0, 100.0)
v = 40のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (20.0, 0.0, 50.0)
v = 40のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (20.0, 0.0, 200.0)
v = 40のときx = 270
(Pg, Ig, Dg) = (20.0, 0.0, 25.0)
v = 40のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 10.0, 50.0)
v = 100
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 5.0, 50.0)
v = 100
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 1.0, 50.0)
v = 100のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 0.5, 50.0)
v = 100のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 0.25, 50.0)
v = 100のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 0.25, 50.0)
v = 50のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 0.25, 50.0)
v = 10のときx = 290
(Pg, Ig, Dg) = (30.0, 0.25, 50.0)
v = 300
ほんの少しだけ右にずれた


ほんの少しだけ右にずれた


ほんの少しだけ右にずれた


少し左にずれた


ズレが減少


回転に無駄が増加


ズレが増加


検証中断(直進せず)


検証中断(直進せず)


少し左にずれた


ほんの少し左にずれた


ズレなし
3.79[s]

ズレなし


ズレなし


検証中断(直進せず)


xはメジャーで計測した
回転動作試験 芹澤零士
露木大雅
飯尾成輝
Pゲイン=0,ω=90,θ=1800のときθ'=30
なめらかに回った
Pゲイン=10,ω=90,θ=180のときθ'=-1
なめらかに回った
Pゲイン=20,ω=90,θ=180のときθ'=-1
前後の揺れがひどくなった
Pゲイン=-10,ω=90,θ180のとき
少し回転した後,不規則な直進や回転をした
Pゲイン=5,ω=90,θ=180のとき
なめらかに回った
Pゲイン=5,ω=90,θ=360のとき
なめらかに回った
良好


良好


不適


不適




良好


良好


θ'はiPhoneのアプリ(コンパス)で計測した




Mov.2 積分ゲインの調整による直進走行の変化

3.4 標準機統合試験

標準機統合試験はMIRSMG4D-SYST-0009 標準機統合試験の内容に沿って行う.

3.4.1 試験方法

① 直進走行試験

Pゲイン=30, Iゲイン=0.25, Dゲイン=50と走行速度50[cm/s]を与え
300[cm]を目標値とした時の走行時間[s]と実際の走行距離[cm]と左右のずれ[cm]を20回計測し, その平均値を求める.
また左右のずれは, 進行方向に対して左を正の方向とする.
このとき, スイッチの不具合が発生した.
使用したモータのギア比は1:19であり, 試験場所はクリエイティブラボ床とする.

② 回転動作試験

Pゲイン=5と回転速度180[deg/s], 回転角度3600[deg]を与え, 回転時間[s]と実際の回転角度[deg]を20回測定し, その平均値を求める.

3.4.2 試験結果

標準機統合試験の結果をTable6に示す.
直進走行試験の左右のブレの最大値は、右に2[cm], 左に2.5[cm]であった。

Table6 統合試験結果
試験内容 試験者 走行にかかった時間[s] 走行距離[cm]/回転角[deg] 左右のずれ[cm]
直進走行試験 伊藤 壮汰
藤森 元太
6.59 289.7 0.28
回転動作試験 芦澤 辰憲
伊藤 壮太
藤森 元太
22.10 3519

4. 不具合報告

標準機部品作成から統合試験までに起きた不具合を以下に示す.

1. ケーブルの不具合
2. スイッチの不具合